「短・中距離ドライバーから長距離ドライバーに転職したい」「長距離って稼げるって聞くけど本当?」と、長距離ドライバーの年収が気になる方もいるのではないでしょうか。
国税庁の調査によると、大型車両を運転する長距離トラック運転手の平均年収は約450万円です。
しかし、年齢や地域などによって異なるため、転職前にしっかりと確認しておくことが大切です。
この記事では、2024年最新版の長距離トラックドライバーの平均年収について、性別・年齢・地域別の一覧の他、どうすれば給料アップができるかコツを紹介します。
さらに、弊社が運営しているドライバー特化の転職サイト「ドライバーキャリア」のキャリアアドバイザーに聞いた、年収アップ事例や求職者の方からよくある質問などもまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。
長距離ドライバーの平均年収は約450万円
厚生労働省がおこなった『賃金構造基本統計調査』によれば、大型トラック運転手の年収は426万円〜463万円の間を推移しており、その平均は約450万円となっています。
参考:トラック運転者の年間所得額の推移|厚生労働省のグラフをもとに作成
そもそも長距離ドライバーとは、一般的に片道300km以上の運転をするドライバーを指します。
国土交通省の調査によると、普通、中型、大型、けん引の4種の車両のうち、平均走行距離が最も長いのは「大型」、次に長いのが「けん引」であり、その距離はそれぞれ347kmと280kmです。
そのなかで長距離ドライバーは大型車両を運転するケースが多く、走行距離に応じた手当が支払われる場合があるため、短・中距離ドライバーよりも長距離ドライバーの年収は高い傾向にあります。
先ほどのグラフをふまえた全産業と大型、中小型ドライバーの平均年収は以下のとおりです。
平均年収 | |
全産業平均 | 488万円 |
大型ドライバー | 450万円 |
中小型ドライバー | 410万円 |
全産業と比較すると、大型も中小型ドライバーの平均年収は下回っていますが、長距離を運転することが多い大型トラック運転手と中小型トラック運転手では、約40万円差があることがわかります。
関連記事:トラック運転手で年収600万円は可能?条件や仕事内容も
関連記事:トラック運転手は年収1,000万稼げる?給与の実態、現場の声も
【ジャンル別】長距離ドライバーの平均年収一覧
長距離ドライバーの年収は、性別や年齢、地域によって偏りがあります。
ここでは、それぞれの給料事情を紹介します。
【男女別】長距離ドライバーの平均年収表
冒頭で説明したとおり、比較的走行距離が長いトラック車両が「大型」と「けん引」であるため、それらの平均年収を解説していきます。
まずは、公益社団法人 全日本トラック協会「2022 年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態 」の資料をもとに、男性の一般大型とけん引などの平均年収について解説します。
男性・長距離ドライバーの平均年収
参考:2022 年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態 (概要版抜粋)第3表 職種別平均賃金・年齢・勤続年数|公益社団法人 全日本トラック協会
上記の通り、男性の一般・大型トラック運転手の平均年収は472万円、一般・けん引トラック運転手の平均年収は536万円となっています。また、大型やけん引以外の中型・準中型・普通を含む男性運転者の平均は449万円です。
女性・長距離ドライバーの平均年収
続いて、女性の一般大型、けん引の平均年収を見ていきましょう。
参考:2022 年度版 トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態 (概要版抜粋)第3表 職種別平均賃金・年齢・勤続年数|公益社団法人 全日本トラック協会
女性の一般・大型トラック運転手の平均年収は413万円、一般・けん引トラック運転手は481万円となっており、大型やけん引以外の普通・中型・準中型すべてを含む女性運転者を平均にすると364万円です。
男性と女性で平均年収に差が生まれる理由
大型とけん引どちらも、女性と男性で約60万円の差があります。男女で平均年収が違う理由には、以下が挙げられます。
- 勤続年数の違い
- 労働時間の違い
女性トラック運転手の場合、結婚により一度退職したり、育児のために勤務時間を短くしたりしているため、年収がやや低くなる傾向にあります。
大型とけん引のトラック運転手で年収に差が出る理由としては、運転技術の難易度と責任の重さなどが挙げられます。
けん引トラックは、トレーラーを連結させるため、大型トラックよりも操縦が複雑で高度な技術が求められます。また、大型トラックよりも積載量が多いため、安全への意識や責任の重さなどが関係していると言えるでしょう。
参考:2022 年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態|全日本トラック協会
【年齢別】長距離ドライバーの平均年収表
ここからは、大型とけん引のトラックドライバーの平均年収を年齢別で紹介します。
男性長距離ドライバーの年齢別の平均年収
男性の大型とけん引トラックドライバ―の年収推移をみると、30~50歳で徐々に年収が上がっているのがわかります。最も年収が高くなるのは50歳~59歳です。
平均すると、大型は472万円、けん引は536万円となっています。
女性長距離ドライバーの年齢別の平均年収
女性の「大型」の年収は30代で最も高く、418万円となっています。40代以降は大きな変動がなく推移しており、50代でもほぼ同水準を維持していますが、60歳以降は大幅に減少していることがわかります。
女性の「けん引」に関しては、計測できない年齢層があるものの、大型と同様に30代が最も年収が高く、499万円です。平均すると481万円となっており、全体的に「大型」ドライバーよりも年収が高い傾向にあります。
参考:2022 年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態|全日本トラック協会
【地域別】長距離ドライバーの平均年収表
長距離ドライバーの年収は働くエリアによっても年収が変わります。
ここでは、全日本トラック協会が調査した地域別の平均賃金と、そこから概算した平均年収を紹介します。
【エリア別】賃金+賞与1カ月平均
下記は、エリア別の賃金+賞与1カ月分の平均(男性)を表した金額です。
エリア別の現金+賞与1カ月分の平均が最も平均年収が高いのは、近畿で40万3900円、次いで中部の39万5700円となっています。
一番平均が低いのは沖縄で、27万8300円です。
賃金+賞与1カ月分(男性の一般)から概算したエリア別の平均年収
下記は、先ほど算出した令和4年の賃金+賞与1カ月平均(男性の一般)に12カ月をかけて出した平均年収の概算です。
概算した平均年収が最も高いのは、近畿地方で484万円となっており、一番低いのは沖縄地方で333万円です。
沖縄地方の年収が低いのは、離島でありトラックを使用した長距離配送がほとんどないためと予想されます。
全国平均は約449万円
全国平均の年収は449万1600円で、関東や近畿、中部などの主要都市圏ではこれを上回り、沖縄や東北などの地域では下回る傾向が見られます。
都市部に近いほど年収が高い傾向
関東、中部、近畿の主要都市圏は平均年収が高く、地方に行くほど年収が低くなる傾向が見られます。物流量や経済規模の差がこの収入差に影響していると考えられます。
参考:2022 年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態|全日本トラック協会
長距離ドライバーの年収を決める要素とは?
長距離ドライバーの年収を決める要素には、
- ドライバーの経験値
- 働くエリア
- 働く業者
- 業務内容
主に上記の4つがあげられます。詳しくは以下の通りです。
ドライバーの経験値
運送業界ではドライバ―不足が続いていますが、長距離ドライバーの求人が多いからといって、誰でも簡単に転職できるわけではありません。
特に長距離ドライバーのような高年収を狙える求人ほど、経験豊富なドライバーが応募するため、競争率が高くなります。
また、大型免許を取得しても、未経験では大手企業での採用が難しいことが多く、経験値が重要視されます。長距離ドライバーとして高年収を実現するには、実務経験の有無も大きな要素と言えるでしょう。
Point!
年齢も年収にかかわる要素の一つ!
先ほど年齢別の年収で紹介したとおり、男性は30~50代で年収が徐々に上昇しています。この推移からわかるのは、ある程度、ドライバーとしての経験を積み、技術や知識が向上したことが会社に評価され、高収入につながっている年齢と考えられます。ただ年齢が高い=年収が高いというわけではなく、若いころからドライバ―の仕事に携わり、長年の経験によって収入がアップしていると捉えるとよいでしょう。
<ドライバー特化の転職サイト「ドライバーキャリア」キャリアアドバイザー安田からのアドバイス>
働くエリア
長距離ドライバーの年収は、働くエリアによって大きく異なります。都市部や物流の中心地である関東や中部、近畿などの地域では物流量が多く、需要が高いため、年収が高くなる傾向があります。
例えば、関東エリアは他の地域と比べても高い平均年収が特徴で、賞与や手当が充実している場合も多いです。
一方で、地方や離島などのエリアでは物流の需要が少なく、賃金が低めに設定されることが一般的です。特に沖縄や東北などでは、全国平均を下回る年収が見られます。
働く業者
長距離ドライバーは年収が高い傾向にありますが、入社する会社や業務内容によっても大きく変わります。特に年収が高いと言われているのが『大手企業の宅配業者』や『引越し業者』です。
大手企業の宅配業者では、配送量が多く、安定した需要があるため、長時間勤務や特別な手当が加算され、年収が高くなりやすいです。
また、引越し業者の場合、長距離配送のほかに家具や食器などの梱包作業も含まれるため、業務の幅が広くる分、年収に反映される傾向があります。
Point!
長距離ドライバーの年収は、業務内容によっても変わります!
具体的には、『手積み手降ろしがあるか』です。
パレット下ろしの場合、手積みより体力的負担が少ないため、その分給料が安い傾向にあります。反対に、手積み手降ろしの場合は、体力的な負担が大きいことから給料を高めに設定している場合が多いです。長距離ドライバーとして高収入を目指す場合は、ぜひ『業務内容』にも注目してみてください。
<ドライバー特化の転職サイト「ドライバーキャリア」キャリアアドバイザー亀島からのアドバイス>
長距離ドライバーの平均年収を上げる方法
ここからは、長距離ドライバーが年収を上げる具体的な方法を紹介します。
勤続年数を積む
長距離ドライバーは経験を積むほど、より複雑な配送任務や責任ある役割を任されることが多く、それに伴って年収も上がる傾向があります。
また、ドライバーとしての経験以外にも、
①大型ウイング車の乗務経験3年以上
②フォークリフト(リーチ、カウンター両方)の乗務経験
③手積み手降ろし、パレットでの積み降ろしの経験
④夜間走行や車中泊の経験
上記があると、転職に有利になったり、年収アップにつながったりするでしょう。
さらに長距離運行の場合、運転時間が長いため、5年以上無事故無違反など違反が少ない方がプラスになります。
資格を取得して資格手当をもらう
新しい資格を取得し、できる業務が増えると年収が増える可能性があります。
具体的には、けん引や玉掛け、フォークリフト、危険物取扱者資格(乙4種)の資格です。
特に危険物の運搬など、特殊なスキルが求められる仕事は高年収を期待できます。
また、小型移動式クレーンや運行管理者の資格も年収アップに役立つ資格です。
小型移動式クレーンは、玉掛だけでなくクレーンもセットだと運べる商材が増えるため、転職で有利に働くでしょう。
運行管理者は、運行管理や配車をしながらトラックの運転ができる方が重宝される傾向にあります。
関連記事:トレーラー免許(けん引免許)の取得方法・費用・難易度
関連記事:【未経験者向け】玉掛け免許の費用は約2万円|取得までの期間と条件
関連記事:【用途別】フォークリフト種類ガイド|最適な選び方と運転に必要な資格
転職を視野に入れる
同じ業界内であっても、企業や契約の条件によって年収に大きな差があることがあります。また、運搬する商品の種類を変えることで、より高い収入を得られる場合もあるでしょう。
そのため、同じ長距離ドライバーで、仕事内容に大きな違いはなくとも、転職によって年収が増える可能性はあります。
これらの方法を組み合わせることで、長距離トラック運転手としてより高い年収を目指せます。
Point!
年収を左右する要素は他にもある!
①輸送距離を増やす
同じ長距離ドライバーでも、「関東〜東北」と「関東〜九州」では、後者の「関東~九州」方が高い年収を設定されていることもあります。輸送距離によって1.5倍など給与に差が付くケースもあるため、必ずチェックしておきたいですね。
②手積み手降ろしを行う
先ほど、年収を決める要素でもご紹介しましたが、手積み手降ろしができると高収入を得やすいです。基本、体力的な負担が大きいことから手積み手降ろしを避ける方が多いため、この業務ができると他社と年収に差をつけられるでしょう。
③夜勤帯で働く
夜勤帯で働くことも、収入を上げることにつながります。
深夜手当があるだけでなく、需要に対して夜間の輸送が人手不足になりがちなことから、夜間を希望するドライバーに対して高めの賃金を提示するケースもあるようです。また、夜間は交通量が少なく、渋滞を避けやすい傾向にあるため、昼間よりも多くの距離を走行でき、結果的に収入アップにつながる可能性があります。
<ドライバー特化の転職サイト「ドライバーキャリア」キャリアアドバイザー安田からのアドバイス>
長距離ドライバーと他の職種との年収比較
長距離ドライバーの平均年収は約450万円ですが、他の物流関連の職種の年収はいくらなのか、ドライバーを含む6つの職種と比較します。
短距離ドライバー
一般的に短距離ドライバーがよく運転する車両に「4tトラック」があります。大手求人サイト「求人ボックス」の調査によると、4tトラックを運転する「4tドライバー」の平均年収は約417万円です(2024年10月時点の情報)。数字だけみると、長距離ドライバーよりも短距離ドライバーの平均年収が30万円ほど低いことがわかります。
長距離ドライバーよりも短距離ドライバーの年収が低い理由には、主に労働時間と距離による報酬体系の違いがあげられます。
長距離ドライバーは、多くの距離を走行し、目的地までの移動時間が長いため、結果として労働時間が長くなりやすいです。そのため、夜間手当や長距離手当などの割増手当が支給されることが多く、それが年収の増加に繋がっています。
参照元:4tドライバーの仕事の年収・時給・給料|求人ボックス
配送ドライバー
大手求人サイト「求人ボックス」の調査によると、ルート配送ドライバーの平均年収は約417万円であり、長距離ドライバーの平均年収と比べて33万円ほど低いです(2024年10月時点の情報)。
配送ドライバーの年収が長距離ドライバーよりも低い理由として、走行距離や労働時間の違いがあげられます。ルート配送は、主に固定されたエリア内での短距離運転が中心であり、夜間手当や長距離手当の発生が少ないため、年収が低くなりやすいです。
また、配送ドライバーは主に日中に業務を行っており、残業が少ない場合が多いため、その分手当が減り、年収が低くなる傾向があります。
バスドライバー
大手求人サイト「求人ボックス」の調査によると、バス運転手の平均年収は約465万円であり、長距離ドライバーの平均年収と比べて15万円ほど高いです。
バスドライバーの年収が長距離ドライバーより高い理由の一つは、公共交通機関としての責任や乗客を安全に運ぶ役割の重要性が関係していると考えられます。
バス運転手は、不規則な勤務時間や夜間運行、祝日勤務などが求められることが多いため、深夜手当や休日手当などの割増手当が支給される場合があります。また、路線バスや観光バスの運転には、高い技術と安全管理が求められるため、これらが年収の高さに反映されていると言えるでしょう。
倉庫作業員
大手求人サイト「求人ボックス」の調査によると、倉庫内作業の仕事の平均年収は約469万円となっており、長距離ドライバーと比較すると、19万円ほど高いです(2024年10月時点の情報)。
その背景には、夜間シフトや重量物の取り扱いといった厳しい労働条件があります。それらの条件に応じて、深夜手当や資格手当が支給されるケースが多いです。
また、フォークリフトや危険物取扱の資格を持つ作業員は、さらに高い給与を得ることもあります。資格や役職に応じて支給される手当が年収に反映されやすい点も、倉庫作業員の特徴です。
物流管理者
大手求人サイト「求人ボックス」の調査によると、物流管理の仕事の平均年収は約430万円で、長距離ドライバーと比べると、20万円ほど低い水準になっています(2024年10月時点の情報)。
その理由の一つは、物流管理者はデスクワークが多く、体力的な負担が少ないためです。また、地域ごとの給与水準の差も影響している可能性があります。物流管理者の給与は、企業の規模や勤務地によって異なり、大都市に比べて地方の企業では年収が低くなりがちです。
ただし、管理者としての責任やスキルに応じて、役職手当がつくケースもあり、経験や能力次第で年収が増える可能性もあります。
自動車整備士
大手求人サイト「求人ボックス」の調査によると、自動車整備士の仕事の平均年収は約369万円で、長距離ドライバーと比べると81万円ほど低い年収です(2024年10月時点の情報)。その理由として、自動車整備士は資格や経験が重要視される一方で、初期の収入は比較的低いことがあげられます。
ただし、整備士の資格や技術力を高めたり、専門性を深めたりすることで、役職手当や資格手当の支給を得ることも可能です。また、大手ディーラーや特定の車種を専門に扱う整備士は、さらに高い収入を得られる可能性があります。実際、弊社が運営する求人サイト「クロスワーク(X Work)」には以下のような求人が存在します。
【年収が高い自動車整備士の求人例】
職種:商用電気自動車の整備
雇用形態:正社員
月給:300,000 円 〜 500,000 円
月平均労働日数:20日
長距離ドライバー手当と副収入
長距離ドライバーは、基本給に加えてさまざまな手当が支給されるため、年収が高くなる傾向にあります。また、人によっては運転スキルを活かして副収入を得ることも可能です。
そこで、長距離ドライバーの手当の種類や副収入を得る手段をいくつか紹介します。
もらえる手当
長距離ドライバーがもらえる代表的な手当は以下の通りです。
長距離運転手当
長距離ドライバーは一般的なドライバー職と比べて、拘束時間が長かったり夜間の運転が多かったりして、肉体的に大きな負担がかかるため、距離に応じた「長距離運転手当」が支給されることが多いです。
なお、長距離運転が常態化している運送会社では、運転距離や運行日数に応じて手当の支給額が変わることもあります。
夜間運転手当
夜間に働く長距離ドライバーには、労働基準法に基づき割増賃金が適用される「夜間運転手当」が支給されます。通常の時給に加え、午後10時から午前5時までの勤務に対して25%増しの手当が加算されることが法律で定められています。
夜間勤務は日中の交通渋滞を避けやすいため、効率的に業務を進められるメリットがありますが、生活リズムが崩れやすいデメリットもあります。
危険物運搬手当
爆発物や有害物質などの危険物を運搬する運転者には、安全に運搬するための免許や技術が必要です。そのため、危険物を扱う長距離ドライバーには、それらに応じた危険物運搬手当が支給されます。
無事故手当
無事故で業務を遂行したドライバーには、無事故手当が支給されることがあります。無事故手当は月単位で1~3万円程度が一般的で、事故や荷物の損傷がなければ報酬が上乗せされる仕組みです。
しかし、過去に事故を起こしていた場合、その後数か月間手当が支給されないケースもあるため、各会社の規定を確認する必要があります。
その他(休出手当、早出手当、皆勤手当)
他にも、運送会社によって休出手当や早出手当、皆勤手当などが支給されることがあります。これらの手当は、法定外の労働に対して支払われるもので、早出や休日出勤の際には通常より高い賃金が支払われます。
また、皆勤手当は毎月欠勤せずに勤務した場合に支給されることが多く、無事故手当と同程度の金額であることが多いです。
副収入
長距離ドライバーの運転スキルを活かして副収入を得る方法は多く存在します。以下に、副業としておすすめの具体的なサービスを4つ紹介します。
UBER
UBERには、運転スキルを活かして副収入を得る2つの方法があります。
1つ目は「UBER Eats」で、飲食店からお客様に料理を届けるデリバリーサービスです。空いた時間で気軽に始められ、書類を提出してアカウントを作成すれば、すぐに配達を始められます。1回の配達で300円〜500円ほどの報酬が期待でき、効率よく稼げます。
2つ目は「UBERタクシー」です。こちらは、専用アプリを通じてお客様を車で目的地まで送迎するタクシーサービスです。好きな時間に働けるため自由度が高く、ドライバーのペースに合わせて収入を得られます。
参考:UBER
ハコベル
「ハコベル」は、ラクスルが提供する運送サービスで、個人間や法人向けに荷物の配送を行います。
主に「ハコベルカーゴ」や「ハコベルコネクト」などのサービスがあり、時間制や距離制で料金が決まるため、短時間の業務で副収入を得られます。自由な時間に合わせて働ける点がメリットです。
参考:ハコベル
pickgo
「pickgo」は、軽貨物配送に特化したマッチングサービスです。荷主が提示した案件に応募して配送を行うスタイルで、全国で15,000人以上のドライバーが登録しています。
案件の単価は時給2,000円ほどと高めに設定されており、しっかりとした収益が期待できます。事前に運転手の情報を入力し、必要書類を提出して審査に合格すれば、スタート可能です。
参考:pickgo
amazon flex
「Amazon Flex」は、Amazonが提供する配達業務を請け負う個人事業主向けのサービスです。
運転手は、事前に個人事業主として登録し、アプリから配達ブロックを選んで業務を行います。報酬は1時間程度の配達で最大1,886円を稼ぐことができ、Amazonの配達に特化した働き方が可能です。
参考:amazon flex
長距離ドライバーとしてのキャリアパスによる年収増加の可能性
長距離ドライバーがキャリアパスによって年収を増加させる4つの方法を紹介します。
経験を積むと基本給を増やせる
運転経験を積み、業務の習熟度が高まると、基本給が増える可能性があります。経験豊富なドライバーは信頼され、重要な任務や大規模なプロジェクトに参加する機会が増えるためです。
また、時間はかかりますが、勤続年数や経験に応じた昇給を狙うことで、年収増加を期待できます。
資格を取得すると特別手当が獲得できる
運行管理者資格やけん引免許、危険物取扱者資格などを取得すれば、年収増加のチャンスが広がります。
これらの資格があれば、特殊な業務に対応できるだけでなく、資格手当が加算されることが多くなります。
特に、大型車両や特殊車両の運転ができる免許を取得すると、業務の幅が広がるため、年収アップが期待できるでしょう。
管理職やトレーナーに昇進する
長距離ドライバーとしてのキャリアを積んだ後、管理職やトレーナーに昇進すれば、年収増加に繋がります。
運行管理者や配送センターのリーダーとなることで、チームを指導する役割を担い、基本給だけでなく責任手当も支給されることが一般的です。このように、組織の中でより大きな役割を担うことで、年収増加が見込めます。
また、昇進に伴い労働環境が改善される場合もあります。例えば、運転業務から管理業務へシフトすることで、長時間の運転による体力的な負担が軽減されることがあります。これにより、より効率的に業務を進められるようになり、結果的に安定した収入を得る環境が整うことも期待できます。
特殊な配送任務を担当する
危険物や特殊な荷物の配送を担当すれば、特別手当が支給されることがあります。危険物運搬や特殊な大型機器の運搬は、通常の配送よりもリスクや責任が伴うため、報酬が高く設定されることが一般的です。
【事例】長距離ドライバーに転職して年収アップに成功
ここからは、弊社が運営するドライバー特化の転職サイト『ドライバーキャリア』経由で長距離ドライバーに転職した方の年収アップ事例を紹介します。
・前職:中距離配送(一般雑貨類)
・勤務地:滋賀県
・転職の理由:会社都合
・転職前の年収:500万円
・転職後の年収:700万円
中距離配送から長距離ドライバーに転職し、200万円ほど年収アップに成功しています。
冒頭で説明したとおり、短・中距離ドライバーよりも長距離ドライバーの年収は高い傾向にあります。
Point!
長距離輸送の仕事に興味がある方へ
もし、現在中距離配送をしていて長距離輸送の仕事に興味がある方は、私たちドライバー特化の転職サイト『ドライバーキャリア』に相談してみませんか?
先ほどご紹介した中距離から長距離ドライバーに転職成功した方の事例のご紹介はもちろん、「未経験からでも大丈夫?」「40代・50代でも転職できるのか不安」など、転職に関する不安に寄り添い、ご希望条件に合う最適な求人をご紹介します。
履歴書作成や面接対策などのアドバイスをはじめ、企業との条件交渉・面接日程の調整など私たちが代わりに行いますので、忙しい中でも転職活動を進めることが可能です。
ぜひこの機会にご相談くださいね。
長距離ドライバーの平均年収に関してよくある質問
ここからは、長距離ドライバーの平均年収に関してよくある質問を紹介します。
ドライバーキャリアに寄せられた求職者の方からの質問
実際、ドライバーキャリアに寄せられる求職者の方からの質問をキャリアアドバイザーに聞いてみました。
Q.2024年問題の影響で、長距離ドライバーの給料は下がりましたか?
正直、給料は下がる傾向が多く、実際に年収100〜200万円下がっている方もいます。
しかし、入社1年目から高水準な給与を提示する会社は、最初だけ高く、その後昇給が見込めないケースが多かったり、離職率が高かったりするケースが少なくありません。
そのため、最初は少し年収が低かったり下がったりしても、正当な評価をもとに毎年昇給していったり、2年目以降で賞与が満額出たりする会社の方が先々を見据えて働きやすいと言えます。
ぜひ求人をチェックする際の参考にしてみてください。
Q.近距離配送から長距離ドライバーに移ると、どの程度年収を上げられますか?
会社や個人差はありますが、年収で50〜60万円以上はアップする可能性があります。
Q.長距離ドライバーに転職して本当に給料は上がりますか?
近距離配送と長距離配送では、実際に多くの企業で月収で5-10万円程、年収で50-100万円程上がる方が多いです。
Q.入社してすぐに長距離ドライバーとして勤務できますか?
経験によっては、すぐに長距離ドライバーとして勤務できない場合があります。
その理由として、いきなり長距離配送を行うと、体力面や覚えることが多いなどで心身へ負担がかかる可能性があるためです。
安心して長距離ドライバーデビューしていただくために、2~3ヶ月間の研修や試用期間を経て、長距離配送することをおすすめする会社は少なくありません。
Q.全くの未経験からでも長距離ドライバーになれますか?
実際のところ、1年など地場配送経験をしてから長距離になるケースや、横乗りをしばらく繰り返してから長距離ドライバーとして働くケースがほとんどです。
関連記事:50歳が転職でドライバーになれる?必要な免許と技術とは
Q.休憩は好きなタイミングで取れるのか
運行中のPAやサービスエリアに寄れるタイミングで休憩を取っているドライバーさんもいれば、納品時の待機時間が休憩になる場合もあるため、実態としては半々かもしれません。
一般的によくある質問
続いて、長距離ドライバーに関して一般的によくある質問を紹介します。
Q.長距離ドライバーは儲かりますか?
長距離ドライバーは、短距離や中距離ドライバーよりも高い収入を得やすい職種です。
例えば、長距離配送では走行距離に応じた手当が支払われる場合が多く、繁忙期や夜間の配送などでは収入がさらに増えることがあります。
日本の長距離ドライバーの平均年収は平均で約450万円ですので、それを月収に換算すると、約37万円程度です。
この金額には、各種手当やボーナスが含まれる場合もありますが、正確な金額は勤務する会社や地域によって異なるため注意しましょう。
大型ドライバーの給料は?
大型ドライバーは、小型・中型のドライバーより高収入を得られるケースが多いです。
大型車両を扱うドライバーは特別な資格や経験が求められるため、その分給与が高く設定される傾向があるためです。
参考までに、全日本トラック協会の調査によると、大型車両を扱うドライバーの1ヶ月の賃金+賞与の平均は、男性が360,900円、女性が319,800円となっています。
くわしくは大型トラック運転手の給料・時給・年収|463万円は高いのか?のコラムで紹介していますので、是非チェックしてみてください。なお、大型免許に関する内容は、大型免許の取得条件とは?取得方法や費用も でチェックいただけます。
参考:2022 年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態|全日本トラック協会
Q.日本よりもアメリカ・イギリスのトラックドライバーの給料が高いって本当ですか?
日本よりもアメリカとイギリスのトラックドライバーの給料が高いのは事実です。アメリカでは、アメリカトラック協会の報告書によると、ドライバー不足が深刻化しており、2021年には約8万人が不足していました。
この人材不足に対応するため、企業は給料を引き上げており、平均年収は約55,000ドル(約800万円)でした。
イギリスでも同様に、ドライバー不足が深刻な課題となっており、年収800万円を超える求人が複数見受けられます。特に、大手スーパーマーケットでは、ドライバーの確保を目的に高い給与を提示する例が増えているようです。
参考:Driver Shortage Update 2021|アメリカトラック協会
長距離ドライバーの平均年収に関するまとめ
大型車両を運転する長距離トラック運転手の平均年収は約450万円で、短・中距離トラック運転手よりも約40万円高い水準となっています。
トラックドライバーの給料は車両以外に性別・年齢・地域によっても異なります。
それぞれの給料は以下の通りです。
- 性別
- 男性の一般・大型の平均年収は472万円、一般・けん引は536万円
- 女性の一般・大型の平均年収は413万円、一般・けん引は481万円
- 年齢
- 男性の一般・大型は472万円、けん引は536万円
- 女性の一般・大型は413万円、けん引は481万円
- 地域
- 最も高いのは近畿地方で484万円、最も低いのは沖縄地方で333万円
しかしながら、トラック運転手としての経験値を積んだり、働くエリアを変えたりすることで収入アップにつながる可能性があります。
もし、「長距離ドライバーとして働きたい」「高収入を目指せる会社に転職したい」などのお悩みやご希望があれば、ドライバー特化の転職サイトドライバーキャリアに相談してみませんか?
月給50万以上、各種手当充実などご希望条件に合う求人を無料でご紹介します。
また、給与交渉などの条件交渉や履歴書作成のサポート、面接対策のアドバイスといった転職サポートも行います。ぜひお気軽にご相談ください。
ドライバーの仕事をお探しの方へ
ドライバーキャリアは、運送・物流業界に特化した転職支援サービスです。
- 希望条件に合う求人のご紹介
- 履歴書など書類作成のサポート
- 企業との条件交渉/面接日程の調整
無料でご利用いただけますので、ぜひご活用ください。
【この記事の監修】 |
◆安田 京介/Kyosuke Yasuda 大学卒業後、約1年半ほど営業職を経験したのち、2022年2月にX Mileに入社。 現在、ドライバーリクルーティングサービス事業部のキャリアアドバイザーとして、求職者の方との面談や面接サポート、法人との折衝業務を行う。 ◆亀島 理紗子/Risako Kameshima |