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建築士の受験資格は?合格基準や建築士に最短でなる方法も

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建築士の受験資格の条件は?合格基準や建築士に最短でなる方法を解説

建築士受験資格について気になる方もいるのではないでしょうか。

建築士の資格は、誰もが簡単に受験できるわけではなく、受験資格を満たしている必要があります。

特に近年は建築士法改正により、受験資格や実務経験の要件が変わり、資格取得までの道のりにも影響が出ています。そのため、より効率的に建築士になるための最短ルートを押さえることが大切です。

また、建築士としてのキャリアを考える際、就職先の選択肢は非常に重要です。建築設計事務所やゼネコン、官公庁など、さまざまな分野で活躍できる機会があり、それぞれに異なる役割や求められるスキルがあります。

そこで本記事では、建築士になるための受験資格や最短で建築士になるための方法について解説します。加えて年収事情や受験合格後の就職先についてもまとめたので、建築士を目指す方は参考にしてください。

建築士の受験資格

建築士

まずは、建築士の受験資格について、各資格ごとに解説します。

一級建築士

一級建築士の受験資格は、従来は「学歴」と「実務経験」の両方が必要とされていましたが、令和2年の建築士法改正により、「実務経験」は受験の条件から除外され、一級建築士としての免許登録時の要件となりました。

これにより、適切な学歴を有する者は、大学を卒業後すぐに一級建築士試験を受験することが可能になりました。具体的には、大学卒業後に試験を受験し、その後2年の実務経験を積んでから免許登録を行うというプロセスが設定されています。

なお、一級建築士の資格試験受験に必要な学歴・資格は下記の通りです。

  • 大学、短期大学、高等専門学校、専修学校等において、国土交通大臣の指定する建築に関する科目を修めて卒業した者
  • 二級建築士
  • 建築設備士
  • その他国土交通大臣が特に認める者(外国大学を卒業した者等)

出典:受験資格|公益財団法人建築技術教育普及センター

二級建築士

二級建築士の資格取得に関しては、建築における学歴や他の資格に基づき、必要とされる実務経験年数が規定されています。

二級建築士に関しても、令和2年に行われた建築士法の改正により、受験資格に変更が生じました。この改正により、学歴要件を満たしている場合については、実務経験がなくても試験受験が可能となるケースが増加しました。

二級建築士の資格試験受験に必要な学歴・資格は下記の通りです。

建築に関する学歴又は資格等実務経験年数(試験時)
大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校、
職業訓練校等において、指定科目を修めて卒業した者
最短0年
建築設備士0年
その他都道府県知事が特に認める者所定の年数以上
建築に関する学歴なし7年以上

出典:受験資格|公益財団法人建築技術教育普及センター

木造建築士

木造建築士の受験資格は、二級建築士と同様です。

建築士の受験資格と一緒に押さえておきたい合格基準

建築士

続いては、建築士の資格試験に合格する基準について解説します。

一級建築士

一級建築士の学科試験は5科目に分かれています。

合格基準店は、総得点と科目ごとに定められているため、得点数が偏ってしまうと、総得点を満たしていても不合格になる場合があります。

また、学科5科目の問題数と得点数は下記の通りです。

  • 計画:20点満点
  • 環境・設備:20 点満点
  • 法規:30点満点
  • 構造:30 点満点
  • 施工:25 点満点
  • 合計: 125 点満点

なお、直近5年間の一級建築士の合格基準点は以下の通りです。

 計画環境・設備法規 構造施工総得点
平成30年111116161391
令和元年111116161397
令和2年111016161388
令和3年101116161387
令和4年111116161391

二級建築士

二級建築士の学科試験は4科目に分かれています。

一級建築士と同様、合格基準店は、総得点と科目ごとに定められているため、得点数が偏ってしまうと、総得点を満たしていても不合格になる場合があります。

合格基準点は科目別の合格基準点が各13点以上、総得点が合計60点以上が基本ですが、これはあくまで標準的な基準であり、その年度により合格点に調整が入る場合があります。

直近5年間の二級建築士の合格基準点は以下の通りです。

 計画法規構造施工総得点
平成30年1313131360
令和元年1313131360
令和2年1313131360
令和3年1413131360
令和4年1314141360

木造建築士

木造建築士試験の試験は、「学科I(建築計画)」「学科II(建築法規)」「学科III(建築構造)」「学科IV(建築施工)」に分かれており、各科目別の合格基準点が各13点以上、総得点が合計60点以上が基本となっています。

なお、この合格点基準点は年度により異なります。

関連記事:

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受験資格と一緒に押さえたい『建築士に最短でなる方法』

建築士

続いては、建築士に最短でなる方法を解説します。

一級建築士

一級建築士に最短でなる方法は以下の通りです。

  • 大学で指定科目を修めて卒業する
  • 建設会社などに就職する
  • 働きながら資格試験を受験して合格する
  • 引き続き実務経験を積む
  • 免許を取得する

建築士の資格試験に関しては、大学で指定された科目を履修し卒業すれば、実務経験がなくても受験することが可能です。このため、大学を卒業した直後から試験の受験が許されます。

一方で、実際に免許を取得するためには実務経験が必要とされるため、通常は就職してから免許を取得することになります。

一級建築士の受験については、指定科目を履修し卒業していなくても、二級建築士の資格を持っているなどの条件を満たせば受験が許可されます。

しかし、一級建築士の資格を最短で取得する方法を考えると、二級建築士を取得せずに直接一級建築士試験を受ける方がスピーディーです。

二級建築士

二級建築士に最短でなる方法は以下の通りです。

  • 大学、短期大学、高等専門学校などで指定科目を修めて卒業する
  • 資格試験を受験して合格する
  • 免許を取得する

二級建築士の資格を取得するには、指定された科目を履修し、大学や短大、高専などを卒業していれば、試験を受けることが可能です。

これらの教育機関を卒業していれば、実務経験がなくても二級建築士の免許取得が認められます。

一方で、最終学歴が高校や中学校の場合は、免許を取得するために2年以上の実務経験が必要です。

もし指定科目を修めずに卒業した場合は、免許取得のために7年以上の実務経験が求められます。そのため、建築士として最短でキャリアをスタートさせるには、高校や大学での学科選択が重要になってきます。

これは、建築士を目指す学生にとって、教育選択の段階での適切な計画がキャリア形成において大きな影響を及ぼすことを示しています。

木造建築士

木造建築士に最短でなる方法は、二級建築士と同様です。

受験資格と一緒に押さえたい『働きながら建築士になる3つの方法』

建築士

続いては、働きながら建築士になる方法を3つ解説します。働きながら建築士になる方法は下記の通りです。

  • 専門学校・大学に通う
  • 通信講座を受講する
  • 転職して独学をする

では、一つずつ解説します。

専門学校・大学に通う

働きながら建築士になる方法の1つ目は、専門学校・大学に通うことです。

多くの専門学校や大学では、夜間や週末のクラスを提供しており、仕事を持つ人々も学びながら資格取得に必要な知識や技術を身に付けることができます。

専門学校や大学のプログラムを通じて、建築士になるために必要な建築学の基礎知識、設計技術、建築法規などの幅広い科目を学ぶことが可能です。

また、多くの教育機関では、建築士試験に向けた準備クラスやガイダンスを提供しており、受験に際してのサポートも得ることができます。

この方法の利点は、実務経験を継続しながら、学術的な背景を構築できる点にあります。仕事を通じて得られる実務知識と、学校での学びを組み合わせることで、より実践的かつ深い理解を得ることが可能です。

このように、働きながら専門学校や大学に通うことは、時間管理や努力が必要ですが、建築士を目指す上での有効な手段となり得るのです。

通信講座を受講する

働きながら建築士になる方法の2つ目は、通信講座を受講することです。

通信講座を利用すれば、時間や場所の制約を受けずに、必要な建築学の知識や建築士試験に向けた学習を行うことができます。通信講座は、インターネットや郵送による教材を利用し、自宅や職場などで自分のペースで学習を進めることが可能です。

通信講座でも、建築に関する基本的な理論から実務に必要な技術、建築法規まで、幅広いカリキュラムが提供されています。

また、一部の講座では、オンライン上でのフォーラムやウェビナーを通じて、講師や他の受講生との交流や質疑応答の機会も提供されることがあります。

通信講座の最大の利点は、フルタイムで働きながらでも、時間を有効に活用して学習を進めることができる点にあります。勤務時間外や休日を利用して勉強することで、建築士の資格取得に向けた準備を進めることが可能です。

この柔軟性は、仕事を続けながらキャリアアップを図りたい人々にとって、非常に有効な手段と言えるでしょう。

転職して独学をする

働きながら建築士になる方法の3つ目は、転職して独学をすることです。

この方法では、建築や設計に関連する分野への転職を通じて、実務経験を積みながら、自主的に建築士試験に向けた勉強を行います。転職によって得られる実際の建築現場や設計プロセスの経験は、学んだ理論を実践の場で深めるのに役立ちます。

独学の場合、専門書籍の読解、オンラインリソースの活用、模擬試験の実施など、学習のペースや内容は完全に自分自身で管理する必要があります。

また、自分の勤務状況やライフスタイルに合わせて、効率的な学習スケジュールを立てることが重要です。

ただし、自己管理能力やモチベーションを維持する必要があり、これらは独学の大きな課題でもあります。

そのため、この方法は、自立して学習を進めることが得意で、実務経験を通じて学んだことを深めたい方に適しています。

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関連記事:建築士に高卒でなるには?取得条件や合格者の年齢傾向を解説

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建築士の資格を取得した後の就職先

建築士

続いて、建築士を取得した後の就職先について解説します。建築士を取得した後の就職先は下記の通りです。

  • 設計事務所
  • ゼネコン
  • 住宅メーカー
  • 地方自治体

では、一つずつ解説します。

設計事務所

建築士の資格を取得した後の就職先の1つ目は、設計事務所です。

設計事務所での勤務は、建築士としての専門知識を生かし、住宅、オフィスビル、商業施設、公共施設など、さまざまな建築プロジェクトに携わる機会を提供します。

設計事務所での仕事は、クライアントとの打ち合わせから始まり、コンセプトの策定、詳細な設計図の作成、建築プロジェクトの監督に至るまで、建築の全過程にわたることが多いです。

また、設計事務所では、個々の建築士が自らの創造性を発揮し、独自のデザインを形にすることが求められます。

このため、建築士として独自のデザインスタイルを持ち、創造的なビジョンを実現したいと考える人にとって、設計事務所は理想的な職場となることが多いです。

さらに、設計事務所では、最新の建築技術や持続可能な設計原則など、業界のトレンドについても学ぶ機会が多く、専門知識の深化やキャリアの成長を望む建築士にとって有益な環境が提供されます。

このように、設計事務所での経験は、建築士としての実務スキルを磨くとともに、業界内でのネットワーキングや専門的な評価を高める機会となり得るのです。

ゼネコン

建築士の資格を取得した後の就職先の2つ目は、ゼネコンです。

ゼネコンでの勤務は、建築士にとって多様な業務に携わる機会を提供し、商業施設、オフィスビル、住宅開発、インフラプロジェクトなど、大規模な建築プロジェクトの経験を積むことができます。

ゼネコンでの仕事は、単に設計に留まらず、プロジェクトの管理、施工監理、コスト計算、クライアントとの調整など、建築プロジェクトの成功に必要な多角的な役割を担います。

これには、高いコミュニケーションスキル、プロジェクト管理能力、さらには建築技術に関する深い理解が要求されます。

また、ゼネコンで働くことは、大規模なプロジェクトに参加することで得られる広範な経験とともに、建築士としてのキャリアの幅を広げるチャンスを意味します。ここでは、建築の最前線で活躍し、大きな責任を担いながらも、専門知識を活かして影響力のある仕事に取り組むことが可能です。

このように、ゼネコンは、建築士としてのキャリアを多方面に展開したいと考える人にとって、魅力的な職場環境を提供すると言えるでしょう。

住宅メーカー

建築士の資格を取得した後の就職先の3つ目は、住宅メーカーです。

住宅メーカーでは、建築士は一般家庭向けの住宅設計から、カスタムメイドの注文住宅に至るまで、幅広い種類の住宅プロジェクトに携わることができます。

住宅メーカーでの仕事は、クライアントとの密接なコミュニケーションを必要とし、そのニーズやライフスタイルを深く理解し、それを具体的な設計に反映させる能力が求められます。また、住宅の建築に関わる最新の技術やトレンド、環境に配慮した持続可能な設計などについての知識も重要となります。

住宅メーカーでの経験は、建築士にとって個人住宅の設計に関する専門性を深める機会を提供し、顧客満足度の高い住宅を生み出すためのスキルを磨くことができます。個々の家族の夢を形にすることは、建築士にとって非常にやりがいのある仕事であり、住宅メーカーはそのような経験を積むための理想的な場所です。

地方自治体

建築士の資格を取得した後の就職先の4つ目は、地方自治体です。

地方自治体での勤務では、公共施設の設計や改修、市町村の都市計画や建築規制に関する業務など、地域コミュニティに直接影響を与えるプロジェクトに携わることができます。

地方自治体の建築士としては、学校、図書館、病院、公園などの公共施設の設計や管理に関わることが多く、これらの施設が市民のニーズに応え、安全かつ機能的であることを保証する役割を担います。また、地方自治体の建築指導部門で働くことにより、地域の建築基準の適用や、建築許可の審査、建築関連の相談業務などを行うこともあります。

このような役割は、建築士にとって、専門的な知識を活かしながら地域社会に直接貢献するという大きなやりがいを提供します。公共の利益を第一に考え、持続可能で安全な環境を構築することに関心がある建築士にとって、地方自治体は充実したキャリアを築くための良い機会となり得るのです。

建築士の平均年収

建築士

続いて、建築士の平均年収を解説します。

一級建築士

厚生労働省が行った調査によると、一級建築士の平均年収は703万円とされています。性別で分けると、男性の平均年収は718万円、女性は608万円となっています。

さらに、企業の規模が大きいほど一級建築士の平均年収が高くなる傾向があります。

例えば、従業員数が1,000人以上の大企業における一級建築士の年収は平均で900万円であり、日本人の平均年収を大幅に上回ることがわかります。

一方、従業員数が100~999人の中小企業では平均年収が747万円、更に規模が小さい10~99人の企業では平均が577万円となり、年収は企業規模が小さくなるにつれて減少する傾向が明らかです。

このことから、資格の有無だけでなく、勤務先の企業規模によっても給与が大きく異なることが伺えます。

出典:令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

二級建築士

二級建築士には正確な年収データがありませんが、求人サイトのデータなどを見ると300万~500万円前後です。

木造建築士

二級建築士と同じく、木造建築士にも正確な年収データがありませんが、求人サイトのデータなどを見ると350万円前後です。

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建築士の受験資格に関してよくある質問

建築士

ここからは、建築士の受験資格に関するよくある質問に回答します。建築士の受験資格に関するよくある質問は下記の通りです。

  • 建築士の受験資格は学歴なしでも得られますか?
  • 二級建築士を独学で勉強するには何ヶ月かかりますか?
  • 二級建築士と宅建士はどちらが難しいですか?

では、一つずつ解説します。

建築士の受験資格は学歴なしでも得られますか?

建築士の受験資格は学歴なしでも得られますが、7年の実務経験が必要です。そのため、最短で取得したい場合は、大学や専門学校などに行く必要があります。

二級建築士を独学で勉強するには何ヶ月かかりますか?

二級建築士を独学で勉強するのに必要な時間は、個人によって異なるため一概には言えません。

通常、効果的な学習計画と継続的な勉強を行えば、多くの人が約6ヶ月~1年の間に試験の準備を完了することが可能です。

建築や関連分野の基礎知識がある人は、より短い期間で準備を完了できるかもしれませんが、建築分野が初めての人は、基礎から学ぶ必要があるため、もう少し長い時間を要する可能性があります。

また、独学では自己管理が重要となります。定期的に進捗を確認し、必要に応じて学習方法を調整することが成功の鍵です。したがって、二級建築士試験の独学にかかる時間は、個々の学習状況や献身度によって異なると言えるでしょう。

二級建築士と宅建士はどちらが難しいですか?

二級建築士と宅建士のどちらを難しいと感じるかは個人の能力と経験によって変わります。

二級建築士の試験は建築に関する幅広い知識を問うもので、建築法規、構造、設計原理など多岐にわたる範囲をカバーしています。この試験は、建築に関する専門的な知識と理解を深める必要があり、特に建築分野に関する事前の知識や経験がない場合は、かなりの努力が必要です。

一方、宅建士試験は不動産に関する法律や実務知識を問うもので、不動産取引の法規制や実務手続きに関する理解が求められます。この試験もまた、専門的な知識が必要ですが、内容は不動産業界特有のものに限られています。

そのため、どちらの試験が難しいかは、受験者の背景や興味、学習能力に大きく依存します。建築に関連する分野に興味や経験がある人にとっては、二級建築士の試験の方が理解しやすいかもしれません。

逆に、不動産や法律に興味がある人にとっては、宅建士の試験の方が取り組みやすいと感じるかもしれません。

最終的には、個々の受験者の知識と関心の領域によって、どちらの試験が難しいと感じられるかが決まるでしょう。

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建築士の受験資格についてのまとめ

建築士

建築士の就職先は多岐にわたり、設計事務所やゼネコン、住宅メーカー、地方自治体など、さまざまな選択肢があります。

それぞれの職場で求められるスキルや役割が異なるため、自身のキャリア目標に合わせた選択が重要です。

また、近年の建築士法改正により、受験資格や実務経験の要件も変わっており、効率的なキャリア形成がますます求められています。

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