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免停講習に行けない場合はどうする?受講上の注意点も

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免停講習に行けない場合はどうすればいい?受講上の注意点も解説

交通違反を犯すと「違反点数」が徐々に溜まっていき、ある一定の値を超えると「免停」になる、という話は有名ですが、具体的に何をすれば免停になるのかはあまり知られていません。

また、免停後には「免停講習」という講習への参加を促されますが、社会人で仕事が忙しい方だと、なかなかスケジュールが合わないこともあるかと思います。

そこで、本記事では免停・免停講習とは何か免停講習に行けない場合はどうなるかなどを解説します。

免停講習に行けない場合の対処法

免停講習に行けないとどうなる?

このように免許講習には様々なルールや流れがあり、人によっては「面倒くさい」と感じるかもしれません。そして、その内一定数の割合で免停講習に行かない人もいると思います。

では続いては、免停講習に行かないとどうなるのかについて解説します。

原則として受講するかどうかは自由

前提として、免停講習の受講は義務ではありません。免停講習を受講せずとも、免許停止期間を過ぎれば再度免許は有効となります。

そのため、免停者のなかには免停講習を受けない人もいます。

本日より免停。
講習受けないのでびっちり運転出来ません
バイク二台のメンテでもする
— シランケド (@263DX) July 10, 2012

免許停止日数を短縮できなくなる

免停講習を受講しなくても罰金や違反点数などの罰則はありません。ですが、免許停止日数を短縮することはできなくなるため、停止期間を満了するまで運転ができない状態が続きます。

そのため、「仕事でどうしても免許が必要」という方にとっては、免停講習はほぼ必須と言えます。

免停の通知が来ても出頭するまでは運転可能

免停講習を受講しに行く際に運転することは違反行為ですが、免停通知書が届いたあとも、出頭するまでは運転が可能です。

なぜなら、免停は出頭時にもらえる「免許停止処分書」を受け取ってはじめて有効となるからです。

では、免停通知書が届いたあとから出頭までの間で覚えておくべきことを二つ紹介します。

違反点数はリセットされない

まずは、免停通知書が届いても違反点数はリセットされないということです。

「免停」は行政に指示された場所に出頭して「免許停止処分書」を受け取ることですが、「免停通知書」が届いただけで「自分は免停になった」と勘違いしてしまう人は多いです。言うまでもなくこの状態は免停ではありません。

一度免停になって免停期間を満了すれば、もう一度運転できる状態に戻り、違反点数もリセットされます。ですが、そもそも免停状態になっていなければ免停期間を満了することはできないため、違反点数のリセットも不可能です。

さらなる違反は罪を重くする

免停講習の受講は任意ですが、免停での出頭は義務です。これを犯すと違反となり、罰金や免許取り消しとなる恐れもあります。

最悪の例では、勤務先や自宅に電話がかかってきたり、警察官が直接来て逮捕されたりする可能性があるため、免停確定後は、速やかに出頭しましょう。

関連記事:運転免許の取り消しにならないために!何点で取り消し?点数や取り消し後の流れを解説

免停講習に行けない場合に備えて押さえておきたいこと

免停講習の受講期間と金額

まずは講習期間と金額について解説します。講習期間と金額は、免停日数によって異なります。

【短期講習】(対象:免許停止日数30日)
短縮日数:成績「優」で29日、成績「良」で25日、成績「可」で20日
受講費用:約14,000円
【中期講習】(対象:免許停止日数60日)
短縮日数:成績「優」で30日、成績「良」で27日、成績「可」で24日
受講費用:約23,000円
【長期講習】 (対象:免許停止日数90日以上)
短縮日数:成績「優」で45日、成績「良」で40日、成績「可」で35日
受講費用:約28,000円

中期と長期では最大でも半分の日数しか短縮できませんが、短期講習の場合は「優」の成績を取ればほとんどの場合で免停日数をゼロにすることが可能です。

なお、短期講習は1日6時間で、中期講習は2日で合計10時間長期講習は2日で合計12時間の講習を受講することが定められています。

免停講習の流れ

免停になると、免停通知書という書類が届きますが、それとは別に免停講習に関する書類も届きます。この書類を受け取ってはじめて、免停講習が受講可能となります。

ただし、免停講習を受講するためには先に免許を返納しなければならないため、まずは免停通知書に記載されている日時に指定場所へ出頭して免許を返納します。そして、免停講習を受ける場合は、その後に免停講習の注意事項の説明を受けます。

免許を返納してようやく免停講習が受講できるようになりますが、免停講習の主な流れとしては以下の通りです。

  1. 運転適正審査・診断(視力検査など)
  2. 筆記での適正検査・診断
  3. 教本を用いた講義
  4. 運転シミュレーターでの指導
  5. 実車の運転・指導
  6. 免停講習試験の受験

最後の免停講習試験の結果で、免停短縮日数が決まります。この試験は完全筆記試験となるため、免停講習で学んだことをしっかりと復習して試験に臨みましょう。

関連記事:免許更新にかかる時間はどれくらい?費用や流れも詳しく解説

免停講習の受講上の注意点

では、続いて免停講習の受講上の注意点について説明します。

免停講習で必要な持ち物

免停講習の受講上の注意点1つ目は、免停講習で必要な持ち物を忘れないことです。

免停講習を受講するには、最低限以下の5つは必要となります。

  1. 免許停止処分書
  2. 講習受講料
  3. 印鑑
  4. 筆記用具
  5. メガネやコンタクトレンズ(必要な場合のみ)

その他にも、免停講習で指定されたものがあれば忘れずに持参しましょう。

講習会場まで車で行ってもいい?

免停講習の受講上の注意点2つ目は、講習会場まで車で行かないことです。

なぜなら、免停講習を受講する時点で免許は停止されているため、自分で運転すれば「無免許運転」とみなされるからです。

無免許運転をすると、25点の違反点数が付されることになり、免停よりも重い「免許取り消し」になってしまうため、免停講習の会場へは必ず公共交通機関を利用するようにしましょう。

免停講習以前に押さえおきたい免停の詳細

ここでは免停とは何か、何をすると免停になるのかなどを解説します。

免停とは

まずは、「そもそも免停とはどういう制度なのか」について解説します。

免停とは、交通違反や交通事故によって累積された違反点数が決められた値に達した際に、行政によって科される運転免許効力の停止処分のことを指します。

免停になると、一定期間運転ができなくなりますが、正式な手続きを踏めば再び運転が可能となります。よく「免停=免許取り消し」と誤解されていますが、免停であればそこまで大きな問題はありません。

ですが、例えば免停期間に運転してしまった場合などは、無免許運転として免許取り消しとなります。そうなると、教習所に通ったり免許合宿に参加したりして、再度運転免許を取得しなければならなくなります。

免停の原因として交通事故は仕方のない部分もあるかもしれませんが、交通違反は駐停車違反や座席ベルト装着義務違反、スピード違反といった、軽度な違反行為でも対象となるため、注意が必要です。

また、交通違反の処分には免停や免許取り消しなどの「行政処分」と罰金刑や懲役刑を受ける「刑事処分」の2つがあり、状況によっては行政処分に加えて、刑事処分が科される場合もあります。

関連記事:免許取り消しになった時に行われる聴聞会ってなに?内容や処分の軽減について紹介します

何をすると免停になる?

免停は交通違反や交通事故が対象となりますが、具体的にはどのような事例があるのでしょうか。ここでは、9つの事例を紹介します。

酒気帯び運転

免停になる事例1つ目は、酒気帯び運転です。

酒気帯び運転の基準は、「呼気1リットル中のアルコール量が0.15mg以上」とされており、この基準を上回るアルコール量が検出された場合、交通違反となります。

また、体内に保有するアルコールの量が多ければより重い処分となります。具体的には、アルコール量が0.15mg以上~0.25mg未満の場合は13点、0.25mg以上の場合は25点の違反点数が付されます。

前歴がない場合でも違反点数が15点以上になると免許取り消しとなるため、0.25mg以上の酒気帯び運転の場合は、一発で免許取り消しとなります。

ただし、0.15mg以上~0.25mg未満の酒気帯び運転でも、他の交通違反と併せて違反してしまうと13点以上の点数が付されることとなります。

関連記事:酒気帯び運転の免許取り消しはいつから?防止方法と免許取り消し後の流れを解説!

酒酔い運転

免停になる事例2つ目は、酒酔い運転です。

酒酔い運転は、まっすぐに歩けない、受け答えがおかしいなど明らかに酔っている状態で運転することを指します。

よく酒気帯び運転と一緒にされがちですが、呼気のアルコール量が酒気帯び運転の基準である0.15mg未満であっても、検問の警察官に「酒に酔って運転に支障をきたしている」と判断された場合は検挙される点で、酒気帯び運転とは異なります。

そして、この酒酔い運転で検挙された場合は違反点数35点に加えて、免許取り消しはもちろん、欠格期間3年(3年間免許再取得不可)の処分を受けることになります。

無免許運転

免停になる事例3つ目は、無免許運転です。

これは免停になる事例というよりも、免停になったあとに違反する可能性のある事例です。免停中やそもそも免許を保有していない状態で車を操作した場合、無免許運転となり、違反点数25点を付されて即刻免許取り消しとなります。

無免許運転で検挙されるとその後の免許取得が非常に難しくなるため、絶対に違反しないようにしましょう。

無保険運行

免停になる事例4つ目は、無保険運行です。

無保険運行は加入必須となっている自賠責保険に加入せずに運転した場合の違反で、6点の違反点数が付されます。

自賠責保険は一度加入しても期限があるため、保険の有効期間内であるかどうかは運転前に必ずチェックしておきましょう。

信号無視

免停になる事例5つ目は、信号無視です。

信号無視では、2点の違反点数が付されます。さらに、科される罰金は信号が点滅した状態での無視が7,000円、赤信号を無視した場合は9,000円と、信号の状態によって金額が異なります。

整備不良

免停になる事例6つ目は、整備不良です。

整備不良は大きく分けて、灯火周りの不良と制動装置(ブレーキなど)の2種類です。

灯火周りの整備不良は違反点数1点で、罰金は車両の大きさによって異なり、大型車は9,000円、普通車は7,000円、二輪車は6,000円、原付車は5,000円となっています。

これに対し、制動装置の整備不良は違反点数2点で、罰金は大型車で12,000円、普通車は9,000円、二輪車は7,000円、原付車は6,000円となっています。

速度オーバー

免停になる事例7つ目は、速度オーバーです。

道路交通法第二十二条では以下のように定められています。

車両は、道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度を、その他の道路においては政令で定める最高速度をこえる速度で進行してはならない。

出典:e-GOV法令検索

e-GOV法令検索

つまり速度の規定には、道路標識で指定されている最高速度(制限速度)と政令で定められている最高速度(法定速度)があり、それぞれ違反した場合には処罰の対象となるのです。

また、違反点数は以下のようにオーバーした速度の範囲で決まります。

超過速度(一般道) 違反点数(普通車)
20km/h未満 1点
20km/h~25km/h未満 2点
25km/h~30km/h未満 3点
30km/h~50km/h未満 6点
50km/h~ 12点
超過速度(高速道路) 違反点数(普通車)
20km/h未満 1点
20km/h~25km/h未満 2点
25km/h~40km/h未満 3点
40km/h~50km/h未満 6点
50km/h以上 12点

高速道路と一般道路では、適用される速度範囲に若干の違いがありますが、違反点数自体に変わりはありません。一般道路の場合は30km/h以上、高速道路の場合は40km/h以上で、一発免停の対象となります。

駐停車禁止違反

免停になる事例8つ目は、駐停車禁止違反です。

駐車禁止違反は「駐停車禁止」と「駐車禁止」の2種類に分かれます。駐停車禁止とは駐車も停車も禁止であることを指し、それに対して駐車禁止の場合は停車は可能となります。

なお、駐停車禁止では2点、駐車禁止では3点が違反点数として付されます。

携帯電話の使用

免停になる事例9つ目は、携帯電話の使用です。

携帯電話の使用に関しては2019年12月の道路交通法改正で厳罰化され、携帯電話保持(運転中に使用していた)で違反点数3点、携帯電話の使用で事故を起こした場合などは違反点数6点が付されることとなりました。

免停になる違反点数と期間

免停になる違反点数と期間は、過去3年間の違反点数の累計と、過去に免停や免許取り消しなどの処分を受けたことがあるかどうか(前歴の有無)によって変動します。

過去に免停の処分を受けていないケース

まずは、前歴がない場合の免停期間を紹介します。

表

引用:ベンチャーサポート法律事務所「免停講習(停止処分者講習)の流れを完全解説!内容や受講のポイントについて」

仮に前歴なしの人の場合、違反点数の累積が15点以上になると、免停ではなく免許取り消しになります。

過去に免停の処分を受けているケース

続いて、前歴がある場合の免停期間を紹介します。

資料

引用:ベンチャーサポート法律事務所「免停講習(停止処分者講習)の流れを完全解説!内容や受講のポイントについて」

前歴の数が多くなれば多くなるほど、違反点数の基準は下がっていき、免停になる可能性は高まります。さらに、免停期間の長さも前歴の数に比例して長くなっていきます。

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免停講習に行けない場合に関してよくある質問

ここでは、免停講習に関してよくある質問に回答していきます。

免停講習の日程変更はできる?

免停講習の日程を変更することは可能です。

免停講習の日程変更をしたい場合は、通知ハガキ記載の電話番号に電話をかけて、日程を変更したい旨を伝えれば大丈夫です。ただし、どこまでも日程を先延ばしにできるわけではなく、通知ハガキ記載の日程から1ヶ月以内に必ず出頭しなければなりません。

連絡なしで講習を休んだら通知はくる?

免停講習は義務ではないため、連絡なしで休んでも通知が来ることはありません。ですが、免停講習はお金を払って受講しており、休んでも受講料は返還されない点に注意が必要です。

そのため、どうしても仕事や予定で忙しい場合は仕方ありませんが、免停講習を休むことにメリットはありません。

また、前述の通り、免許返納のための出頭要請書は送られてくるため、そちらは絶対に無視しないようにしましょう。

関連記事:バス運転手のトイレ問題!ドライバーの事情や尿意や下痢の対策などを紹介します

免停講習に行けない場合についてのまとめ

今回は免停や免停講習、講習に行けない場合ついて解説しました。

ぜひ本記事を参考にして免停を未然に防ぎ、万が一免停になってしまった場合も、免停期間を短縮できるように免停講習を受講してください。

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