トラック横乗りの仕事をきいたことがありますか?横乗りと聞いてトラックの助手席に乗ることを連想する方も多いでしょうが、トラックは運転手一人で仕事をするのが一般的なので、トラックの助手席に乗る仕事があるなど想像もつかない人も多いでしょう。
そこで、トラックの横乗りはどういった仕事をするのか、そして給料はどうなのかを詳しく解説していきます。
トラック横乗りの仕事内容とは
トラックの仕事は、運転を行い荷物を運ぶ仕事になりますから、通常一人業務となることがほとんどです。しかし、ごくたまにトラックの助手席に人が乗っていることがあります。これがトラックの横乗りの仕事になります。
このようにトラックの助手席に乗る横乗りの仕事は、通常トラック運転手として入社したての新人教育として行われることがほとんどとなります。
そこで、トラック横乗りの仕事内容について詳しく見ていきます。
運転技術を学ぶ
トラックの運転手になるために、新入社員として運送会社などに入社すると、最初に運転技術を学ぶことから始めます。
特に、初めてトラックを運転する人や、新しく入社した企業のトラックが、今までより大型のトラックの場合は、運転技術を学ぶ必要があります。
そこで、トラックの横乗りを行い、先輩ドライバーの運転を見ながら運転技術を覚えていきます。この時に、トラックの運転が初めての場合は、先輩運転手から事細かに運転の方法を教えてもらうので、しっかりとメモするなどして覚えるようにしましょう。
また、運転技術を横乗りだけで覚えるのは難しいので、慣れてくると運転を任されるようになります。その場合、先輩ドライバーが助手席でアドバイスをしてくれますから、安心して運転できるでしょう。
運転技術には、当然道路の走り方が主な内容となりますが、荷物を積み込むホームへのつけ方や、荷待ちの仕方など細かいトラックの運用の仕方を教えてもらえます。
順を追って運転を任されるようになる
トラックの運転手として運送会社などに入社すると、運転技術や仕事の内容を学ぶためにトラックの横乗りから業務を始めることになりますが、いつまでも横乗りのままではありません。
当然、一人前のトラック運転手になることが横乗りの目的ですから、先輩ドライバーの教えを身に着けることが重要になります。
暫くトラックの横乗りを続けていると、先輩運転手から仕事を少しずつ任されるようになります。最初は荷物の受け渡し業務からがほとんどとなりますが、一つ一つ間違いのないように業務をこなしていくと、広い道路では運転を任されるようになるでしょう。
そして、運転に慣れてくれば一日の業務を全て一人で行えるか、先輩運転手が助手席から業務内容をチェックし、最終的に問題なければ独り立ちすることが出来ます。
道を覚える
トラックの横乗りを行うことで重要な課題は、道を覚えることです。長距離や中距離のようなトラックの仕事も、荷主や荷受人までの道のりを覚えることは重要ですが、意外に地場周りの宅配便のトラックの運転が道路を覚えるのが大変になるでしょう。
地元で土地勘に詳しい人でも、宅配便では個人宅への配達業務があるので、荷物の配る順序などを考慮に入れた道路を覚えることは非常に難しいといえます。
また、1日の業務の中で限られた時間での配達業務を行わなければならないので、道路の選択も重要になるでしょう。
宅配トラックの運転手として、地元ではない地域に入社した場合は、道路を覚えるのが大きな壁となる可能性があります。メインの道路から住宅街の道路まで細かく道路を覚える必要がありますが、当然カーナビを使って道路の選択を行ってもよいです。
しかし、お店や企業などはカーナビで検索できても個人宅の検索はできません。そこで、住宅地図は欠かせないアイテムとなり、また独自の手書きの地図も大いに役立ちますから、横乗りの研修時期に、道路をしっかりと覚え、自分のわかりやすい地図を作るようにしましょう。
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トラック横乗りの期間は?
トラック運転手として、運送会社などに就職すると、最初は横乗り業務から始めることになります。
横乗りは、当然独り立ちが認められるまでになりますが、その期間はトラック運転手として最初から持っているスキルによっても変わりますし、会社の方針でも変わってくるでしょう。
しかし、トラックの運転手は基本一人での仕事が普通なので、トラックの狭い空間に2人だけで過ごすのは、気まずいと思い辛いと感じる人は少なくないでしょう。そこで、実際にどの程度でトラックの横乗り期間が終了するのか状況別にみていきます。
経験年数により変動する
当然、トラックの経験年数が長ければ仕事を覚えるのは早いので未経験者より横乗りの期間は短くなります。しかし、経験年数が長くても職種が異なれば未経験者と同じように教育されるので、横乗り期間は未経験者とほとんど変わりません。
通常、横乗り期間は1週間から1か月程度といわれていますが、会社側も1台のトラックで2人分の給料をいつまでも出すわけにはいきませんから、出来るだけ早く独り立ちをさせます。そのため、運転技術に問題なければ取引先のルールや荷物の扱い方を覚えると1週間を待たずに数日で横乗りを卒業して独り立ちすることになるでしょう。
大型トラックになるほど期間も長くなる
トラックには、普通免許証で運転できるトラックから、大型免許がなければ運転できないトラックまで幅広い種類と大きさがあります。そして、当然トラックが大きくなればそれだけ高い運転技術が求められます。そのため、大型トラックの運転手になるには研修期間も長くなると考える人も多いでしょう。
しかし、大型トラックの運転も経験が長ければそれほど長い横乗り期間にはなりません。当然、全長が12mもあるトラックを運転するので、テクニックや走る道路の選定などの経験が必要になってきますから、経験者でなければ大型トラックの運転はかなり難しいでしょう。そこで、初めて大型トラックを運転する人は、一般道路での多くの運転方法を先輩運転手から学ぶ必要があるので、横乗り期間は1か月に及ぶことも多くなります。
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トラック横乗りはバイト採用もある?
トラックの横乗りは、なにもトラックの運転手になるための仕事だけではありません。多くの場合、トラックの運転手一人では荷物の積み下ろしに時間がかかりすぎるような業務の時に、トラック運転手のアシスタントとして募集されることがあります。
ただし、長距離のようなトラックには、横乗り専用の仕事はごくまれとなります。ほとんどの場合、地場周りの宅配の仕事や中距離程度の仕事の場合に横乗りの仕事が募集され、基本当日中に仕事が完結されることが多くなります。
トラック横乗りはバイトとして募集されることも多い
トラックへの横乗りは、当然仕事を覚えるために行われることが多いですが、中には横乗り専用のバイトとして求人が出されることがあります。
この仕事に応募する場合は、特に運転免許証の所持の必要はないので、基本的に高校生のバイトも多く見られます。そのため、通勤が出来れば運転免許証がなくても問題なく応募できるバイトも多いでしょう。
運転をせずに助手席に乗るだけの仕事もある
トラックの横乗り専用の仕事には、荷物の積み下ろしをはじめ、トラックの仕事にかかわる業務を全く行わなくてもよい仕事があります。
その仕事の内容は、助手席に座っているだけです。非常に簡単な仕事ですが、この仕事が発生する理由は、駐車禁止対策になります。それは、宅配のトラックではどうしても荷物を届けるために駐車禁止区域にトラックを停めなければならない状況が発生します。そこで、助手席に人を座らせることで駐車ではなく停車としてトラックを停めるために行われます。
1日の仕事は、ただ助手席に座っている横乗りですが、1日中トラックの助手席に座っていれば何をしていても構わないというのが、募集要項の一つになっています。そのため、トラック内での暇つぶしに本を持参したり、スマホゲームに興じるための予備バッテリーを準備するなど、事前に退屈にならない工夫が必要となるでしょう。
ただし、運転手が汗だくになりながら荷物の配達をしている横で、涼しげに座っていることが、人情的に苦痛と感じてしまう人には不向きな仕事になります。
トラック横乗りの給料はいくら?
トラック横乗りの給料には、大きく2種類に分けられるでしょう。一つは、トラック運転手として一人前になるための試用期間の横乗りの給料と、専属の横乗りの給料です。
まず、トラック運転手になるための試用期間中の横乗りの給料ですが、基本給が本採用と同じとなる企業が多くなります。ただし、手当は一切つかないので独り立ちする時より月の給料は半減していることもあるでしょう。
そして、横乗り専用のバイトとして仕事をする場合ですが、時給は1,000円前後が多くなるでしょう。ただし、1,000円以上の時給を手にするには、中型免許以上を所持することが条件となっていることが多くなり、高校生は不可となります。
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トラック横乗りのバイトはきつい?
トラックの横乗りバイトの中で、荷物の積み下ろしの業務が発生する仕事では、体力的に辛くなります。
しかし、横乗り専属で助手席に座っているだけの仕事は、体力的には問題ないですが、罪悪感に打ち勝てることが出来るかによって、仕事のキツさは変わってくるでしょう。
ドライバーの性格・相性に大きく左右されることが多い
トラックは、狭い密室空間ですから、トラック運転手と長い時間2人だけで時間を過ごさなければなりません。そのため当然ですが、ドライバーとの人間関係も大きくかかわってくるでしょう。
トラック運転手の性格など、バイトで横乗りとして配属されるときには全く知るすべがありません。そのため、初めてトラックの横乗りの仕事をするときに運転手の性格が合わなければ、仕事中ずっと気まずい思いをしなければならないでしょう。
また、相性の問題もあり、人は一目見た瞬間に受け付けることが出来ない性格の人もいます。そのような人と長い時間共にすることに抵抗を感じずに仕事が出来れば、横乗りのバイトの仕事はキツイと感じることはないでしょう。
しかし、ほとんどの人は、人間関係が悪くなるほど辛いと感じることになりますから、トラック運転手の性格や相性が横乗りのバイトには大きく影響されることになります。
移動時間が長い
横乗りの仕事は、ただ助手席に座っているだけの仕事が多いですが、拘束時間が異常に長いことが一つのネックとなっています。配送中に自分の都合で移動することが出来ませんから、トイレ一つもドライバーにお伺いを立てなければなりません。
また、相性の良い運転手と一緒であれば仕事中も楽しく過ごすことが出来ますが、相性が全く合わない運転手とでは、長時間のトラックの中での勤務は、かなり精神的にも大きな苦痛となるでしょう。
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トラック横乗りについてのまとめ
トラックの横乗りは、トラック業界の中では珍しく人間関係が強く存在する業務となります。自分でトラック運転手を目指す人も、専属で横乗りのバイトを行う人も、先輩運転手への敬意を忘れずに、自分勝手な行動や言動を慎むことで円満な業務が達成されることになるでしょう。
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