「法定点検の費用が社内の予算を超えてしまわないか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
法定点検にもいろいろ種類があり、良くわからないことも多いですよね。
本記事では法定点検の費用相場を解説し、費用を抑えるためのコツも紹介しています。
無駄な予算をださないように、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
この記事のまとめ
・6ヶ月点検の費用は4,000〜8,000円程
・12か月法定点検の費用は1〜2万円程
・24か月法定点検の費用は車検と合わせて7〜10万円程
法定点検の費用相場と所要時間
法定点検の費用相場は、車種や点検項目の範囲によって大きく異なります。
車種別に大まかな目安がわかる内容は、以下のとおりです。
車種 | 費用相場 | 所要時間 |
乗用車 | 約1〜3万円 | 数時間から1日 |
軽自動車 | 約1万円 | 数時間から1日 |
大型車 | 約1〜5万円 | 数時間から1日 |
上記のように一般的な乗用車で、約1〜3万円が相場になります。所要時間は数時間から1日が目安です。
法定点検の費用は、検査の範囲と自動車の種類によっても変わります。
費用を抑えるコツとしては事前に複数の整備工場やディーラーに見積もりを依頼し、料金とサービス内容を比較してみてください。
必要なサービスのみを選択でき、無駄な費用を使わなくて済むでしょう。
関連記事:車両の法定点検とは?車検との違いや義務内容についての疑問を解説!
関連記事:トラック整備の基本的な知識とは?日常点検に使える工具を解説!
法定点検の詳細費用
法定点検の詳細費用について、以下3つのケースです。
・6ヶ月点検の費用 ・12か月法定点検の費用 ・24か月法定点検の費用 |
それぞれ解説します。
6ヶ月点検の費用
6ヶ月点検は、法的な義務はありません。あくまでも「各自動車メーカーのアフターケア」という認識になります。
費用は4,000円〜8,000円程で、以下の箇所を点検します。
点検項目 | 内容 |
1.エンジン | ・エンジンのかかり具合や異音の有無を確認する |
2.エンジンオイル | ・オイル量と劣化状況を確認する |
3.液類 | ・ブレーキフルード、ウィンドウォッシャー液、冷却水の量を確認する |
4.ベルト類 | ・ファンベルトやパワーステアリングベルトの張り具合を確認する |
5.バッテリー | ・バッテリー液量の確認をする |
6.タイヤ | ・溝の深さ、空気圧、亀裂の有無を確認する |
7.ライト | ・ヘッドランプや方向指示器の汚れや損傷を確認する |
8.ワイパー | ・拭き取り状態やウィンドウォッシャーの噴射状態を確認する |
9.室内 | ・シートベルトの損傷やねじれ状態を確認する |
10.ブレーキ | ・ペダルの踏みしろ、パーキングブレーキの引きしろ、効き具合を確認する |
ただし、内容や料金は各自動車ディーラーや店舗によって異なるので、点検前に確認しておきましょう。
12か月法定点検の費用
12か月法定点検の費用は、平均的に1〜2万円程が一般的な費用相場になります。
具体的な費用相場は、以下のとおりです。
車種カテゴリ | 費用目安 |
軽自動車 | 9,000〜13,000円 |
自家用乗用車(1.0〜1.5L) | 10,000〜16,000円 |
自家用乗用車(1.5〜2.0L) | 11,000〜18,000円 |
自家用乗用車(2.0〜2.5L) | 12,000〜20,000円 |
自家用乗用車(2.5L以上) | 13,000〜22,000円 |
参考:日本自動車整備振興会連合会「平成27年度国産自動車点検・整備料金実態調査」
12か月法定点検では6ヶ月点検と比較すると、車両の詳細な検査がおこなわれるため、費用は少し高くなります。
また、点検項目としては以下の内容を含め、26項目おこないます。
点検項目 | 内容 |
操舵装置 | ・パワーステリングのベルトの緩みや損傷の確認 |
制動装置 | ・ブレーキペダルの遊びや効き、駐車ブレーキの引きしろ、ホースやパイプの状態、液漏れの確認 |
走行装置 | ・タイヤ状態、ホイールナットやボルトの緩みの確認 |
動力装置 | ・クラッチペダルの遊び、トランスミッションのオイル漏れや量、連結部の緩みの確認 |
電気装置 | ・点火プラグ、バッテリーターミナルの状態の確認 |
原動機 | ・排気状態、エアクリーナーエレメント、潤滑オイル漏れ、水漏れの確認 |
排気管 | ・取り付けの緩みと損傷の確認 |
本記事で紹介している12か月法定点検の費用は、車種や年式、業者によっても異なるためあくまで相場です。
詳しい内容は、各店舗に確認してみてください。
24か月法定点検の費用
24か月ごとの法定点検は通常、車検と同時におこない、車検費用と合わせて7〜10万円程度が相場です。
24か月法定点検では点検項目が56項目に増え、詳細な検査がおこなわれるため、費用は12か月法定点検より高くなるでしょう。
また、部品の交換が必要な場合は、部品代や交換作業費も合わせて請求されます。
出典:日本自動車整備振興会連合会「平成27年度国産自動車点検・整備料金実態調査」
出典:国土交通省「自動車の点検及び整備に関する手引」
関連記事:法定点検を受けないデメリットは?車検との違いまで説明
関連記事:トラックの日常点検はどんなことが必要?方法や点検項目を徹底解説!
法定点検が受けられる5つの場所
法定点検が受けられる場所は、以下の5つになります。
1.自動車ディーラー 2.民間の整備工場 3.ガソリンスタンド 4.車検専門店 5.カー用品店 |
それぞれ見ていきましょう。
1.自動車ディーラー
安心して法定点検を受けたい方は、自動車ディーラーがおすすめです。
メリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・車種ごとの専門知識を持つ整備士がいる | ・一般的に料金は高くなっている |
・メーカー専用の診断機器が使用できる | ・予約が取りにくい場合がある |
・保証サービスが充実している | ・待ち時間が長くなることがある |
自動車ディーラーには、購入した車種の専門知識を持つ整備士がいます。
メーカー直下のため、最新の技術情報や専用の診断機器を使用しており、車両の状態を正確に診断できます。
これにより車の安全性を確保し、将来的な大きな修理費用の節約にもつながるでしょう。
各車種に適したアドバイスを受けたい方は、自動車ディーラーがおすすめです。
2.民間の整備工場
できる限り予算を抑えて、融通がきく法定点検を受けたい方は、民間の整備工場 がおすすめです。
メリットとデメリットは、以下があげられます。
メリット | デメリット |
・点検費用が比較的安い | ・整備士の質にばらつきがある |
・多くの車種に対応している | ・メーカー専用の設備やツールが取り扱えない場合がある |
・融通がききやすい | ・保証やアフターケアの範囲が限定的になる |
民間の整備工場は、全体的に手頃な料金でサービスを提供しています。
また、地域に根ざしたサービスを提供している所も多く、個別のニーズに合わせた柔軟な対応もしてくれます。
ただし、整備士の技術や経験には差があるため、事前に口コミや評判を調べておくと良いでしょう。
3.ガソリンスタンド
ガソリンスタンドは、法定点検を手軽に受けられる便利な場所です。
メリット、デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・手軽に利用ができる | ・ディーラーや整備工場と比べて対応できる範囲が狭い場合がある |
・燃料補給と同時に点検ができる | ・高度な技術がいる整備には対応できない場合がある |
・地域密着型でアクセスしやすい | ・専門的なアドバイスができない場合がある |
ガソリンスタンドはタイヤ交換やオイル交換などのメンテナンスも、手軽におこなえるため便利です。
とはいえ、ディーラーや整備工場の整備士と比較すると、整備に関する対応範囲が狭くなるので注意が必要です。
ガソリンスタンドで法定点検を受けるかどうかは、費用や技術面などを考慮して判断してみてください。
4.車検専門店
法定点検の費用を抑えて早く終わらせたい方は、車検専門店がおすすめです。
メリット、デメリットは、以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・車検に特化した知識と設備があり詳細な点検ができる | ・車検に特化しているため、他のサービスは限られている |
・費用が安く早急に法定点検が受けられる | ・シーズンによっては混雑しており、予約が取りにくい |
・車種や年式を問わず対応してくれる | ・交換部品の選択肢が少ない場合がある |
車検専門店を選ぶ際には「サービスの範囲・料金・評判」を比較検討しましょう。
また、事前に予約しておくと待ち時間が短縮し、スムーズに点検を受けられます。
5.カー用品店
幅広い部品を扱っているため、部品交換時に早く法定点検を終わらせたい方には、カー用品店はおすすめです。
メリット、デメリットは以下のとおりになります。
メリット | デメリット |
・車検以外のメンテナンスサービスも充実している | ・ 整備士の技術や経験にばらつきがある |
・予約が取りやすく車種や年式を問わず対応できる | ・整備できない部分は再委託先での整備になる |
・立地が良く訪問しやすい | ・余分なサービスがある場合がある |
カー用品店は部品も多く置いており、店舗の在庫の中から純正品と同じ機能になる代替品を使用して費用を抑えられます。
ただし、整備できない部分は再委託先での整備になるため、少し割高になる可能性もあるでしょう。
そのため、複雑な修理が必要な場合は、ディーラーや民間の整備工場などに依頼を検討してみてください。
関連記事:法定点検は義務なの?重要性と車検との違いも徹底解説
関連記事:軽トラの車検費用や期間、安く済ませる方法について解説
法定点検の費用を安くする5つの方法
法定点検の費用を安くする5つの方法は、以下のとおりです。
・車の点検費用が安い業者を選ぶ ・交換部品を自分でも確認する ・中古の交換部品を使用する ・余計なオプションは断る ・日常の車両点検を怠らない |
詳しく解説します。
車の点検費用が安い業者を選ぶ
車の点検費用を安くするには、車の点検費用が安い業者を選ぶことが重要です。
点検費用は業者によって価格が大きく異なります。
一般的にはディーラーに比べて、民間の整備工場やカー用品店などの費用が安い傾向にあります。
ただし、店舗ごとにも費用は異なってくるので注意が必要です。
法定点検の費用を安くする方法は以下のような方法もあるので、合わせて試してみてください。
・複数の業者に見積もりを取る ・早めに予約する ・繁忙期を避ける ・車検と合わせておこなう |
これらの方法を組み合わせることで、さらに費用を抑えられるでしょう。
交換部品を自分でも確認する
法定点検で交換が必要な部品を自分で確認しておくことで、不要な交換を防ぎ費用を抑えられます。
たとえば、ブレーキパッドは使用状況によって、交換時期が2年〜4年程度です。
しかし、まだ使える状態なのに早めの交換を進められる場合があります。
このような状況でも自分に知識がある状態だと、ブレーキパットを確認して不要な交換を防げるでしょう。
法定点検を受ける際は、事前に自分で確認した内容を伝え、必要な作業のみを依頼するようにしてみてください。
中古の交換部品を使用する
法定点検で交換が必要な部品は、中古品を使用すると費用を抑えられます。部品を新品で購入すると、高い費用がかかるでしょう。
しかし、中古品を使用すると新品に比べて、50%〜70%程度の費用を抑えられます。
ただし、中古品は使用状況や品質にばらつきがあるため、信頼できる業者から購入するようにしてみてください。
余計なオプションは断る
法定点検では必要のないオプションを断ることで、費用を抑えられます。
多くの整備工場やディーラーでは、法定点検とともに追加のサービスやオプションを提案される場合もあるでしょう。
しかし、追加サービスは、実際には必要ではない場合も多く、不必要に費用が増加する原因になりかねません。たとえば、以下のようなものがあげられます。
・エンジンオイルの添加剤 ・エアコンフィルターの交換 ・洗車 ・ガラスコーティング |
上記のオプションは、必ずしも必要ではありません。
そのため、法定点検を受ける際には、オプションの必要性をよく確認するようにしてみてください。
日常の車両点検を怠らない
日常の車両点検を怠らないことは、法定点検の費用を抑える上で非常に効果的です。
具体的には、以下の点を確認してみてください。
・タイヤの空気圧 ・タイヤの摩耗具合 ・ブレーキの効き具合 ・エンジンオイルの量や汚れ ・バッテリーの状態 |
上記のような箇所の車両点検を習慣的に確認することで、法定点検の費用を抑えられ車の安全性や快適性を維持できるでしょう。
法定点検しないとどうなるの?
法定点検は道路運送車両法にもとづいた運転者の義務ですが、自家用乗用車に対して罰則は設けられていません。(※事業用車両は除く)
第四十八条 自動車(小型特殊自動車を除く。以下この項、次条第一項及び第五十四条第四項において同じ。)の使用者は、次の各号に掲げる自動車について、それぞれ当該各号に掲げる期間ごとに、点検の時期及び自動車の種別、用途等に応じ国土交通省令で定める技術上の基準により自動車を点検しなければならない。
多くの人は車検と同時に24か月の点検を受けますが、所有後1年でおこなう12か月点検を受けない人もいます。
自家用車であれば法定点検に罰則はないものの、車検ではカバーしきれない部分もあるため、安全性を考慮すると受けておくほうが良いでしょう。
関連記事:法定点検しないとどうなる?法律違反や罰金に繋がらない?
関連記事:軽貨物運送車両の車検の内容や費用、必要な時間を解説
法定点検に関する費用に関するまとめ
法定点検は自家用車の場合、罰則はありませんが事業用車両は法定点検しなければいけません。
本記事で紹介している内容を参考にして、自社に合う方法を試してみてください。
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