ドライバーを採用したいがなかなか募集がこないといった悩みを抱えている採用担当者も多くいるのではないでしょうか。
また、応募は集まるけれど採用したいような人が来ない、辞退されてしまうなど、募集が来た後もうまくいかないといった場面もあると思います。
ここではそのような悩みを解決できるような、ドライバーの採用難易度・求人の相場などの情報や、ドライバー経験者の転職理由・求人の出し方のコツなどをご紹介します。
ドライバーをとりまく採用状況について
今、ドライバーの採用状況はどのようなことになっているのか解説していきましょう。
ドライバーの採用難易度
厚生労働省が2022年9月に公開した「職業別一般職業紹介状況 」によると、自動車運転に携わる有効求人倍率は2.43倍となっています。
これは求職者1人に対し2.34件の求人があるということになり、求職者と求人数が釣り合っていません。
つまり、少ない人材を企業間で取り合っている状況であることが伺えます。
参考元:厚生労働省
ドライバー不足の背景には労働環境がある?
多くの物流企業では、ドライバー不足に悩んでいます。
その理由として、労働環境が挙げられます。トラックドライバーは他の産業と比較すると、低賃金、長時間労働という厳しい労働環境の中で仕事をしています。
年間労働時間は、全産業の平均時間よりも300時間以上長い割には、年間所得額が全産業よりも30万円以上低い数値となっています。
最近はネット通販といった宅配便の取扱い数が増加傾向にあり、労働環境が年々厳しくなっているため、敬遠されがちな職業といえるでしょう。
ドライバーの他社への転職理由
ドライバーが他社への転職を行っている理由として、2019年度にリクルートジョブズが実施したアンケート調査によると以下の結果となりました。
1位「給与・収入が上がらない、上がる見込みがなさそう」(47.5%)
2位「仕事量が多いから」(46.3%)
3位「仕事内容が体力的にきついから」(44.5%)
4位「勤務時間が長いから」(43.0%)
5位「残業が多いから」(42.5%)
参考元:トラログ
給与や勤務時間といった労働環境に不満を持ったことが転職理由であることがわかります。
ドライバー未経験者の転職理由
それではドライバー未経験者がなぜトラックドライバーを志望したのかについて説明していきましょう。
2007年に全日本トラック協会が行った「プロドライバーの生活と意見〜プロトラックドライバー2405人に聞きました〜」によると以下のような結果となりました。
第1位「クルマが好きだから」が54.4%
第2位「比較的収入が多いから」33.1%
第3位「各地に行けるから」22.6%
第4位「他にすることがない」10.5%
第5位「役立つ仕事だと思うから」7.7%
出典:全日本トラック協会
トラックドライバーの中には運転が好きだから続けているという人も少なくありません。
また、収入面でも比較的稼げるという部分もあるため、転職したという人もたくさんいることがわかります。
求人情報を出す際のコツ
1人でも多くの求人が集まるようにするためには求人情報の出し方にコツがあります。そのポイントを紹介していきましょう。
職種名や仕事内容を未経験者が読んでもわかるようにする
1つ目は職種や仕事内容を具体的にわかりやすいように紹介することです。
何を・どこに・どのように配送するかをわかりやすく記入しましょう。ルート配送かどうかなども含めると丁寧です。
必要な免許のほか、資格取得支援制度がある場合はその詳細も記載しておくと、未経験者からの応募もされやすくなります。
どんな人なら応募できるかをクリアにする
2つ目は、応募資格を明確に記載することです。スキルや経験、学歴等、応募に必要な経歴を書きましょう。
応募者を増やすためには、自分にも応募できそうと思ってもらうことが重要です。
資格についてはこれがなくては応募ができない「必須資格」と、こういった方は優遇しますといった「歓迎資格」を区別すると良いでしょう。
給与面もしっかり記入
経験者・未経験者どちらも給与面に期待していることや、前職が給与面を理由に離職していることがアンケート結果でもわかったように、給与についての書き方が非常に大切です。
どのくらい稼げるかを具体的に書きつつも、固定給のほか歩合給や手当などとあわせた状態での月収や、将来的なモデル年収も記載しておくとよいでしょう。
休日は正確に記述
休日についても具体的に書くことで、応募者の目にとまりやすくなります。月の休日回数や長期休暇の有無、そして有給休暇の消費についてもしっかりと書きましょう。
また、休日が求人内容と違う場合、早期離職の原因になります。
誤解のないよう事実を正確に記述することが大切です。
ドライバーを目指す人材の集め方と強化すべきポイント
なかなか人材を集めるだけでも難しいのに、さらに優秀な人材を確保するとなるとさらに難易度は上がります。
どのように自社を選んでもらうのか、そのコツについて紹介していきましょう。
自社の採用サイトの内容をよりよくする
採用サイトでは、一般的に下記内容があると求職者にとって親切なつくりといえます。
募集要項・ビジョン、ミッション・事業紹介・代表メッセージ・社員紹介
このほか、社員インタビューなどで実際に働いている人の様子がうかがえる内容があると、なおのこと良いでしょう。
ドライバー採用時に押さえておきたい相場・データ
求職者はさまざまな採用サイトをみています。その際に給料や労働時間、女性の比率など労働環境について詳しく確認しています。
この相場を知らないと、自社サイトが他社サイトと比較すると悪く見えてしまいます。まずは相場を知り、そして他社の求人ページを確認するようにしましょう。
トラックドライバーの平均年齢
厚生労働省が発表した2020年度の賃金構造基本統計調査によると、トラックドライバーの平均年齢は大型トラックが49.4歳、中小型トラックが46.4歳でした。
トラックドライバーの女性比率
トラックドライバーの女性比率は2.3%と全産業の44.5%と比べると大変少ないです。
ただし、現在国土交通省が女性の活躍を推進するため、「トラガール促進プロジェクト」という取り組みをしています。これによって徐々に女性進出が増加しています。
トラックドライバーの年間労働時間
トラックドライバーの年間労働時間は大型トラックが2,532時間、中小型トラックが2,484時間です。全産業と比較すると多めの時間数となっています。
トラックドライバーの年収
トラックドライバーの平均年収は大型トラックが454万円、中小型トラックが419万円です。
ドライバー特化型求人サイトに掲載する
求人サイトの中にはドライバーに特化したものがあります。
採用サイトだけではとれない属性の求職者に周知をかけることが最大のメリットではあります。
さらに、ドライバー特化型求人サイトを利用している層は経験者も多いです。そのため、経験年数が多く、多種にわたる資格をもつ人材からの応募も期待できるでしょう。
また、ドライバー特化型求人サイトの登録者とコミュニケーションをとり、求人情報と求人者がマッチするよう紹介してくれるサービスもあります。
ドライバー特化型の求人サイトをいくつか紹介していきましょう。
クロスワーク
運送・旅客に特化した求人サービスを展開しており、優秀な人材が採用できます。
特徴は…
・20・30代の若手求職者が中心。
・90%以上が有資格者のため即戦力を確保可能。
・業界への意欲が高い人材が多く入社後定着も安心。
ドラEVER
現役ドライバーから選ばれ、現在会員数90,000人を突破した日本最大級のドライバー求人専門サイト。
その特徴は…
・検索機能が豊富で地域・給与・勤務時間帯・雇用形態など細かく設定できる。さらにスカウト機能を活用すればドライバーを即日採用が可能。
・ドライバー採用向けのPR動画を無料で制作してくれるため、企業イメージを伝えやすい。
・求人掲載費用は、業界トップクラスで低価格の月額44,000円(税込み)~。
ブルル
市町村レベルで細かく求人検索ができるプロトラックドライバー向けの求人サイト。
その特徴は…
・運送業界初のスマホ専用サイトがあるため月間7万人以上のアクセスをほこる。
・Indeedや全国のハローワークに掲載された求人情報も転載している。
・求人掲載料は、定額制となっており月額85,000円(税別)。
トラックマンジョブ
掲載費用無料の求人サイト。
その特徴は…
・トラックドライバーの求人を豊富に備えており、希望の条件にあった仕事探しをしやすい。
・初回掲載時は原稿を代理で作成してくれ、管理画面で求人原稿を簡単に編集できる。
・掲載費用は無料!採用に成功したときのみに支払う成功報酬型の料金形態(1件に付き200,000円)。
ドラコムネット
サービス開設から15年の確かな実績を持つドライバー専用の求人サイト。
その特徴は…
・豊富な検索機能で候補者は短時間に理想の求人情報を獲得できる。
・「低コスト」「スムーズ」「人材確保」をスローガンに掲げており、費用対効果を最大限に追求している。
・求人掲載料は、利用月によって異なり、2ヶ月88,000円~。
ノルワークス
毎月80,000PV以上、累計16万人以上の会員登録数など国内最大規模のドライバー専用求人サイト。
その特徴は
・ドライバーのここが知りたい!をしっかりカバーした原稿を作ることで採用成功率に貢献している。
・年間96万人以上のドライバーが閲覧し、累計会員登録数12万人以上、取引企業数8,000社以上の大きな実績がある
・掲載期間ストック制という、必要なタイミングに応じて何度でも掲載が可能な制度を採用している。
ジョブコンプラスD
運送業界の経験者が選ぶ業界特化型求人サイトで1位を獲得したことがある。
その特徴は…
・ドライバーのニーズに合わせて細分化された検索機能で、幅広い職種やターゲットに対応している。
・20代から30代と若手からも求人がかかり、さらに即戦力から未経験採用まで質の高いマッチングが可能。
・求人掲載料は、月額110,000円~。
ドッド
生粋のドライバースタッフが集まる求人サイト。
その特徴は…
・検索上位に表示されるため、求職者へのアピールがしやすい。
・サイト内で広告掲載をすることも可能。
・リピーターが約70%と、転職希望のドライバーからのアクセスが多い。
プレックスジョブ
業界最大手のドライバー特化の人材紹介サイト。
その特徴は…
・毎月6,000名の新規登録があり、累計190,000人以上のドライバーに利用してもらっている。
・採用成功までの期間は平均0.5ヶ月というスピード感。
・採用後に定着するまでのサポートが充実しているため、定着率も94%と非常に高い。
ドライバーズワーク
タクシー業界に特化した採用支援サービス。
その特徴は…
・月間新規会員数約2,000人以上、累計5万人以上の利用実績がある。
・欲しい人材のみと面接できて採用ができる。
・入社後もサポートを一貫して行い、万が一早期退職した場合は返金可能。
ドラピタ
費用を抑えて経験豊富なドライバーを採用できる求人サイト。
その特徴は…
・掲載案件数は累計25,000件以上!各企業にあわせた強みの打ち出しで、志望度の高い応募を獲得できる。
・働き盛りの25歳~44歳の割合が63%、免許保有率(経験者)が78%で即戦力となる人材を採用できる。
・求人掲載料は、月額31,500円~。

国際基督教大学卒。エン・ジャパンの新規事業企画室でHRTech(SaaS)の事業企画と営業を経験。シード期のHR系スタートアップでインサイドセールスとキャリアコンサルタントに従事し全社MVPを獲得。その後、5年で300名と急成長するベンチャー企業ネクストビートにて、高所得女性向け情報メディア事業、ホテル向け人材事業の立ち上げを行う。