車を運転する際は些細なミスが命に関わる事故に繋がる恐れもあるため、免許取得時に適性検査が行われます。
特に旅客運送業では運行中、お客様の命も預かるため、視力や聴力には一定以上の条件が定められています。
今回は二種免許取得の際に満たす必要がある視力の条件について、分かりやすく解説していきます。
二種免許の取得に必要な視力
二種免許は旅客運送業の運転手として働く上ために必須であり、運転する車両によって普通・中型・大型など5種類に分けられています。
ここでは各二種免許で定められた視力の条件について解説していきます。
普通第二種免許
普通第二種免許を取得する場合、視力に関する決まりは以下の2つがあります。
・視力が両眼で0.8以上あり、一眼ではそれぞれ0.5以上あること(検査方法は万国式試視力表を用いた方法で、矯正視力を含む)
・深視力は三桿法の奥行知覚検査器で2.5mの距離の検査を3回行い、その平均誤差が2㎝以下であること
万国式試視力表とは普段の健康診断で使用されるもので、さまざまなサイズの丸印が記載されており、4方向のうち隙間がある方向を見極める検査です。
矯正視力とはメガネやコンタクトレンズで視力を良くした場合の視力となります。
中型第二種免許
中型第二種免許に関しても、普通第二種と同じ内容です。
視力に関しては「視力が両眼で0.8以上あり、一眼ではそれぞれ0.5以上あること(検査方法は万国式試視力表を用いた方法で、矯正視力を含む)」と定められています。
大型第二種免許
大型第二種免許に関しても視力に関するルールに変わりはありません。
次章では、視力以外で二種免許の取得に必要な条件について解説していきます。
二種免許の取得に必要な視力以外の条件
二種免許の取得に必要な視力の条件について解説してきましたが、適性検査では他にも色彩識別や聴力などの検査も行われます。
ここでは視力以外の条件について解説していきます。
普通第二種免許の身体条件・年齢条件
普通第二種免許の場合、視力を含めた適性検査の詳細は以下の通りです。
- 視力が両眼で0.8以上あり、一眼ではそれぞれ0.5以上あること(検査方法は万国式試視力表を用いた方法で、矯正視力を含む)
- 深視力は三桿法の奥行知覚検査器で2.5mの距離の検査を3回行い、その平均誤差が2㎝以下であること
- 色彩識別は青色・赤色・黄色が識別できること
- 聴力は両耳で10m離れた場所から90デシベルの警音器の音が聞き取れること
- その他自動車の運転に支障をきたす身体の障害がないこと
身体の障害に関しては明確な線引きがされていないため、気になる方は都道府県センターの「運転適性相談窓口」で相談するようにしましょう。
また、操作できるかどうかだけでなく、意識障害に関する持病も相談が必要です。
旅客運送業では高度な運転技術が必要となるため、適性検査以外にも以下のような条件があります。
- 受験する免許の第一種免許を取得して3年が経過していること
- 年齢が21歳以上であること
第一種免許取得後の経過年数には免許取り消し時の期間は含まれません。
ただし、年齢制限と免許取得後の年数に関しては「受験資格特例教習」を修了すれば、条件を緩和できます。
受験資格特例教習は指定の教習所で受けることが可能であり、修了すれば年齢制限が19歳以上となり、第一種免許取得後の経過年数も1年未満となります。
中型第二種免許の身体条件・年齢条件
中型第二種免許に関しても、適性検査や年齢の条件は普通二種免許と同じです。
受験する上で必要となる第一種免許に関しても、受験資格特例教習を受ければ条件が緩和されます。
大型第二種免許の身体条件・年齢条件
大型第二種免許も他の普通・中型免許と条件は同じです。
受験資格特例教習を修了することで、19歳以上で免許取得から1年以上経っていれば、第二種免許を受験できます。
ちなみに受験資格特例教習の詳細は以下の通りです。
- 技能教習の第1段階:年齢課程2時間、経験課程9時間の合計11時間
- 技能教習の第2段階:年齢課程2時間、経験課程18時間の合計20時間
- 学科教習の第1段階:年齢課程2時間、経験課程0時間の合計2時間
- 学科教習の第2段階:年齢課程1時間、経験課程2時間の合計3時間
- 総合計:年齢課程7時間、経験課程29時間の合計36時間
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二種免許の視力検査で不合格にならないための対策
二種免許の視力検査詳細について解説してきましたが、視力が悪く、条件を満たせるか不安な方もいるのではないでしょうか。
視力はその日の調子にもよるため、適性試験で合格するには身体のケアが大切です。
ここでは、二種免許の視力検査で不合格にならないための対策を3つ解説していきます。
体調管理をする
まずは体調を整えることが大切です。
自律神経によって目のピントはコントロールされており、疲れていると自律神経の乱れにより、視界がぼやけてしまう可能性が高くなります。
試験の前日は夜更かしをしないようにして、ゆっくり休むことを心がけましょう。
検査前は目の酷使を避ける
試験当日に関しては、目を酷使しすぎないことが重要です。
試験直前までスマホ画面などを見すぎてしまうと、目のピントの調節機能が弱くなってしまいます。
スマホを長時間見た後で遠くを見た際に、ぼやけてなかなかピントが合わない経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか。
試験当日の空き時間の過ごし方としては、音楽を聞きながらリラックスして、スマホはなるべく見ないのが最適だと言えるでしょう。
メガネやコンタクトレンズを持参する
冒頭で解説した通り、視力検査は矯正視力であっても問題ありません。
そのため、普段使用しているメガネを忘れないようにしましょう。
メガネを購入して時間が経っており、ピントがあまり合っていないような場合は、新しいメガネを用意しておくようにしましょう。
関連記事:2種免許資格の取得は難しい?難易度や合格率を細かく紹介します
二種免許の取得に必要な視力についてよくある質問
最後は二種免許の取得に必要な視力に関する、よくある質問について答えていきます。
適性検査の検査内容や受験条件に関する内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。
二種免許の取得条件が緩和されたのは本当ですか?
二種免許の取得条件は道路交通法の改正により、2022年5月13日から条件が緩和されました。
従来の受験条件はそのまま残っていますが「受験資格特例教習」を修了すれば受験年齢が19歳以上となります。
また、一種免許取得後の経過年数も1年以上と短くなります。
受験資格特例教習は全ての教習所で行っているわけではないため、まずは運転免許センターで、教習を受けられる教習所を教えてもらいましょう。
参考元:警察庁|第二種免許等の受験資格の見直しについて(令和4年5月13日)
深視力とは何ですか?
深視力とは物体の立体感や奥行き、遠近感といった動的な変化を捉える目の能力のことです。
人の目は左目と右目の位置が微妙に違い、同じものを見た時にズレが生じます。
このズレを処理する能力が深視力となり、距離感を瞬時に把握する必要のある運転では非常に重要なものと言えます。
試験本番と全く同じ環境にはできませんが、深視力がどのような検査であるかはYouTubeなどの動画サイトで体感できます。
関連記事:トラック運転免許取得時に行う視力検査とは?合格基準を解説!
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二種免許の取得に必要な視力に関するまとめ
今回は二種免許の取得に必要な視力について解説してきました。
二種免許に関する視力の条件は免許の種類に関係なく「両眼で0.8以上、一眼ではそれぞれ0.5以上」と定められています。
検査時の視力に関しては矯正視力であっても問題ないため、メガネなどを使用している方は、試験当日忘れないようにしましょう。
視力以外でも色彩識別や聴力の条件も試されますので、不安な方は視力と同様に対策が必要です。
試験前日や当日は目を酷使しないようにして、適性検査の合格を目指しましょう。
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