タクシー運転手の隔日勤務が「きつい」と言われる7つの理由について解説します。また、具体的な改善策についても説明します。
メリットや実際の収入、経験者の体験談も取り上げながら、働きやすさを向上させる方法を紹介します。
生活や家庭とうまく両立させて、長く働き続けるためのヒントを見つけましょう。
この記事のまとめ
- 隔日勤務とは1日おきに勤務する働き方
- 隔日勤務は1日の平均労働時間が15~20時間と睡眠不足になりやすい
- タクシー運転手の隔日勤務はきつい部分も多いが稼ぎやすい
タクシー運転手の隔日勤務がきついと言われる7つの理由
はじめに、タクシー運転手の隔日勤務の何がきついのか、代表的な7つの理由を紹介します。
1日の平均労働時間が15~20時間と睡眠不足になりやすい
タクシー運転手の隔日勤務は、1日あたりの労働時間が15〜20時間と長時間に及ぶ場合が多く、睡眠不足になりやすいため、きついと感じる方も一定数いるでしょう。以下は、隔日勤務の勤務体系の例です。
上記のように、隔日勤務は出勤から明けまでの場合、20時間以上働くケースも珍しくありません。そのため、隔日勤務に慣れていないと睡眠不足になる方も一定数います。
次のような症状がでている場合は、睡眠不足のサインと言われているため、気をつけましょう。
- 床についてもなかなか(30分~1時間以上)眠りにつけない
- 夜間、睡眠途中に何度も目が覚める
- 希望する起床時間より早く目覚め、その後眠れない
- 眠りが浅く、睡眠時間のわりに熟睡した感じが得られない
- 日中、気分よく過ごせない
- 日中、いつものように活動できない
- 日中、眠くて仕方ないことがある
隔日勤務は休日数が多く取れたり、稼ぎやすかったりするメリットはありますが、睡眠不足につながる可能性があるため注意が必要です。
関連記事:タクシードライバーの勤務時間は長い?勤務形態に関する4つの時間区分
引用:Let's セルフチェック「睡眠不足チェック」|ソニー健康保険組合
不規則なシフトで体内時計を調整しにくい
タクシードライバーの隔日勤務は深夜帯に起きていることや、16時間に及ぶ長期勤務であることが重なるため、不規則な生活リズムによって体内時計の調整が難しく、きついと感じる方も多くいます。
体内時計が崩れると、以下のような症状が現れるケースがあります。
- 眠気
- 頭痛
- 倦怠感
- 食欲不振など
上記のように不規則な生活は体内時計のバランスを崩し、集中力の低下や疲労感の増加を招くことが科学的に証明されています。隔日勤務する場合は、通常勤務以上に健康に気をつけましょう。
家庭を持つ方は出勤日と家庭生活の調整が難しい
タクシー運転手の隔日勤務は「早朝・昼・深夜」を交互に行うため、家族が寝ている時間帯に働く場合も多くなり、一緒に過ごす時間が減ります。
そのため、家庭を持つ方にとって、家族と過ごす時間を確保することが難しくなる場合があります。
また、深夜勤務が続くことで日中に眠気を感じやすくなるため、家族と買い物に出かけたり、休日らしい活動を楽しめなかったりする場合もあります。
このようにタクシー運転手の隔日勤務は、家庭を持つ方にとって仕事と家庭生活を両立することが難しい側面があります。
長時間の運転で身体的な疲労が蓄積する
タクシードライバーの隔日勤務では、1回の勤務で長時間にわたって運転し続けることが珍しくありません。
連続した運転は常に集中力を保つ必要があり、精神的な緊張も伴います。加えて、休憩時間はあるものの、まとまった休息を取りづらく、身体にかかる疲労が蓄積しやすいです。
また、生活サイクルが不規則になることで、睡眠不足や疲労の蓄積がさらに進行しやすくなります。
休日が少なく、疲労回復が不十分になりがち
隔日勤務では、勤務と休日のサイクルが短いため、体力の回復が不十分な状態で再び長時間労働に戻らざるを得ないことがあります。
特に、疲労が蓄積した状態では、休息だけでは完全に回復しきれないこともあり、次の勤務に支障が出やすくなります。
こうした休養不足の積み重ねは、タクシードライバーにとっての大きな負担の一つです。
一人での勤務が多く精神的な孤独感を感じやすい
隔日勤務では一人での勤務が基本となるため、長時間にわたる孤独感が精神的な負担になりやすいです。
運転中は他の人と接する機会が少なく、会話がほとんどないため、精神的な孤立感が強まることもあります。
また、長時間労働により家族との時間も限られてしまい、家庭や社会とのつながりが薄れやすい問題もあります。
収入の変動があり経済的な不安がある
タクシードライバーは、運賃による歩合制が一般的なため、月々の収入が安定しにくいです。
収入がお客様の数や距離に左右されやすく、また天候や景気の影響も受けるため、経済的な不安を抱えることも少なくありません。
関連記事:
・隔日勤務とは?タクシー運転手の勤務体系や休憩・休日、メリットデメリット
・【徹底解説】タクシー運転手がきついと言われる理由と魅力について
タクシー運転手の隔日勤務が身体に与える負担とその影響
タクシー運転手の隔日勤務は、長時間の労働や不規則な生活リズムが続くことにより身体に大きな負担をもたらします。代表的な5つの身体的負担とその影響を解説するので参考にしてください。
睡眠不足により体力の消耗が激化してしまう
隔日勤務では、勤務中に短い休憩や仮眠が取れるものの、まとまった睡眠が不足しがちです。そのため睡眠不足が日常化しやすく、体力の消耗が激化します。
また、不規則な生活サイクルにより、休みの日にも十分に眠れない場合が多く、疲れが取りきれず翌日の勤務に支障をきたすこともあります。
長時間運転で腰や肩に痛みが蓄積する
タクシー運転手は1回の勤務で長時間にわたり運転を続けるため、同じ姿勢での運転が続くことで、腰や肩に痛みが蓄積しやすくなります。
適宜休憩を挟む必要がありますが、それでも尚、慢性的な腰痛や肩こりに悩まされる運転手が少なくありません。
疲労が蓄積し慢性的な疲れを感じるようになる
隔日勤務の生活サイクルでは、短期間での連続勤務が続くため、体力回復が追いつかず、疲労が蓄積します。
長時間労働と睡眠不足が重なることで、慢性的な疲労感に悩まされ、休養を取っても完全に回復しきれない状態が続きがちです。
一日10時間程度の勤務が体力の限界だと感じる方も多く、長時間の隔日勤務には大きな体力的負担が伴います。
自律神経が乱れ体調不良が増加する
隔日勤務の不規則な生活リズムによって、自律神経が乱れやすくなり、体調不良になりがちです。
昼夜が逆転することで体内時計が狂い、食欲不振や頭痛、胃腸の不調など、さまざまな症状が現れることがあります。
規則正しい生活リズムを維持することが難しいため、長期的な健康リスクを高める可能性があります。
食生活が乱れ健康リスクが高まっていく
隔日勤務により、食事の時間が不規則になるため、食生活が乱れやすくなります。運転の合間に食事を取ることが多く、栄養バランスの取れた食事を心がけるのが難しい状況です。
このような食生活の乱れが、生活習慣病や消化器系の不調などの健康リスクを引き起こす原因となり、長期的な健康に影響を与えます。
タクシー運転手の隔日勤務による精神的な負担とその対策
タクシー運転手の隔日勤務は、身体的負担だけでなく精神的な負担もあります。代表的な5つの精神的負担とその対策を解説するので参考にしてください。
乗客とのトラブルでストレスが増大する
タクシー運転手はさまざまな乗客と接する中で、時には理不尽な要求やトラブルに見舞われることがあります。
特に酔客や急いでいる乗客からの無理な要求は精神的な負担となりやすく、車内という閉鎖的な空間での対応は強いストレスにつながります。
このようなストレスへの対策を自力でおこなうことは少々難しいです。そのため、会社がトラブル時のサポート体制を整えているかどうかを就業前にチェックしましょう。
孤独な時間が多く精神的に辛くなる
タクシー運転手は長時間一人で運転することが多く、孤独を感じやすい職業です。特に夜間勤務では他者と接する機会が少なく、精神的な孤独感が蓄積しやすくなります。
対策として、定期的に同僚や会社のサポートチームと連絡を取ることが重要です。また、ドライバー同士の交流会やミーティングに参加することでも、孤立感を軽減できます。
長時間労働による疲労がメンタルに影響する
長時間労働によって疲労が蓄積し、集中力の低下や精神的な負担を感じやすくなります。これが慢性的に続くと、メンタルヘルスに悪影響を及ぼす懸念があります。
対策として、効率的に休憩を取り、リフレッシュを心がけることが大切です。2時間ごとに短い休憩を挟むなど、自己管理が求められます。
自分のペースで休憩を取れないため不満が積っていく
タクシー運転手はお客様の状況に合わせて勤務する必要があるため、自分のペースで休憩を取れないことが不満につながります。
対策として、スケジュールに柔軟性を持たせる工夫や、仮眠時間を確保することが有効です。上司と相談し、適切なタイミングで休憩を取り入れましょう。
業務中に感じるプレッシャーが増加する
タクシー運転手は交通事故や違反のリスクを常に意識する必要があるため、それがプレッシャーとなることが多いです。
また、乗客の期待に応えようとするあまり、安全面での不安も重なり、精神的な負担が増します。
対策として、安全運転の研修に参加し、リスク回避のスキルを向上させることが大切です。また、最新の安全装備を備えた車両の使用や、緊張を和らげるリラクゼーション技術の活用も効果的です。
タクシー運転手が知っておくべき改善基準告示のポイント
タクシー運転手の安全と健康を守るため、厚生労働省は労働環境の改善を目的とした「改善基準告示」を設けています。2024年には改正も行われ、労働条件のさらなる向上が図られているところです。
改善基準告示には、タクシー運転手として働くなら知っておくべき情報がいくつかあるので紹介します。
改善基準告示とは労働環境改善を目的とする指針
改善基準告示とは、タクシー運転手を含む自動車運転者の労働条件を改善し、安全かつ健康に働けるようにするための指針です。
長時間労働や過重労働が発生しやすい運転業務において、拘束時間の上限や休息時間、時間外労働の制限などが定められています。
特にタクシー運転手は昼夜を問わない勤務が多く、身体的・精神的負担が大きいため、この基準によって健康リスクを軽減し、安全を守ることが目的とされています。
改善基準告示が改正された理由
2024年の改正により改善基準告示が見直された理由は、自動車運転者の労働環境をさらに改善する必要があったためです。
特に、過重労働によって疲労が蓄積し、交通事故や健康被害が生じるリスクが指摘されていました。また、2019年の働き方改革以降、労働環境の改善が社会的に重要視されるようになったことも影響しています。
運転手の健康を守ると同時に、道路の安全性を向上させることが、今回の改正の主な目的です。
改正による主な変更点
2024年4月の改正により、改善基準告示には主に以下のような変更点が加えられました。
日勤勤務者の拘束時間・休息期間
日勤勤務者の1ヶ月の拘束時間が299時間から288時間に短縮され、1日の拘束時間も16時間から15時間に制限されました。
また、休息期間も従来の8時間から11時間に延長されるなど、より働きやすい環境を目指した変更が加えられています。
隔日勤務者の拘束時間・休息期間
隔日勤務者の場合、2暦日の拘束時間の上限が21時間から22時間に緩和される一方で、2回の勤務を平均して1回あたり21時間を超えないようにする必要があります。
また、休息期間も20時間から24時間に延長され、長時間勤務後の休養を確保しやすくなりました。
車庫待ち等の自動車運転者に対する措置
車庫待ちで待機する時間が長い勤務形態においても、月の拘束時間が300時に短縮され、拘束時間の過多を防止するための措置が追加されました。
予測し得ない事象の取り扱い
交通事故や渋滞など予測できない事態が発生した場合、その対応に要した時間を拘束時間から除外できる新たな規定が追加されました。
この措置により、予測外のトラブルに対応した際も、休息期間が確保されやすくなります。
タクシー運転手の隔日勤務における5つのメリットと注意点
タクシー運転手の隔日勤務には、休日が多く予定が立てやすい点や、効率よく稼げるチャンスが増えるなどのメリットがあります。
そこで、こうした隔日勤務のメリットと併せて注意すべきポイントを解説します。
休日が多く予定が立てやすい
タクシー運転手の隔日勤務はきついと言われていますが、休日が多く取得できるメリットもあります。
タクシードライバーの隔日勤務のシフト例は、以下のとおりです。
シフトに記載されている「明け」は、早朝に勤務を終えた日がそのまま休みになります。
つまり、丸一日休みとなるため、公休を含めると隔日勤務のタクシードライバーは、月の約半分近くが休日です。
そのため、時間の使い方次第では用事や趣味の時間が多くとれます。ただし、深夜にずっと起きているので、明けの日は夕方近くまで寝てしまうケースもあるでしょう。
稼げる時間が長くなる
隔日勤務のタクシードライバーは1回の勤務時間が長く設定されているため、昼の勤務より多くの収入を得るチャンスが増えます。
たとえば1日13時間の勤務で1日6万円(3.6万円)を売り上げ、月に50万円以上稼ぐのも可能です。
とくに需要の高い時間帯や地理的条件も考慮しながら稼働できると収入がさらに増えるでしょう。
ただし、長時間労働によるストレスや疲労も考慮する必要があります。
昼間と夜間の営業方法を学べる
タクシードライバーの隔日勤務では、昼間と夜間の営業方法を両方学ぶことができ、幅広い営業ノウハウを身につけられます。
昼間と夜間の営業方法の違いは、以下の表のとおりです。
営業方法 |
昼間 |
夜間 |
ターゲット |
・ビジネスマン ・買い物客 ・高齢者や障害者 など |
・飲食店の利用客 ・終電を逃した客 など |
主要エリア |
・オフィス街 ・商業施設周辺 ・病院 など |
・繁華街 ・飲食店周辺 ・駅周辺 など |
ピーク時間 |
・朝の通勤時間帯 (7:00〜9:00) ・昼休み時間帯 (12:00〜14:00) |
・就業時間終了後 (20:00〜) ・終電後 (24:00〜) |
営業スタイル |
・短距離の移動が多い |
・長距離の移動が多い |
上記の表の通り、昼間は主に通勤や買い物客が中心で、夜間は飲み会帰りの乗客が多くなります。
このように、昼夜で異なるお客様のニーズに対応する方法を学べるのが隔日勤務の大きな特徴です。
勤務時間も長いが休憩時間も長い
タクシー運転手の隔日勤務は、長時間働く一方で長い休憩時間も確保できるため、一般的なネガティブなイメージより働きやすい環境です。
たしかに隔日勤務の勤務時間は、16時間以上の長時間労働になるケースもあります。
しかし、隔日勤務では出庫から帰庫までの間に原則3時間の休憩時間を取るよう、以下のように決められています。
休憩時間とは、昼食や夜食をとる時間や仮眠時間など、拘束時間中に自己判断で身体を休める時間のことをいいます。安全な運行のために一定時間おきにきちんと休憩時間をとるよう、心がけましょう。なお、出庫から帰庫までの間の休憩時間は原則として3時間以内と定められています。
また、休憩時間は一度に3時間とる必要もなく、こまめに休憩できるので疲れも思ったより分散させやすいはずです。
隔日勤務で長時間起きておくのは大変ですが、何十時間も連続で働くわけではないので特別な心配は要りません。
出典元:タクシー・ハイヤー運転者の労働時間等の改善のための基準|厚生労働省
自身の裁量で勤務スケジュールを柔軟に調整できる
タクシー運転手の隔日勤務は、他の業界と比べて自分の裁量でスケジュール調整がしやすいのが大きなメリットです。
勤務後にまとまった休みを確保できるため、プライベートを充実させやすく、慣れれば効率的に働けます。
また、貨物運送業と比べて月の労働時間が抑えられるため、時給換算でコストパフォーマンスも良好です。
一方で、隔日勤務のサイクルが体質に合わないと体調管理が難しくなる人もいるため、生活リズムを整える工夫が必要です。
尚、午後出勤を選べば朝が苦手な方でも続けやすく、隔日勤務は夜勤に次いで収入面でもメリットが大きいです。
関連記事:
・タクシー運転手のメリットは?稼げる給料体系と働きやすさの秘密
タクシー運転手の隔日勤務がきつい中で生活との両立は可能か?
タクシー運転手の隔日勤務は、長時間労働や不規則な勤務サイクルが特徴で、生活との両立が課題となりがちです。
そこで、仕事と生活とをどのように両立させるかについて解説します。
家族との時間確保の難しさ
隔日勤務では勤務日が長時間にわたるため、家族と過ごす時間が減りやすくなります。
特に夜間に勤務する場合は、家族が寝ている間に出勤し、帰宅も遅くなるため、会話の時間も限られます。そのため、休日には家族との時間を優先的に確保し、予定を合わせることが重要です。
家族の協力と同意が必要
タクシー運転手は、隔日勤務に取り組むにあたって家族からの理解と同意を得ることが大切です。
隔日勤務は通常の生活サイクルとは異なるため、家族との生活リズムや休日の過ごし方について相談する必要があります。
特に、小さな子どもがいる場合や家族の行事がある場合は、勤務日を調整するなどの対応が必要です。
稼ぎと家庭生活のバランス
多くのタクシー運転手が隔日勤務を選ぶ理由には、収入面でのメリットもあります。特に、夫が稼ぎ重視でタクシー業を選ぶ際、隔日勤務を選ぶことが多いです。
一方で、家族から「夕飯の時間を共にしたい」などの理由で日勤を希望されるケースもあります。
こうした家庭生活とのバランスを保つため、勤務時間については会社と相談し、家族の希望にできるだけ寄り添ったスケジュールを確保することが大切です。
タクシー運転手の隔日勤務に関する体験談|経験者のリアルな声
タクシー運転手の隔日勤務について、実際の経験者の声を通してメリットや傾向を紹介します。隔日勤務の運転手として働くイメージをするのに参考にしてください。
体験談1
隔日勤務を選択してから、収入が安定し、生活も大きく変わりました。以前は日勤で月収が30万円前後でしたが、隔日勤務に変えたところ、45万円前後に増えたこともありました。
ある程度まとまった時間を仕事に充てることで効率が上がり、その分休みもしっかり取れるので、慣れてくるとプライベートの時間も充実させられます。
長時間の勤務は大変ですが、家族の理解と協力があれば、この仕事は安定した生活と収入を両立できる方法の一つだと思います。
体験談2
隔日勤務は家族との生活リズムが大きく変わるので、入社前には家族とかなり話し合いをしました。
妻は夕方には家族が揃うことを望んでいましたが、貯蓄を増やしたい事情もあり、収入重視で働くために隔日勤務を選びました。
勤務後の休息をしっかり確保することで、勤務明けの日には家族と時間を合わせやすくなり、休日も有効に使えていると思います。勤務中は一人の時間が多いですが、そのおかげで、家族と過ごす時間が本当に貴重で、充実しています。
体験談3
隔日勤務に慣れるまでには数ヶ月かかりましたが、その後は収入面でも安定し、日勤勤務の頃には感じられなかったやりがいも生まれました。
生活サイクルが不規則になると睡眠リズムが崩れがちで、最初は体力的にもきつかったですが、今では適度な休憩や仮眠を取るコツを掴み、仕事に集中できるようになっています。
自分の働き方やペースを把握することで、長時間勤務のストレスもコントロールできるようになり、プライベートとの両立もちゃんとできています。
タクシー運転手の隔日勤務は1日あたり5万円が平均売上(月約60万円)
タクシー運転手の隔日勤務は、1日あたり平均5万円(月約60万円)の売上が相場です。
法人タクシーの運転手であれば5万円から約60%が手取りになるので、おおよそ40万円が相場になるでしょう。
しかし、1日あたり5万円は東京や大阪などの都心部が中心なので、地方の場合は少し金額が落ちる傾向があります。
そのため、隔日勤務するタクシー運転手が収入を最大化するには、勤務計画をしっかりと立てる必要があります。
出典元:【タクシー運転手】1日の売上はどれくらい?目安を紹介|日興自動車マガジン
タクシー運転手のきつい隔日勤務に向いている人と向いていない人の特徴
タクシー運転手の隔日勤務には特有の働き方が求められるため、それに適応できるかどうかは個々の適性に左右されます。
そこで、隔日勤務に向いている人と向いていない人の特徴について解説します。
向いている人
タクシー運転手に向いている人の特徴は以下の5つです。
長時間勤務に耐えられる体力がある人
隔日勤務では、長時間の運転や待機時間を含む長めの勤務が求められます。そのため、夜型の方や以前に夜勤のある仕事に就いていた方は、体力面で有利と言えるでしょう。
例えば、元看護師のように夜勤の経験がある方は、隔日勤務にも順応しやすいです。
自分のペースで休憩を取れる働き方を好む人
隔日勤務では、タクシードライバーがある程度自分で休憩のタイミングを調整できます。勤務時間が長くなるため、疲労や眠気を感じた際に適宜休憩を挟むことが可能です。
不規則な生活リズムに柔軟に対応できる人
隔日勤務では、勤務日によって生活リズムが異なります。
以前から夜勤などの不規則な勤務サイクルに耐性がある方であれば、リズムの変化に適応しやすく、スムーズに隔日勤務に馴染めるでしょう。
一人での作業が苦にならない人
タクシードライバーは基本的に1人で働くため、孤独が気にならない方や、1人での作業を好む方には向いています。
収入が変動してもストレスを感じにくい人
タクシードライバーの収入は月によって変動することが多く、安定した収入が必要な人には向きません。
特に隔日勤務の場合は、効率よく稼ぐ方法を自分で見つける必要があるため、収入の変動にストレスを感じにくい人が向いています。
向いていない人
タクシー運転手に向いていない人の特徴は以下の5つです。
規則的な生活リズムを維持したい人
隔日勤務は不規則な生活を伴うため、規則正しい生活を重視する方には向きません。
夜型が苦手で、特に家族の生活リズムに合わせたい場合は、勤務形態が大きな負担になることもあります。
家族や友人との時間を大切にしたい人
長時間勤務に加え、昼夜逆転する勤務時間は、家族との時間が合わなくなる原因になります。
特に、家庭内で家事の担当がある方や、小さなお子様がいる家庭では負担が大きくなりがちです。
長時間の運転や座り仕事が苦手な人
長時間の運転を伴うため、座り仕事に苦痛を感じる方には厳しい環境です。
夜勤が難しい方や、一定の体力を必要とする長時間労働が苦手な方は、タクシー運転手の隔日勤務には向かないでしょう。
精神的に孤独を感じやすい人
一人での業務がほとんどのため、他人との会話が少なく、孤独を感じやすい人には向きません。
周囲と頻繁にコミュニケーションを取りたい方には、隔日勤務の環境は厳しいでしょう。
安定した固定収入を求める人
隔日勤務では収入に変動があるため、安定した月収を求める方には向きません。
関連記事:タクシー運転手に向いている人の特徴|求められるスキル、現役運転手の声も
タクシー運転手の隔日勤務のきつさを軽減するための改善策
近年、隔日勤務の厳しさが問題視されており、睡眠や健康管理、ストレスケアなどを工夫しながら職務に臨むための改善策が求められています。東洋交通労働組合を中心におこなわれている女性ドライバーのサポート体制強化もその1つです。
そこで、タクシー運転手がより快適に働くための具体的な対策をご紹介します。
睡眠の質を高める習慣を取り入れる
隔日勤務の大きな課題の一つは、不規則な生活リズムが引き起こす睡眠不足です。
タクシー運転手は、勤務日と休息日のサイクルが通常の夜勤とは異なるため、質の高い睡眠を確保する工夫が求められます。
例えば、寝る前にリラックスできるルーティンを作る、遮光カーテンを利用して睡眠環境を整えるなどが有効です。また、体内時計を整えるために、決まった時間に寝起きすることを心がけましょう。
ストレスを解消しメンタルを維持する
タクシー運転手の仕事は、孤独な作業と接客の両立が求められます。特に一人での時間が多いことから、精神的なストレスが溜まりやすく、メンタルのケアが重要です。
例えば、勤務中に好きな音楽やラジオを聴くなどしてリラックスするのも効果的です。
栄養バランスを考えた食生活を心がける
不規則な勤務では、日々の食事を外食や簡単な食事で済ませがちですが、栄養バランスが崩れると体調を崩す原因になります。持ち帰りの弁当やサプリメントなどで栄養バランスを補う工夫をしましょう。
休憩中に簡単な柔軟体操してリフレッシュする
長時間の座りっぱなしは、腰痛や肩こりの原因にもなります。休憩中に簡単なストレッチや柔軟体操を取り入れることで、筋肉の緊張を和らげられるでしょう。
効果的に時間を管理して効率よく休息を取る
隔日勤務の効率的な休息管理は、体力の維持に欠かせません。例えば、2時間ごとに小休憩を取り、体と心のリフレッシュを図ることをおすすめします。
また、運転中の負荷を軽減するために、交通量が少なく運転しやすいルートを選ぶなど、工夫を凝らしてストレスを減らしましょう。
出典元:「タクシー乗務員」と「出産・育児」を両立するために|東洋交通労働組合
タクシー運転手の隔日勤務がきついに関係するよくある質問
ここからは、タクシーの隔日勤務に関するよくある質問に回答します。
タクシー運転手がすぐに辞める理由は何がありますか?
タクシー運転手がすぐにやめる理由には、次のようなものがあります。
- 給与が不安定
- 長時間労働がきつい
- 乗客の対応がストレス
- 生活リズムが乱れる
- 違反や事故を起こさないか不安など
タクシー運転手は、上記のような理由からすぐにやめる人が一定数いるようです。
関連記事:タクシー運転手になってすぐ辞めた人に多い5つの理由
隔日勤務がきついこと以外に辞める原因は?
タクシー運転手の仕事には多くの魅力がありますが、次のような原因から辞める人も一定数います。
- 給与が安い
- 家庭との両立が難しい
- 仕事自体が楽しくない
- 将来が不安など
近年では、タクシー運転手にとっての競合であるライドシェアサービスの進出もあり、タクシー業界の将来に不安を抱く方もいるようです。
関連記事:タクシーの隔日勤務がきついと言われる理由とは?
2024年問題はタクシー運転手の隔日勤務にどのような影響を与えますか?
ドライバーに対して「時間外労働の上限規制」が適用されるため、会社の売上や利益の減少にもつながります。
そのため、結果的にタクシー運転手の給与にも影響がでるのではないかと、多くのニュースや新聞記事でも取り上げられていました。
しかし、タクシー運転手の隔日勤務においては1か月の原則262時間※1)、年6回まで最大270時間※2)まで延長ができ、変更はありません。
ただし、今後状況が変化する可能性もあるので、情報収集は常にしておきましょう。
関連記事:タクシーの隔日勤務における労働時間は?2024年問題も解説
出典元:※1)ハイヤー・タクシー運転者の改善基準告示|厚生労働省
出典元:※2)労働基準法 第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇(第三十二条-第四十一条の二)|安全衛生情報センター
隔日勤務での労働時間は法律的にも問題ないですか?
労働基準法では1日の労働時間が8時間※1)、1週間の労働時間が40時間※1)と定められています。
しかし、タクシー業界では労働基準法32条の2「変形労働時間制」※2)という特例があり、この制度を利用すれば1日の労働時間が8時間を超えても問題ありません。
たとえば、以下のように1か月単位で労働時間を計算すれば、週平均40時間以内に収まるように勤務が可能です。
月間 |
1乗務 |
シフト |
月の労働時間 |
週の労働時間 |
30日 |
14時間 |
12乗務 |
168時間 |
39.2時間 |
【計算式】
168時間×7日/30日=39.2時間<40時間
このように労働基準法32条の2の「1か月単位の変形労働時間制」※2)32条の4の「1年単位の変形労働時間制」※3)などを採用すれば、1日8時間や1週40時間を超える所定労働時間の勤務ができます。
出典元:※1)労働基準法 第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇(第三十二条-第四十一条の二)|安全衛生情報センター
出典元:※2)労働基準法第32条の4(1年単位の変形労働時間制)について|厚生労働省
参考元:タクシー会社の隔日勤務で、所定労働時間が14時間とか16時間という勤務がありますが、労働基準法に違反しないんですか?|タクシー会社の労務管理について考えてみよう
隔日勤務の収入は安定していますか?
隔日勤務のタクシー運転手は、基本的に歩合制で収入が決まります。そのため、お客様の数や運行距離、タイミングによって収入が変動することが一般的です。
ただし、会社によっては賃金の最低保証制度がある場合もあり、ある程度の安定が得られるケースもあります。
収入を安定させるためには効率的に仕事をこなし、繁忙期や利用が多い時間帯を狙うことが重要です。
隔日勤務中の休憩時間はどのように確保されていますか?
隔日勤務中は、運転手が自分の判断で適切なタイミングで休憩や仮眠を取れます。運転中に眠気を感じたら、近くの安全な場所で仮眠を取ることも可能です。
また、法律により休憩時間の確保が義務付けられているため、無理なくリフレッシュできる環境が整えられています。
参考元:タクシー運転者の労働時間等の改善基準のポイント|厚生労働省労働基準局
隔日勤務に適応するための効果的な体調管理方法は何ですか?
隔日勤務に適応するためには、規則正しい生活リズムを心がけることが重要です。勤務終了後に十分な睡眠を確保し、リラックスできる習慣を持つと良いでしょう。
また、栄養バランスの取れた食事や適度な運動も、体調維持に役立ちます。休息日にはリラックスする時間を設け、体をしっかりと回復させることも大切です。
長時間の運転で眠気が出ることが心配ですが対策はありますか?
隔日勤務では、運転手が自分のタイミングで休憩や仮眠を取ることが可能です。眠気を感じたら、サービスエリアや休憩スペースで短時間の仮眠を取るなど、リフレッシュを行いましょう。
また、車内で好きな音楽やラジオを聴いてリラックスし、気分を変えるのも良い対策です。こまめな休憩を心がけることで、眠気対策をしつつ安全に運行ができます。
隔日勤務では必ず20時間近く働かなければならないのか?
隔日勤務では基本的に長時間の勤務が求められますが、会社によっては売上を上げることで早めに上がれる場合もあります。
会社の方針や状況に応じて、自分のペースで働ける環境を選ぶことが可能です。
生活サイクルが不規則になりやすいが調整するコツは?
隔日勤務では生活サイクルが不規則になりがちですが、人間の体は意外と環境に順応する力があります。
決まったタイミングでの睡眠や食事を心がけることで、体のリズムを整えやすくなります。また、休日を活用してリズムを取り戻すこともおすすめです。
体調管理と心身のケアを徹底して、隔日勤務を無理なく乗り越えよう
隔日勤務のタクシー運転手にとって、長時間労働や不規則な生活リズムは心身に負担がかかり、きついと言われがちです。これを無理なく乗り越えるには、日々の体調管理と心身のケアが欠かせません。
まず、質の高い睡眠を確保するために、遮光カーテンで外光を遮り、睡眠環境を整えるなどリラックスできる習慣を取り入れると効果的です。またストレスを解消するためには、好きな音楽を聴いたり、休日にリフレッシュすると良いでしょう。
さらに、栄養バランスの取れた食事や適度な運動で体力を維持し、仕事中に小休憩を活用して効率的に体を休めることも大切です。
隔日勤務は大変な面もありますが、自分のペースで働きたい方や、夜型の生活に適応できる方には向いています。
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