トラック運転手と聞くと、長時間の運転や大量の荷物を扱う力仕事が中心で、パワーや体力が必要といった内容を多くの人がイメージします。
運転が好きでトラック運転手への転職を考えているものの、ガリガリ体型や体力不足を理由に「仕事についていけないのでは」と、感じている方もいるのではないでしょうか。
結論、ガリガリ体型の方でもトラック運転手として十分に活躍できます。ただし、体力やパワーが求められる場面の多い配送も中にはあるため、相性の良い配送内容を選ぶことが大切です。
この記事では、ガリガリ体型でも挑戦できる理由や、失敗しない転職のコツを中心に解説します。
ガリガリ体型でもトラック運転手になれる理由5選
トラック運転手の仕事は、荷物の積み降ろしなどの力仕事や長時間の運転が常態化しており、体力が求められる仕事という印象を持つ方が多いのではないでしょうか。
しかし、「ガリガリ体型」と呼ばれる細身であっても、トラック運転手として活躍することは可能です。その主な理由は以下の通りです。
- 体型よりも運転スキルが重視されるから
- 力仕事は補助道具でカバーできるから
- 適切な食事で体力を補えるから
- 長距離運転には体重が影響しないから
- 同じ体型の人も多く活躍しているから
これらの理由について、トラック運転手の仕事内容や、業界内で進む労働環境改善の取り組みを交えながら解説します。
体型よりも運転スキルが重視されるから
トラック運転手の業務では、運転技術が重要視されます。荷物の積み下ろしはフォークリフトやクレーンなどの機械を使用するのが一般的であり、体力に自信がない方でも無理なく作業が可能です。
長距離運転に関しても、運転手の負担を最小限に抑えるため、適切なタイミングで休憩を取ることが徹底されています。そのため、ガリガリ体型で力仕事や体力仕事に自信がない方でも、トラック運転手として活躍することは十分に可能です。
力仕事は補助道具でカバーできるから
トラック運転手の業務の中で最も力を必要とするのが積み降ろし作業です。しかし、近年は補助道具の導入が進み、力に自信がない方でも作業可能な環境が整っています。
パレット系の荷物は、フォークリフトや電動リフトを使用するのが一般的です。またトラックの構造上、フォークリフトの爪が届かない箇所に関しても、ローラーコンベアを設置するなどして、荷物の積み下ろしの負担を軽減できます。
どうしても積み降ろしがきついと感じる場合は、手積み手降ろしのない荷物を担当することも選択肢の1つとしておすすめです。
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適切な食事で体力を補えるから
トラック運転手として日常業務に励みながら、適切な食事を取り続けることで体力がついていくため、力不足を感じづらくなります。
業務に慣れないうちは疲労で食欲が湧かないこともありますが、できるだけ炭水化物などエネルギーに変わりやすい食べ物をこまめに摂取することで対策しましょう。
また、ガリガリ体型を改善したい場合は仕事の前後にプロテインを摂取するなど、栄養管理に気を遣うことで、次第に力と体力がついて体型も変わっていくでしょう。
長距離運転には体重が影響しないから
長距離運転では、体重が業務に影響するようなことはありません。ガリガリ体型の人でもトラック運転手として業務をこなせます。
ただし、長距離運転の場合は長時間の運転が当たり前であり、荷降ろし作業のほか、待機時間なども含めて体力を使う場面が多いのも事実です。そのため、最低限の体力は必要不可欠であることは理解しておきましょう。
体型だけでなく体力面にも自信が無い場合は、近距離配送で荷降ろしの少ない業務から経験を積み、次第に体力をつけていくのがおすすめです。
同じ体型の人も多く活躍しているから
ガリガリ体型の方でもトラック運転手として活躍しているケースは珍しくありません。運送業界ではさまざまな体型の人が働いており、体型が理由で業務に支障をきたすことは稀と言えるでしょう。
労働環境の改善により、近年では女性ドライバーの数が増加しています。女性ドライバーでも十分に務まる仕事であることを考慮すれば、ガリガリ体型で業務についていけなくなる心配はほとんどないでしょう。
どうしても不安な場合は、重量物をほとんど扱わない軽貨物運転手や、手積み手降ろしの少ないルート配送ドライバーなどがおすすめです。
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トラック運転手に必要な体力と健康の目安
トラック運転手として働く上で、ガリガリな体型が業務に影響することはありません。ただし、繁忙期には長時間労働になりやすいため、一定の体力は必要です。具体的な目安は以下の通りです。
- 長時間運転に耐えられる体力
- 重い荷物を扱う最低限の筋力
- 規則正しい生活習慣を維持する力
- 視力や聴力などの基本的な健康状態
- ストレスを管理できる精神力
これらの目安を基に、トラック運転手として必要な体力や健康の目安について、運転手の仕事量を交えながら解説します。
長時間運転に耐えられる体力
長時間運転に耐えられる体力は、トラック運転手として働く上で欠かせません。
特に長距離配送の場合、1日あたりの運転時間が8〜10時間に及ぶこともあり、同じ姿勢での運転が続くため、集中力と持続力も求められます。最長でも4時間おきに休憩があるため、連続して数時間の運転をこなせる体力が最低限必要です。
ただし、ルート配送や近距離配送では、連続運転時間が短い傾向にあります。体力面に不安がある場合は、各職種の仕事内容や1日の流れを調べて、自分に合っているかイメージしてみましょう。
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重い荷物を扱う最低限の筋力
トラック運転手の業務では、重い荷物を扱う場面もあるため、それに見合った筋力が必要です。
手積み手降ろしで扱う荷物は、重いもので1つあたり20〜30kg程度が一般的で、最大で1,000個前後を積み降ろすケースもあります。多くの荷物を搭載できる大型トラック配送では、特に多くなる傾向です。
一方、ルート配送や軽車両による配送の場合、荷物の重さは10kg前後のものが多く、一度の積み下ろしで扱う個数も数十個程度にとどまります。そのため、具体的な筋力の必要量は配送業務によって異なります。
規則正しい生活習慣を維持する力
トラック運転手は、配送の種類によって深夜や早朝の運行が求められるため、規則正しい生活習慣を維持する力も必要です。具体的な自己管理項目には、以下の内容があります。
- バランスの良い食事
- 適度な運動
- 質の高い睡眠
決まった時間に食事をとれるとは限らないため、長時間の運転前には、軽く消化しやすいものを選び、帰宅時にはしっかりとエネルギー補給するなど、内容やタイミングを工夫しましょう。
また、運転中の疲労を軽減するには、軽いストレッチや適度な運動も取り入れるようにします。睡眠が不足している場合は、仮眠時間を作るようにするなどして、健康面に配慮しましょう。
視力や聴力などの基本的な健康状態
トラック運転手にとって、視力や聴力を良好に保つことは安全運転を維持する上で非常に重要です。
視力に関しては、長時間の運転で目が疲れやすいため、定期的に遠くを見るなどして目を休めましょう。サングラスや夜間用レンズで負担の軽減も可能です。聴力については、普段から大音量の音楽を長時間聞き過ぎないように注意しましょう。
ストレスを管理できる精神力
トラック運転手は、長時間の運転や配送先での待機、交通渋滞など、さまざまな要因でストレスが溜まります。適切にストレス管理できなければ、集中力が低下したり体調を崩したりする恐れがあります。
休憩中に軽いストレッチや深呼吸を取り入れることで、心身をリフレッシュできます。また、運転中に好きな音楽を聴くのもおすすめです。
日常的にこれらの対策を取り入れることで、ストレスを上手くコントロールし、健康的に業務を続けられるようになるでしょう。
ガリガリ体型でも挑戦しやすいトラック運転手の仕事とは?
トラック運転手にはさまざまな配送の種類があり、業務内容や一日の流れも大きく異なります。その中でも、ガリガリ体型で体力に自信がない人でも挑戦しやすい仕事として、以下の3つがあります。
- 軽貨物ドライバー
- 長距離トラックドライバー
- 小型トラックドライバー
それぞれの仕事内容や特徴を詳しく解説します。自分に合っていそうなものを考えてみましょう。
軽貨物ドライバー
軽貨物ドライバーは、軽自動車を使った配送業務が中心であり、扱う荷物の重量が比較的軽いため、ガリガリ体型で体力に自信がない人でも挑戦しやすいと言えます。
配達エリアも近隣地域に限定されることが多く、長時間の連続した運転がないのも特徴です。配達件数が多いため、テキパキと動く必要がありますが、その結果、同じ姿勢でいる時間が短くなるため、疲れが溜まりにくくなります。
個人事業主として働くことも可能であり、働く時間帯や仕事量を自分で調整することも可能です。
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長距離トラックドライバー
長距離トラックドライバーは、主に高速道路を利用して遠距離間の荷物を運びます。荷物の積み下ろしは出発地と目的地で行われるため、複数件の配達を行うことはありません。
荷物の積み下ろしもフォークリフトで行われることが多く、力仕事は少ないと言えます。長時間の運転となるため、一定の体力は必要であるものの、こまめに休憩を取ることで対策可能です。
高度な運転技術が必要である分、待遇がよく高収入を目指したい方に最適な仕事です。
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小型トラックドライバー
小型トラックドライバーは、比較的小さなトラックを使い、近隣エリアの配送を行います。手積み手降ろしになるケースもありますが、搭載できるスペースは大型トラックほど広くないため、作業量は少なめです。
近距離の配送がメインであるため、連続した長時間の運転は少なく、休憩を取りやすいことも魅力です。
泊りがけで目的地に向かうような配送はなく、毎日帰宅できるため健康管理もしやすいと言えるでしょう。
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ガリガリ体型の人がトラック運転手に転職して失敗しないコツ
トラック運転手にはさまざまな配送形態があり、仕事内容や特徴が大きく異なります。そのため、ガリガリ体型で体力に不安がある場合は、負担の少ない仕事を選ぶことが大切です。転職の際には、以下のポイントを意識しましょう。
- 力仕事が少ない配送業務を選ぶ
- 体型より運転スキルを重視する企業を探す
- 食事や体調管理がしやすい勤務形態を選ぶ
これらのポイントについて、求人票を確認する際の注意点を交えながら解説します。
力仕事が少ない配送業務を選ぶ
力仕事が少ない配送業務を選ぶためには、求人票や転職サイトの詳細まで確認することが大切です。求人情報には「手積み手降ろしなし」「フォークリフト使用」といった記載のものがあります。
また、運転車両が「小型トラック」「軽貨物車両」となってるものや、配送件数によっても力仕事が少ないかどうか判断できます。情報が少ない場合は、企業のホームページや口コミサイトをリサーチしてみましょう。
未経験者を歓迎しており研修制度が充実している企業を探す
運送業界では人手不足が続いており、人材確保を目的として未経験者を歓迎している企業が増えてきています。未経験者を歓迎しており、研修制度が充実している企業では、研修を受けながら徐々に業務に慣れる環境が整っています。
このような運送会社では、経験や体力よりも仕事に対する意欲が重視される傾向があるため、体力や体型に自信がない人でも安心して働けます。
食事や体調管理がしやすい勤務形態を選ぶ
配送時間や休憩時間が不規則になりにくい配送形態であれば、食事や体調の管理もしやすくなります。ルートが固定されており、毎日決まった配送先に荷物を届けるような仕事がおすすめです。
また、短距離配送の方が負担が少なく、体調管理もしやすいと言えるでしょう。求人では配送内容や勤務時間、休日数などもチェックしてみましょう。
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ガリガリ体型の人がトラック運転手を長く続けるポイント
ガリガリ体型の人がトラック運転手として長く働くには、仕事環境や生活リズムを整える工夫が欠かせません。転職の際には、以下のポイントを意識しましょう。
- 無理なく働ける環境を選ぶ
- 体力を支える食事を心がける
- 休憩を有効に使う
これらのポイントについて詳しく解説します。
無理なく働ける環境を選ぶ
無理なく働ける環境を選ぶには、仕事内容や勤務時間が過度な負担にならない職場を見つける必要があります。「日勤のみ」「固定ルート配送」「手積み手降ろしなし」といった条件記載があれば、体力的な負担が少ないと言えます。
転職直後は、職場に早く馴染もうとして無理をしすぎることもありますが、休憩をこまめに取りながら、疲れた時には周囲に相談するようにしましょう。
参考:トラックドライバーの健康管理マニュアル|公益社団法人 全日本トラック協会
体力を支える食事を心がける
トラック運転手として長く活躍し続けるためには、体力を維持するための食事を心掛けることが大切です。疲れたからと言って甘いものを取りすぎないように注意しましょう。一時的にエネルギーが上がったとしても、疲労感までは取り除けません。
脂っこいものばかりの食事は、消化に時間がかかり体の回復を遅らせます。食事のバランスを工夫して、体力とパワーがつきやすく、疲れを解消しやすい内容を心掛けましょう。
休憩を有効に使う
トラック運転手にとって、休憩時間を有効に使うことは体力の維持や集中力を保つために欠かせません。ただ座って休むだけでなく、ストレッチで体をほぐすことで運転による筋肉の緊張を和らげることができます。以下のようなストレッチを試してみましょう。
- 首回し:首を前後左右にゆっくり回し、肩や首の緊張をほぐす
- 肩回し:肩を前後に回して、運転中に凝りやすい肩周りをリラックスさせる
- 背伸び:両手を頭上で組み、体をゆっくり伸ばして腰や背中の疲れを取る
眠気対策したい場合は、15〜20分程度の仮眠を取り入れましょう。長く眠りすぎると眠気が残りやすく危険です。ちなみに仕事後の睡眠は、7〜9時間が理想とされています。
ガリガリ体型でのトラック運転手に関するよくある質問
ガリガリ体型でもトラック運転手として活躍できることについて解説してきましたが、運送業会に転職する上でまだまだ気になることがある方もいるでしょう。
運送業界の現状や仕事に対する適性など、関連知識を身につけておくことで、転職で失敗するリスクを抑えられます。
ここでは、トラック運転手に関する3つのよくある質問に答えていきます。
トラック運転手を辞める理由は何が多い?
トラック運転手を辞める理由として、特に多いのが以下のような内容です。
- 長時間労働や拘束時間の長さ
- 仕事量と収入が見合っていない
- 体力的な限界
トラック運送業界は、昔から長時間の拘束や長時間労働が問題となっています。仕事量が多いのはもちろん、突発的な事故渋滞や天候不良などの影響を受けやすいためです。
また、荷物の積み込み先や配達先での待機時間もその原因の1つです。仕事量と収入が見合っていないといった声も少なくありません。
また、年齢を重ねるごとに配送業務が体力的に厳しくなり、途中で別の職種に転職する方もいます。
2024年問題でドライバー不足なのはなぜ?
2024年問題とは、働き方改革関連法に基づき、2024年4月からトラック運転手に時間外労働の上限規制が適用されることによる業界への影響を指します。
運転手の負担を軽減する目的がありますが、規制に対応できる業者は少なく、賃金を減らされるなどして最終的にドライバー不足がさらに深刻化する懸念があります。
特に長距離配送や繁忙期の対応が課題であり、業界全体で効率化や働き方の見直しが求められています。
トラック運転手はどんな人が向いてる?
トラック運転手に向いているのは、運転が好きで長時間の運転に集中できる人です。また、荷物の積み下ろしや配送先での対応など、責任感を持って仕事を進められる人も適しています。
この他では、1人で仕事を黙々とこなすのが好きなような人に向いていると言えるでしょう。
関連記事:トラックドライバーに向いている人の特徴は?働く魅力と仕事内容
ガリガリ体型に合う仕事内容を選んでトラック運転手を無理なく続けよう
トラック運転手は、長時間の運転や荷物の積み降ろしなど、力仕事や体力が求められる業務もありますが、ガリガリ体型の人でも十分に活躍できます。
近年では労働環境の改善が積極的に進められており、荷物の積み下ろしはフォークリフトによる作業が一般的で、長時間の運転ではこまめな休憩が取れるようになっているためです。
ただし、トラック運転手の仕事は配送形態によって作業内容が異なるため、力仕事が少ないものを選ぶことが大切です。労働条件や業務の特徴をチェックしながら、自分に合った求人を探してみましょう。
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