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Gマークのついたトラックで運送するメリット|取得までの流れ

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Gマークのついたトラックで運送業務をおこなうと、どのようなメリットがあるのか気になる運送事業所の方も多いのではないでしょうか。

Gマークを取得することで、複数のメリットがあるなら取得を検討したいですよね。

本記事を読めば、Gマークを取得するメリットと取得方法まで理解できます。ぜひ、最後まで読んでみてください。

この記事のまとめ

・Gマークの取得は3つの項目で80点以上取らなければいけない
・Gマークが認定されるまでは4つのステップがある
・Gマークを取得すると自社の信頼度が向上する

Gマークとトラックの関係性について

Gマークとトラックは何が関係しているの?

Gマークは国土交通省が推進する「安全性優良事業所」の認定制度で、安全性の高い運行をしている証明です。

そのため、運送を依頼する利用者が安全性の高い事業所を選びやすくなります。

また、Gマークの意味合いとしては「G」はGOOD(良い)GLORY(繁栄)の頭文字を意味しています。

Gマーク認定の運送事業所になるには、全日本トラック協会で審査される以下3つの合計が80点以上・基準点以上に合格しなければいけません。

・安全性に対する法令の厳守状況(配点32/40)
・事故や違反の状況(配点21/40)
・安全性に対する取り組み(配点12/21)

引用:※1)国土交通省「Gマーク制度(貨物自動車運送事業安全性評価事業)」

Gマーク認定事業所のトラック事故割合は、取得していない運送事業所に比べて半分以下です。

これはGマーク認定事業所が安全性に関する基準を満たしており、事故の減少につながっています。

出典:※1)国土交通省「Gマーク制度(貨物自動車運送事業安全性評価事業)」

関連記事:Gマークとは?取得条件やメリット・デメリットを徹底解説
関連記事:物流管理とは?具体的な仕事内容と物流管理システムについて

Gマークが認定されるまでの流れ4ステップ

Gマークが認定されるまでの流れ4ステップ

Gマークが認定されるまでの流れに関しては、以下の4ステップでおこないます。

1.地方実施機関へ申請する
2.全国実施機関へ申請書を送付する
3.安全性評価委員会で審査される
4.安全性評価委員会から認定される

それぞれ見てみましょう。

1.都道府県トラック協会(地方実施機関)へ申請する

Gマーク取得するには、地方実施機関への申請が必要です。認定申請は、運送事業所の所在地にある都道府県トラック協会(地方実施機関)でおこないます。

Gマークの認定制度は国土交通省が推進する制度ですが、実際の認定審査は、全日本トラック協会(全国実施機関)がおこなっています。

Gマークの認定を取得したい運送事業所の方は、はじめに所在地の都道府県トラック協会(地方実施機関)に問い合わせてみましょう。

手続きがわからない場合、申請方法や必要書類などについて詳しく教えてもらえます。

2.全日本トラック協会(全国実施機関)へ申請書を送付する

Gマーク取得の2ステップ目は、全日本トラック協会(全国実施機関)へ申請書を送付します。

申請書を送付する際には、以下の点に注意しましょう。

・ホームページから記入用紙をダウンロードする
・事業所の基本情報や安全管理体制に関する情報を正確に記載する
・申請書の記入漏れや誤字脱字がないように注意する

申請書に不備があると認定審査に合格できず、Gマークを取得できません。

また、申請書の記入漏れや誤字脱字があると、審査に時間がかかったり、不合格になったりするため、提出前に書類を確認してみてください。

都道府県ごとに異なる場合もあるので、詳細を事前に確認しておくと安心できます。

3.全日本トラック協会の安全性評価委員会で審査される

Gマーク取得の3ステップ目に全日本トラック協会(全国実施機関)で、申請書の審査が実施されます。

審査方法としては、書類や運送事業所を訪問し実地調査を通じて、安全管理体制の現状を把握します。

このようにGマークの認定を受けるためには、事業所の安全管理体制を整備しておきましょう。具体的には、以下の点に取り組んでみてください。

・安全教育の実施
・車両の点検や整備
・安全運行の管理

Gマーク取得を目指す運送事業所は、上記のように安全性評価委員会の審査を意識した準備が必要です。

また、過去の運行実績や改善策も審査に影響するため、これらの情報もしっかりと整理しておく必要があります。

4.安全性評価委員会から認定される

Gマーク取得までの流れの4ステップ目は、安全性評価委員会から認定され公表できるようになれば完了です。

安全性評価委員会は、全日本トラック協会(全国実施機関)から提出された申請書を審査し、Gマークの認定可否を決定します。

安全性評価委員会は「学識経験者・労働組合関係者・荷主団体・マスコミ・一般消費者・国土交通省職員・全国実施機関担当役員」で構成されており公平に審査されます。

定めた基準に合致していれば、Gマークを認定してもらえるので、合格基準に到達するように社内の体制を整えてみてください。

関連記事:【徹底解説】IT点呼の特徴と導入するメリット・デメリット
関連記事:【必見】トラック運転手の給与明細や形態を詳しく解説

Gマーク認定事業所になった場合のメリット|9選

Gマーク認定事業所になった場合のメリット|9選

Gマーク認定事業所になった場合、以下9つのメリットがあります。

1.違反点数が消去される
2.IT点呼の導入ができる
3.点呼の優遇ができる
4.補助条件の緩和がされる
5.安全性優良事業所として表彰される
6.基準緩和自動車有効期間の延長がされる
7.特殊車両通行許可の有効期間の延長がされる
8.Gマークを取得すれば国土交通省から表彰される
9.Gマーク認定事業者は事故率が低い

詳しく解説します。

1.違反点数が消去される

Gマーク認定事業所になった場合、交通違反点数が最短2年間1)で削除されます。

違反点が消去されるのは、安全管理体制が優良であると認められた証拠です。

実際にGマークを取得した運送事業所は、過去の違反点数が消去され、運送業界内での評価も向上するでしょう。

これにより、新たなビジネスチャンスの獲得につながるケースもあります。

定期的な安全教育や安全運行の確保をおこない、運送事業所の信頼性と運行効率を高めてみてください。

2.IT点呼の導入ができる

Gマーク認定事業所になると、IT点呼の導入が可能です。

国土交通省は、Gマーク認定事業所に対して、IT点呼の導入を推奨しています。

なぜ、国土交通省がIT点呼を推奨しているのかと言うと、従来の紙や電話による点呼に比べて、効率的かつ安全性が向上するためです。

IT点呼を導入することで、以下のメリットがあります。

・点呼の効率化による人件費削減につながる
・正確な点呼の実施ができる
・点呼記録の管理がしやすい

上記のようにIT点呼を導入すると、ドライバーの健康状態や運行状況の把握が容易になり、安全かつ効率的な運行管理が可能となります。

実際、点呼の時間が従来の半分に短縮できると点呼記録の入力ミスも防げるでしょう。

Gマーク認定を目指す事業所は、IT点呼の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

3.点呼の優遇ができる

Gマーク認定事業所になると、2地点間を定時で運行する定期便などの場合、他の営業所における点呼、および同じ敷地内でのグループ企業間の点呼が可能です。

企業間で点呼がおこなえるとドライバーの出発準備時間が短縮され、全体の運行効率も向上するでしょう。

このように点呼の効率化は、ドライバーの労働環境の改善と運行効率の向上に直結します。

安全管理と運行効率の両面に焦点を当てた取り組みが、今後の事業構築でも重要になるのではないでしょうか。

4.補助条件の緩和がされる

Gマーク認定事業所になると、補助条件の緩和を受けられます。

国土交通省は、Gマーク認定事業所に対して、補助金の交付や助成金の対象となる支援策を講じています。

Gマークは、運送事業所が優れた安全管理基準を満たしている証明です。

そのため、政府や地方自治体はGマーク認定を受けている運送事業所に対して、補助金の申請条件を緩和しています。

また、Gマーク認定事業所に対して、以下のような補助制度を実施しているので参考にしてみてください。

1.ドライバー等安全教育訓練促進助成制度
2.安全装置等導入促進助成事業
3.経営診断受診促進助成事業

引用:国土交通省「適正化実施機関の活動」

これらの補助制度を利用することで、運送事業所は本来かかる費用を抑えられます。

Gマーク認定を目指す事業所は、補助条件の緩和を活用してコスト削減を実施してみてください。

6.安全性優良事業所として表彰される

Gマーク認定事業所になると、安全性優良事業所として表彰されます。

たとえば、Gマーク取得をきっかけに安全運転管理者の教育を徹底したり、車両の点検・整備を強化したりした結果、交通事故件数が大幅に減少した事例もあります。

また、表彰をされると安全運送に関して、一定の基準以上を満たしている公式な証明となり自社の信頼性も向上するでしょう。

このようにGマーク認定を目指す運送事業所は、安全管理体制の強化に努めることで、安全性優良事業所として表彰されるチャンスをつかめます。

7.基準緩和自動車有効期間の延長がされる

Gマーク認定事業所になると、国土交通省の基準を満たす安全性優良事業所として認定されます。

そのため、基準緩和自動車の有効期間が、現行の最長2年から3年へ延長※2)可能です。

また、その後も適切な運行が確保されている場合、次回以降の継続緩和認定において最長4年まで延長※2)できます。

更新費用の削減につながるため、Gマーク認定を取得できた場合は有効活用してみてください。

8.特殊車両通行許可の有効期間の延長がされる

Gマーク認定事業所は、平成31年4月※3)より特殊車両通行許可の有効期間について、要件をすべて満たす事業所に対して2年から4年延長※3)できるようになっています。

とくに大型車両や特殊輸送をする運送事業所にとっては、非常に大きいメリットになるでしょう。

9.Gマークを取得すれば国土交通省から表彰される

Gマークを取得した事業所の中で一定レベルを超えた運送事業所は、国土交通省から表彰されます。

表彰は運送事業の安全管理体制の取り組みを評価するものであり、安全性優良事業所として認められた証となります。

表彰される選考基準は、以下のとおりです。

表彰対象について
地方運輸局長表彰 運輸支局長表彰
・Gマークを連続して10年以上取得している ・Gマークを連続して10年以上取得している
・表彰前日まで重大事故を起こさず、行政処分を受けていない ・表彰前日まで重大事故を起こさず、行政処分を受けていない
・運転教育が2ヶ月ぶ1回程度実施され、国のISO基準を超えて実施されている ・運転者教育が定期的に実施されている
・デジタコドラレコが装着されている

(配置車両の100%)

・デジタコドラレコが装着されている

(配置車両の90%)

・荷主からの表彰、安定的な財務基盤の確保または、輸送の安全に係る表彰を受けている ・荷主からの評価、安定的な経営の確保または、運転記録証明書による運転者への指導がおこなわれている

※参考:国土交通省「Gマーク制度(貨物自動車運送事業安全性評価事業)」

国土交通省は上記のようにGマーク制度を通じて、貨物自動車運送事業の安全性を向上させる目的があります。

Gマークの取得を検討している運送事業所は、安全基準を高めるための具体的な取り組みに注力しましょう。

これらの取り組みはGマーク取得だけでなく、事業全体の品質向上や信頼構築にもつながります。

関連記事:テールゲートリフターの補助金制度とは?対象機器も紹介

10.Gマーク認定事業者は事故率が低い

Gマーク認定事業所は、事故率が低い傾向にあります。

Gマーク認定事業所の事故率は、2022年(1月~12月)の事業用トラック1万台あたりの事故件数未取得事業所に比べて死亡・重傷事故の件数は20%以下※4)になっています。

トラック運送事業所を選ぶ基準としても、Gマークの有無を参考にする企業も多くなるでしょう。

出典:※1)国土交通省「Gマーク制度(貨物自動車運送事業安全性評価事業)」
出典:※2)国土交通省「重量物輸送に係る基準緩和の見直し」
出典:※3)全日本トラック協会「特殊車両通行許可における優良事業者の有効期間の延長について」
出典:※4)国土交通省「事故の少ない「Gマーク」トラックが拡がっています! ~令和5年度9,489事業所にGマークを認定~」

関連記事:Gマークとは安全認定の証明?申請条件と更新方法、メリットについて説明

Gマークトラックに関するよくある質問

Gマーク認定事業所になった場合のメリット9選

Gマークトラックに関するよくある質問を、以下より4つ解説します。

1.安全運転管理者教育の受講費用の補助
2.運転者の健康診断の費用の補助
3.車両の安全対策の費用の補助

Gマークの申請について2023年はどうなっていますか?

2023年度貨物自動車運送事業安全性評価事業(Gマーク制度)の申請受付は、現在終了しています。

Gマークの受付は、以下のとおり7月にされているので2024年度の受付に備えて準備しておきましょう。

年度 受付期間
2019年 7月1日~7月12日
2020年 7月1日~7月14日
2021年 7月1日~7月14日
2022年 7月1日~7月14日
2023年 7月3日~7月14日

参考:全日本トラック協会「貨物自動車運送事業 安全性評価事業 Web申請システム」

Gマークの取り消し条件は?

Gマークの取り消しは、認定基準に違反した場合に実施されます。具体的には以下のようなものがあります。

・不正申請によって認定を受けたと確認された
・申請資格や認定要件に満たしていないことが確認された
・再評価の結果、認定要件を満たしていないことが確認された
・Gマーク認定証やGマークステッカーの偽造などで是正勧告を受け偽造した
・Gマーク認定証等を提出した日から3年以上経過していない
・登録している事業所の中でGマークを1事業所以上取得していることが認定条件であるが、すべての事業所がGマーク未取得になっている場合

参考:全日本トラック協会「Gマークを更新できなかった場合について」

上記の措置は全体的な交通安全性を確保し、他の運送事業者への公正な評価を保つために重要です。

Gマークを維持するためには、安全管理基準を常に遵守し、定期的な安全点検とドライバー教育を徹底する必要があるでしょう。

Gマークを取るには何点以上取ればいいですか?

Gマークの認定を受けるには、100点満点中80点以上が必要です。

Gマークの認定制度は、国土交通省が定めた38の評価項目に基づいて審査が実施されます。

そのため、点数は100点満点中80点以上の評価を受けなければなりません。

Gマークの取得率はどの程度ですか?

2021年度のGマーク認定事業所(安全性優良事業所)として認定事業所の累計は2万8,026事業所となり、全8万7219事業所に占める取得率は約30%前後になっています。

上記のようにGマークの取得率は、年々高まっています。これらの結果は、運送事業所による安全への取り組み意識が高いという証明です。

Gマークの取得を目指す運送事業所は、自社の安全管理体制を見直し、必要に応じて改善してみてください。出典:全日本トラック協会「貨物自動車運送事業 安全性評価事業 Web申請システム」

関連記事:Gマークの取り消し条件は?違反の種類とチェックポイントについて解説

Gマークトラックに関するまとめ

まとめ

Gマークは、運送業界における安全性優良事業所の認定マークです。

Gマーク取得は、運送事業所が厳格な安全基準を満たしている証明になります。

Gマークの取得の重要性を理解し実行することで、運送事業所は事故を減らし、安全な運送サービスを提供できるでしょう。

Gマークの取得を検討している運送業所は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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この記事を書いたライター

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高坂 勇介

工業高校で電気技術・機械制御・自動車工学を専攻。卒業後、複数業種を経験したのち、大手プラントメーカーで非破壊検査、造船メーカーで品質・工程管理に従事。物流業者への発注業務も多数経験。現在は製造・建設業界で培った12年の知識と経験を活かし、転職専門ライターとして活動中。

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