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倉庫業とは?運送業との違いや資格・倉庫業法について

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物流に欠かせない倉庫業は、都心の大井、市川、成田などに多く存在し、航空輸送や海上輸送の物流拠点として機能しています。

そこでこの記事では、倉庫業の基礎知識や運送業との違いを解説します。倉庫業界への転職を検討中の人は参考にしてください。

物流に欠かせない倉庫業とは

倉庫

都心では、大井や、市川、成田など、航空輸送や海上輸送の物流の拠点地に多く建てられている倉庫ですが、倉庫業について基礎知識を解説します。

倉庫業というのは主に輸送 (配送), 保管, 流通加工, 包装, 荷役の流れを指す「物流」の中で主に「保管」として、近年では「流通加工、包装」の拠点としても活躍しております。

国土交通省の説明では、倉庫業とは「寄託を受けた物品を倉庫において保管する事業であり、原料から製品、冷凍・冷蔵品や危険物に至るまで、国民生活・経済活動に欠かせない多種多様な物品を大量かつ安全に保管する役割を担っています。」と説明されており、インターネットショッピングだけではなく、コンビニや百貨店、スポーツショップなど現代の人々の生活において欠かせないものとなっております。

また、インターネットショッピングではAMAZONプライム楽天の翌日配達サービスのあす楽の様に注文してから直ぐに届く物流システムの構築が求められており、倉庫業はそれらECサイトの重要な拠点にもなっております。

倉庫業の種類

倉庫でのピッキング

倉庫業は大きく「普通倉庫業」「冷蔵倉庫業」「水面倉庫業」の三つに分類できます。

「普通倉庫業」は農業、鉱業、製造業、美術品やその他多くのものを取り扱える良く言う、普通の倉庫です。倉庫業の数はこの普通倉庫業がとても多く、AMAZONや楽天の倉庫、アスクルの倉庫など人々が考える倉庫の多くはこの倉庫業になるかと思います。法律上は一類倉庫、二類倉庫、三類倉庫、野積倉庫、貯蔵槽倉庫、危険品倉庫が普通倉庫業に匹敵します。また、近年ではトランクルームにも認定制度ができ、認定されたものは認定トランクルームと称されております。

「冷蔵倉庫業」は10度以下で保存が求められる食料品等を保管するための倉庫を営業する倉庫業になります。

「水面倉庫業」は第五類物品となる原木等水面において保管をするための倉庫を営業する倉庫業になります。

表で表すと下記の様になります。

倉庫業 用途
普通倉庫業 法律上は一類倉庫、二類倉庫、三類倉庫、野積倉庫、貯蔵槽倉庫、危険品倉庫のこと。
冷蔵倉庫業 10度以下で保存が求められる食料品等を保管するための倉庫
水面倉庫業 第五類物品となる原木等水面において保管をするための倉庫

保管する品物について、適切に保管するためにこれほど細かく倉庫業について分けられており、各倉庫業ごとにより細かく保管基準や制限、消防法など細かく決められており、各倉庫業の営業資格を持つ企業はその項目を遵守しなければなりません。

関連記事:倉庫管理主任者の難易度は?資格取得のメリットも解説!

倉庫業の仕事内容

倉庫作業

現代の倉庫業の仕事内容はただ倉庫にものを保管するだけではなく、保管に加え、仕分けやピッキングなど付加価値を付けたりしております。基本的な仕事内容を説明していきます。

入庫・出庫

入庫・出庫はその名の通り、倉庫に入庫・出庫することです。入庫・出庫でも実は細かくて、倉庫が渋滞しない様に細かく入庫や出庫の時間が定められております。また、普通倉庫業等では基本的にはパレット積みでトラックがきますので、ハンドパレットやフォークリフトなどといった機材を使い素早くトラックに積み下ろしします。積み下ろし後は決まったところに移動させ保管や、検品等の作業を行なっていきます。

検品

検品は品物の状態を検品することです。検品にも様々種類がありまして、ベルトコンベアから流れてくる品物に不良品がないかチェックしたり、異物混入がないか検品したり、アパレルでは、縫い針がないかなどをチェックします。

また、倉庫業によっては、入庫時検品といって、入庫された荷物の点数確認や、出荷検品といって出庫する数を検品したりもします。検品施設や、検品の有無は倉庫業によってもバラバラですが、近年では倉庫業の中でも顧客獲得のために、検品をはじめたりして倉庫業としての付加価値をつけているところもあります。

ピッキング

ピッキングとは指定された品物を倉庫の棚から持ってくることです。アマゾン等大きい倉庫ですと、ピッキングの仕事が多く、激務ともうわさされていますが、これも倉庫業によってまちまちになりますがピッキング速度が速いほど倉庫の回転が速くなりますので、厳しいところが多いかと思います。基本的には資格がいらないのでアルバイトの方はここに多く配属されているかと思います。

関連記事:ピッキングとはどういった仕事?仕事内容や魅力、作業のコツを紹介!

梱包・仕分け

梱包・仕分けはピッキングしてきたものを出荷できる様に梱包したり、出荷先ごとに仕分けをしていく作業です。仕分けは間違えると大きな問題となり配送先、依頼元からクレームがくるので最新の注意を払って作業しなければなりません。

また、固定概念を捨てて、しっかりと仕分け表と品物を照らし合わせて仕分けすることが大事になります。仕分けミスが多発すると倉庫業としての顧客減少にもつながり、経営にも関わってきそうです。

関連記事:仕分け作業とは?仕事内容や魅力、効率よく作業をするコツを紹介!

管理・その他業務

管理・その他業務も実は多くあり、入庫・出庫した品物の個数を管理したり、スムーズな物流を運営するためにお客様とスキームを考えたりインボイス作成等、業務内容は多岐に渡ります。

関連記事

・倉庫作業員の仕事内容・年収・メリットやデメリットを紹介

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倉庫業の資格

倉庫でのピッキング

倉庫業にも個人や法人に対しての資格が多く必要です。ピッキングや仕分けであれば必要ではないのですが、入庫・出庫の場合はフォークリフトの運転資格だったり、

最重要なのが倉庫業として登録するのに「倉庫管理主任者」というのが必須になります。これは「倉庫の種類ごとに定められている施設や設備の基準を満たす事とともに、その倉庫業を適切に管理、運営していく為に選任される方」とされており、下記のいずれかに適応する者を倉庫業が選任する必要があります。

1.倉庫の管理の業務に関して2年以上の指導監督的実務経験を有する者

2.倉庫の管理の業務に関して3年以上の実務経験を有する者

3.国土交通大臣の定める倉庫の管理に関する講習を修了した者

4.国土交通大臣が第1号から前号までに掲げる者と同等以上の知識及び能力を有すると認める者

通常は、倉庫業に係わっている方なら問題なく「倉庫管理主任者」になれますが、仮にいなかった場合は3.の国土交通大臣の定める倉庫の管理に関する講習を修了した者を選任する必要があります。

倉庫管理主任者資格は主に日本倉庫協会が行っている講習を修了すれば資格を入手できますが、倉庫業法の欠格事由やそもそも「倉庫管理主任者」に登録もできない場合もありますでの注意が必要です。

また、倉庫業を運営するのに「倉庫管理主任者」が一人いればいいのではなく、営業倉庫として登録した1倉庫につき一人「倉庫管理主任者」を選定しなければならないので、間違えない様に注意してください。

この他にも倉庫業に関連する資格はいくつかあります。

資格の目的や仕事内容はどのようなものなのかを見ていきましょう。

関連記事:倉庫管理者の仕事内容と年収とは?なるにはどんな資格がいる?

運行管理者

運行管理者には旅客と貨物に別れ、貨物の運行管理者は運送会社などで輸送の安全を監視、指導をするのが役目となります。

具体的な業務内容としては、ドライバーの健康状態を把握したり仮眠、休憩施設の保守管理を行ったり、トラックの過積載などをチェックします。

取得するには運行管理者試験センターが実施する運行管理者試験に合格する必要があり、受験条件として5年以上の実務経験があるか、所定の講習を5回以上受講しておく必要があります。

自動車運転免許

運送業で働く上で一番必要となると言っても過言ではないもので、取得することで普通自動車や軽トラックなどを運転できるようになります。

また、中型免許や大型免許を取得する場合においてもまずはじめに取得しなければならない免許となります。

18歳以上であることが取得する上での条件となり、流れとしては自動車教習所に通うのが一般的です。

第1段階の技能講習、学科講習を受け修了検定に合格後は第2段階へ進み、卒業検定に合格すると運転免許証が交付されます。

フォークリフト運転技能者

最大荷重1t以上のフォークリフトを運t年する技能者を認定するための国家資格であり、パレット貨物の蔵置やトラックへの積み込みなどの作業で必要となるため、倉庫業には欠かせない資格と言えます。

技能講習を受講することで取得することが可能で、受講時間は条件によって11時間~35時間受けなければなりません。

難易度は低く、取得に必要な費用は約15,000円ほどとなり全国にある専門の教習所で取得できます。

危険物取扱者

危険物取扱者とは、消防法で定められた爆発や火災の危険性が高い危険物を取り扱ったり、管理するために必要な国家資格となります。

倉庫業でも蔵置する貨物によっては必要となり、資格は「甲種」「乙種」「丙種」に分かれており、最も需要が高いのが乙種です。

乙種は更に取り扱うことができる危険物によって1類から6類に分かれており、4類が最も受験数が多いようです。

取得するには試験に合格する必要があり、乙種4類の合格率は約38%ほどになります。

ロジスティクス管理

ロジスティックに関する知識を体系的に理解できていることを証明する資格となり、中央職業能力開発協会(JAVADA)が2007年に開始した資格です。

物流管理に関する資格として唯一の公的資格となり、そのレベルによってBASIC級、3、2、1級に分かれています。

BASIC級では仕事での基本的な知識、全体の流れが把握しており職場で円滑に作業をすすめることができるレベルであることに対し、1級では企業全体の戦略を意識した課題を創造し、効率的に全体を動かすための知識及び応用力が必要となります。

ロジスティクスオペレーション

物流企業の荷役や梱包、輸送など、一連の業務の流れを遂行するために必要な知識を備えていることを証明する資格であり、中央職業能力開発協会(JAVADA)が2007年に開始しています。

ロジスティクス管理と同じく4つのレベルに分かれており、BASIC級は入門編、3級はリーダー相当職で実務経験が3年程度で、職場全体の業務を意識し遂行できるレベルとなります。

2級では課長やマネージャーが相当職となり、実務経験が5年程度で職場を管理する者として問題改善に対する提案や自主的な判断ができるレベルとなります。

物流技術管理士

物流技術管理士とは、ロジスティクスのスペシャリストであり、様々な物流業務を全体的な視点から管理を行い、品質の向上や効率を改善するための対策を提案、実施することができる管理者を言います。

講座の修了後、試験に合格することで認定され、講座はグループ講習やオンライン講座があります。

受講資格としては、物流に関する基本的な用語を理解していることがあり、目安としては物流の実務経験2年程度となります。

ロジスティクス経営士

ロジスティクス経営士とは、ロジスティクスの役割を経営の視点から捉え、全体の戦略を立案したり、新しく事業やサービスを企画し実行するなどの改革を行うための経営幹部を育成するための専門講座となります。

実際に物流企業で起きている問題を発見し、課題の整理、分析、対策の立案をするだけではなく、実行する上でのリスクや財務への影響も同時に管理します。

受験資格は、ロジスティクス関連の実務経験が5年程度となります。

倉庫管理主任者

上記でも説明したように、倉庫業では欠かせない資格と言っても過言ではなく、倉庫を適切に管理するための知識や能力が必要であり、倉庫業法により必ず選任しなければなりません。

具体的な業務内容としては、倉庫における火災の防止として全体のメンテナンスやチェック、蔵置などで起こりうる労働災害の防止、全体の業務が円滑進むように従業員への研修やミーティングなどがあります。

倉庫管理主任者になるためには、一定基準以上の実務経験がなければならず、倉庫管理業務で3年以上の実務経験があり、指導や監督役として2年以上の実務経験いずれかを満たす必要があります。

物流経営士

トラックの運送事業を健全に遂行し、更に発展するために事業に関する技能や知識の向上、運送事業の経営に携わる人達の資質の向上を目的として平成10年にできた資格です。

また、能力の向上だけではなく、宿泊研修などを活かした受講生同士のネットワーク形成や現場以外でのITスキルなども学ぶことができます。

資格の取得は、資格認定講座実施機関にて認定講座を受講後に試験に合格する必要があります。

合格後は全日本トラック協会から物流経営士の資格が付与されます。

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知っておくべき倉庫業法

倉庫作業

倉庫業は倉庫業法にしたがって、国土交通大臣によって認可された業者が運営できます。倉庫業に必要なものとして、前項目で取り上げた「倉庫主任管理者」という資格が必要ですが、それ以前に倉庫業法について説明します。

登録制度

倉庫業は主に自家用倉庫と営業倉庫があり、倉庫業法は営業倉庫に適用されます。営業倉庫は国土交通大臣によって認可登録が必要であり、その登録に必要な基準があります。

  1. 建築基準
  2. 倉庫寄託約款
  3. 火災保険

倉庫業はお客様の荷物を預かり保管し、利用者の利益を保護する必要があるので、多くの基準があり、建築基準は一般の倉庫より厳しく定められております。また、基本的な貨物の取り扱い等については約款に定められております。倉庫寄託約款は国土交通省が標準倉庫寄託約款を定めているので、これを基本にして各倉庫業が作っている場合が多いです。また、火災保険も倉庫業の義務であります。

倉庫業を営まない倉庫に注意

先ほど、自家用倉庫と営業倉庫について説明しましたが、自家用倉庫を貸している業者もあります。自家用倉庫は認定された倉庫業者ではないので注意が必要です。

倉庫業法には上記で説明した通りに倉庫業法に必要な要件があり、お客様の利益を損なわないように、建築基準や、約款、さらには火災保険の義務など細かく規定されていますが、自家用倉庫で倉庫業をしている場合、建築基準に見合っていなかったり、火災時の保険に入っていない場合等あるので注意が必要です。

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倉庫業と運送業の違い

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「物流」を考えた時に、倉庫業と運送業は一括として考えられることがありますが、倉庫業と運送業は全くの別物です。

倉庫業は今回説明しているように、倉庫業申請をし、倉庫業法を遵守して営業している倉庫であります。運送業はその名の通り、運送をしている会社です。

運送業者は運送をメインとしている業者であり、運送業者が一時的に貨物を保管したりする場合がありますが、それは倉庫業ではなく運送業の自家用倉庫に保管している場合が多いです。

ですので、運送業者に貨物の一時保管等を依頼するときは倉庫が営業倉庫かどうか、規約や保険等確認した方が良さそうです。また、運送業でも倉庫業を取得していたり、倉庫業が運送業も兼ねているところもありますので、一概に判断はできません。

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倉庫業と物流の今後

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日本の倉庫業の時代は古く明治時代から始まりました。最初は廃藩置県により流通物の保管場所に不都合が生じたために、三菱や住友などの財閥が金融業と倉庫業をかねて始まったとされております。

倉庫業は戦後から高度成長期、にかけて、倉庫業は重要な物流拠点として活躍してきましたが、バブル崩壊とともに倉庫業者の統廃合が繰り返され、現代に至ります。

当初は荷物を保管するだけで運営できてましたが、現代では倉庫業はそれだけでは成り立たず、付加価値が求められています。

多くの倉庫業は検品や仕分け、商品加工等、お客様のニーズに合わせて進化しており、物流としての重要な拠点も担っております。また、今後は同様な付加価値を付けられる倉庫が増えてきたため、よりきめ細かいサービスが求められてきます。

例えば、現代の会社はアウトソーシング化が流行しているので、検品のみならず、輸出入に対応できるように、通関業者を兼ねるとか、運送業も兼ねて、自社配送できるようにしたりなどと、倉庫業が他業種も兼ねて、今の佐川急便やヤマト運輸みたいに物流に関する全てのニーズに一社で対応できる企業が増えてくるかもしれません。

関連記事:倉庫管理者の仕事内容と年収とは?なるにはどんな資格がいる?

倉庫業についてのまとめ

倉庫業について説明しましたが、昔から今の現代社会にも倉庫業は物流に必須の業種であり、現代の倉庫業では様々な付加価値を付けてお客様に利用してもらう努力をしていることがわかったかと思います。

また、今回はB to Bの説明ですが、近年ではB to C つまり、個人に対しても倉庫を使ってもらおうと、小さいスペースを沢山作り販売したり、倉庫業の利点を生かし、ワインセラーの様に使ってもらったり、荷物を送ってもらうだけで入庫・出庫、明細管理など全てを請け負っている企業等もあります。

国土交通大臣に認定された倉庫業がしっかりとした倉庫業者であり、しっかりとしたファシリティーを保持しているので、倉庫を借りる場合は、ただ場所を借りるだけの場所ではなく、しっかりと営業倉庫を持っている倉庫業なのか確認する必要があります。

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