40代は、これまでの社会人経験を踏まえて、同じ会社で働き続けるのか別の仕事に転職してキャリアプランを変更するのか迷う年代と言えます。
特に男性の場合、体力的な変化や家族を支える責任感が強まる中で、別の仕事を検討する方もいるでしょう。
近年は生涯雇用の考えがなくなりつつあり、40代で転職する人も少なくありません。
しかしながら、転職市場では年齢が上がるほど即戦力が求められる傾向にあり、経験者や若い人材との競争があるため容易ではありません。
今回は、40代未経験で転職する厳しさや、成功させるためのポイントを中心に解説していきます。転職を有利に進められる資格や、おすすめの職種も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
40代男性が未経験での転職が厳しい理由
冒頭で解説した通り、40代男性が転職する際には、業界経験者や若手人材と競い合うことになります。この他にも、40代未経験で転職するのが難しいと言える理由として、以下のような内容があります。
- 即戦力が求められる
- 教育コストをかけにくい
- 体力面と健康面のリスク
- 給与水準のミスマッチ
- 新しい環境への適応
上記4つの理由について、企業の人材ニーズを交えながら解説していきます。
即戦力が求められる
企業は40代の転職者に対して、これまでの豊富な経験や専門知識を期待しており、教育に時間やコストをかける必要のない即戦力を求めています。
未経験の人材を雇う場合、業務に関する知識やスキルを一から習得する必要があるため、時間に余裕のある20代の人材が優先される傾向です。
そのため、新しい職種で活かせるスキルや経験がない限り、採用される可能性は低くなります。
教育コストをかけにくい
未経験者の人材を雇い、日常業務を問題なくこなせるレベルまで教育するには、多くの時間と人件費が必要です。採用リソースが限られている企業では、教育にコストをかける余裕がありません。
丁寧に教育したとしても「仕事内容や上司との考えが合わないから」と、辞められてしまうリスクもあります。そのため、40代の人材を採用する際には、最小限のコストで済む即戦力が優先される傾向です。
体力面と健康面のリスクがある
40代は体の衰えを感じ始める時期であり、男性であっても力仕事の多い職種では身体的な負担が大きく、腰痛などで退職するリスクがあります。
また、早朝勤務や夜勤のある職種では、生活リズムの崩れにより精神的な負担を感じやすく、ついていけなくなる人も珍しくありません。
入社時点で既に何らかの持病を抱えている方もいるため、長期的に安定して働けるかどうかという観点から、40代は採用を控えられがちと言えます。
給与水準のミスマッチ
未経験で転職する場合、スキルや実績が全くないため、手当などが付かず給与が低くなります。特に、前職で管理職についていた方は、大幅な収入ダウンが予想されます。
40代男性で家族がいる場合、最低限必要な収入に届かず、生活に支障をきたす可能性もゼロではありません。40代未経験者に最初から高い賃金を支払う求人は少なく、給与条件に合う仕事を見つけるのは難しいと言えます。
新しい環境への適応
未経験の業種に挑戦する場合、これまでとは全く異なる環境に適応する必要があります。長年にわたり1つの業種や職場で働いてきた方にとって、次の環境に馴染むのは決して簡単ではありません。
自分よりも若い、20代や30代の先輩社員とコミュニケーションを取ることも困難です。これに加えて、専門的な知識やスキルも身に付けていく必要があり、新しい仕事に慣れるまでには大きな負担が伴います。
40代男性は未経験での転職はやめた方がいいのか?
前述の通り、40代未経験での転職にはさまざまなリスクが伴います。しかし、それを理由に転職を諦める必要はありません。
近年、多くの業界で人材不足が深刻化しており、未経験者を歓迎する求人が増えてきています。社会人経験があり、簡単に仕事を投げ出さない、30代・40代の人材を求める企業も少なくありません。
40代ならではの豊富な社会経験による客観的な意見を取り入れるため、あえて異業種からの転職者を採用する企業もあります。
そのため、40代未経験であっても、諦めることなく積極的に転職活動を進めましょう。
40代男性が未経験で転職を成功させる6つのポイント
40代未経験で転職を成功させるためには、これから紹介する6つのポイントを意識することが大切です。
- 自己分析を行い、強みと課題を明確にする
- 企業や業界のニーズを徹底的に分析する
- 資格やスキルを習得して転職市場での競争力を高める
- 転職エージェントやネットワークを最大限に活用する
- ポジティブなマインドセットを保つ
- 転職活動を計画的に進める
これら6つのポイントについて、具体的な作業内容を解説していきます。
自己分析を行い、強みと課題を明確にする
転職活動を成功させる上で、最初に行うべきなのが「自己分析」です。これまでのキャリアや人生経験を振り返り、どのようなスキルや知識を持っているのか整理していきます。
頭の中だけで整理するのは難しいため、紙に書き出しながら自分の強みを明確にしましょう。また、新しい業種に転職するうえで足りないスキルや弱みを理解しておくことで、転職に向けた行動計画が立てやすくなります。
企業や業界のニーズを徹底的に分析する
自己分析の次に行うべきは「企業や業界の分析」です。業界の現状や今後の展望を踏まえて、どのような人材が必要とされているのかを理解していきます。
また、転職予定の職種で求人を出している、各企業のホームページや採用ページを確認し、企業が掲げるビジョンや理想の人材像についても把握しましょう。
その上で、自分の強みとマッチしている点や、今後身に付けるべきスキルや知識を分析することが大切です。
資格やスキルを習得して転職市場での競争力を高める
業界や企業のニーズについて理解した後は、今後必要となるスキルや知識を身に付けていきます。ネット上での勉強だけでは、第三者にスキルの有無を証明できないため、資格取得を検討しましょう。
資格を取得することで、スキルや知識を証明できるだけでなく「学ぶ姿勢」や「成長意欲」を面接時にアピールできます。
資格があれば、未経験者でも採用される確率が高まり、採用後も仕事に慣れやすくなります。
転職エージェントやネットワークを最大限に活用する
1人で自己分析や求人検索を進めるのではなく、業界に精通した人からの客観的な意見があれば、転職が成功する可能性がさらに高まります。そこでおすすめするのが「転職エージェント」です。
転職エージェントには、業界や企業に精通したキャリアアドバイザーが在籍しており、希望する条件に合った求人を紹介してもらえます。
また、応募先が決まった後の面接日程の調整や、履歴書・職務経歴書の作成までサポートしてもらえます。業界や職種が既に定まっている場合は、各業界に特化した転職エージェントがおすすめです。
弊社では、物流・建設・製造特化の転職エージェントサービスを運営しています。
40代未経験でトラックドライバーに転職成功した方もいますので、興味がある方はぜひご活用ください。
運送業界に特化した転職エージェント「ドライバーキャリア」 | ・トラック運転手などドライバ―職はこちら ・タクシー運転手の仕事探しはこちら ・バス運転手の仕事探しはこちら ・フォークリフトなど倉庫作業の仕事探しはこちら |
建設業界に特化した転職エージェント「建職キャリア」 | ・施工管理の仕事はこちら ・設備管理や危険物取扱者など建物保守の仕事はこちら ・不動産関連の仕事探しはこちら |
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ポジティブなマインドセットを保つ
40代未経験での転職は簡単ではなく、年齢や経験の壁に直面し、思い通りに進まないこともあります。そのような状況でも、前向きな気持ちを維持できるかによって、転職成功の確率は大きく変わります。
書類選考に落ちたり、面接で上手く自分をアピールできなかったりしても、何が悪かったのか反省した上で、次に活かしましょう。
なかなか採用されなかったとしても「自分に縁がなかっただけ」とポジティブに捉えて、次のチャンスに備えることが大切です。
転職活動を計画的に進める
40代未経験で転職するには、計画的に活動を進めることが大切です。無計画に応募していては、効率よく理想の求人に出会えません。
自分に足りないスキルがあると判断した場合は、取得する資格を決めた上で、受験計画を立てていきます。合格時期に備えて、経済的な準備や今の仕事の引き継ぎなどを進めていきましょう。
計画を立てておくことで、転職活動に時間がかかったとしても、焦らずにモチベーションを維持しやすくなります。
40代男性におすすめ未経験からの転職に役立つ資格14選
ここでは、40代未経験で転職する際に役立つ、各業界で活かせるおすすめの資格を紹介していきます。
資格を活かせる業界や職種、取得難易度などについて解説しますので、取得を検討してみてください。
宅地建物取引士
宅地建物取引士(宅建士)は、不動産業界で役立つ資格です。不動産法や権利関係、税制といった幅広い分野の知識を証明するもので、不動産取り引きのトラブル回避やリスク管理の役割を担っています。
不動産売買や賃貸の仲介業務において、顧客の説明や契約手続きの際に必要で「重要事項の説明」「重要事項説明書(35条書面)への記名・押印」「契約書(37条書面)への記名・押印」は有資格者にしかできない独占業務です。
合格率は1〜2割ほどで推移しており、資格難易度は高めであるものの、受験に特別な条件はなく、誰でも挑戦できます。
関連記事:宅建資格を取得するメリット5選|デメリットの対応策と年収アップのコツ
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは、個人や企業の資産運用・保険・税金・年金などに関する総合的なアドバイスを行うための資格です。
金融業界・保険業界・不動産業界など、幅広い分野で重宝され、顧客のライフプランに基づいた資産設計やリスク管理を提案します。
資格は1〜3級までの区分があり、入門編となる3級の合格率は7割前後で推移しており、比較的難易度の低い資格です。3級の取得に必要な勉強時間は100〜150時間ほどです。受験に特別な条件はなく、誰でも挑戦できます。
介護福祉士
介護福祉士は、介護現場で高齢者や障がい者の生活支援を行うための資格です。
介護施設や在宅介護などの現場で、身体介護や生活援助を行うほか、利用者の家族や他のスタッフとの連携を通じて、より質の高いケアを提供する役割を担います。
介護業界に欠かせない存在であり、キャリアアップにも活かせる資格です。
資格取得するには「養成施設で2年以上の課程を修了」「福祉系の高校で所定の課程を修了」「実務経験3年以上と実務者研修450時間」のいずれかを経て、国家試験に合格する必要があります。
転職前に取得するのは難しいものの、将来的なキャリアプランとして介護福祉士の取得を目指していることを面接でアピールするのも効果的です。
普通二種免許
普通二種免許とは、お客様を乗せて目的地まで送り届ける業務に従事するために必要な資格です。乗用車を運転できるのは普通一種免許であるため、別で資格を取得する必要があります。
普通二種免許を取得できれば、タクシーやハイヤーの運転手として活躍できます。送迎バスや観光バスといった車両を運転する場合は「中型二種免許」「大型二種免許」が必要です。
資格を取得するには、普通一種免許を取得後、3年以上の運転経験が必要です。転職前に取得することも可能ですが、近年はタクシー会社に入社後、会社負担で取得するのが一般的です。
資格取得支援制度の有無は、タクシー運転手の求人やタクシー会社のホームページで確認できます。
関連記事:二種免許の取得は難しい?最短8日で取得する方法と費用
関連記事:【必見】二種免許が活かせる6つの仕事|取得方法や条件、メリットについて
大型・中型自動車運転免許
大型・中型自動車運転免許は、大型トラックや中型トラックの運転手になるうえで必要な資格です。前述の通り、一種と二種に分かれておりバスなどの旅客運送を行う場合は、二種免許を別で取得する必要があります。
運送業界は人手不足が深刻であり、多くの運送会社が人材確保のために「資格取得支援制度」を設けています。
そのため、転職前に資格を取得することも可能ですが、入社後に会社負担で取得するのが一般的です。なお、2019年の道路交通法の改正により「受験資格特例教習」を受講すれば、19歳より中型・大型免許を取得できるようになりました。
関連記事:大型免許の難易度と取得条件|教習所と一発試験の合格まで
関連記事:【初心者向け】中型免許を取得する条件と費用|取得までの具体的なステップ
大型特殊自動車免許
大型特殊自動車免許は、農業機械や建設機械など、特殊な車両を公道で運転するための資格です。具体的にはブルドーザー・トラクター・フォークリフトなどの車両が該当します。
特殊車両そのものを運転するための資格ではなく、特殊車両を「公道」で運転するための資格であり、乗務するには別途その車両ごとの運転免許が必要です。
各車両の運転免許と普通自動車免許を取得していれば、誰でも取得できる資格で、教習所に通えば1〜2週間ほどで取得可能です。
関連記事:大型特殊自動車免許の取得費用は?取得の流れや目安日数も
けん引免許
けん引免許は、トレーラーやキャリアカー、コンテナ車など、車両を牽引して運転するための資格です。運送業界で大型車両を運転する際に活かせます。
資格取得するには、普通自動車免許を保持している必要があり、教習所に通いながら1〜2週間で取得できます。
ただし、実際にけん引車を運転するには、高度な運転技術と豊富な経験が求められます。資格を取得してすぐに、トラックの運転経験がないまま、けん引車の業務に就くことは稀です。
そのため、転職前に無理に取得する必要はなく、運送会社でトラック経験を積んだ後に、取得を検討するのが一般的です。
関連記事:トレーラー免許(けん引免許)の取得方法・費用・難易度
危険物取扱者
危険物取扱者は、ガソリンや軽油など消防法で定められた危険物を取り扱うために必要な資格です。危険物を扱う、製造工場・化学工場・運送業などで重宝されます。
資格は「甲種・乙種・丙種」に分かれており、最も需要が高く受験者が多いのは「乙種4類」となります。
甲種を取得するには、学歴などの受験資格を満たす必要がありますが、乙種・丙種であれば誰でも受験可能です。ほぼ毎月試験が行われており、1〜3ヵ月の勉強で取得できます。
関連記事:危険物取扱者の難易度は?資格の種類や勉強時間について
フォークリフト運転技能講習修了証
フォークリフト運転技能講習修了証とは、倉庫や工場でフォークリフトを使用して荷物の運搬やトラックへの積み下ろしを行うために必要な資格です。
倉庫業・運送業・製造業などで需要の高い資格で、2〜4日間の技能講習を受講し、その後に実施される試験に合格することで取得できます。講習で実施した内容がそのまま出題されるため、合格率は95%以上と言われています。
18歳以上であれば誰でも取得可能であるため、当該業界へ転職する予定の方は取得を検討しましょう。取得にかかる費用は2〜5万円ほどです。
関連記事:フォークリフトの資格の取得方法|受験資格や費用・合格率も
機械保全技能士
機械保全技能士は、工場などで使用される機械設備の点検や保守、修理を行うための資格です。製造業工場では、設備保全部門が設けられていることが多く、製造業に欠かせない資格と言えるでしょう。
資格は1〜3級に分かれており、経験年数やスキルに応じて取得可能です。入門編となる3級に特別な受験資格はなく、転職予定の方であれば誰でも受験できます。
ただし、実技試験はテキストを読むだけでは対応が難しいため、セミナーや実践的な講習の受講が必須と言えるでしょう。
参考:機械保全技能検定|公益社団法人 日本プラントメンテナンス協会
関連記事:設備保全で役立つ資格は?|機械保全技能士や電気工事士について
電気主任技術者
電気主任技術者は、電気設備の保守・管理・点検を行うために必要な資格です。一定規模以上の電気設備を設置している施設では、電気主任技術者の配置が法的に義務付けられており、安定した需要があります。
扱える電気設備の規模によって第一種〜第三種に分かれており、第一種が最上位資格となります。最も難易度が低いとされている第三種電気主任技術者に特別な受験資格はなく、誰でも挑戦可能であるものの、合格率は1割ほどしかありません。
合格に必要な勉強時間は1,000時間と言われており、初学者の場合は数年かけて取得するのが一般的です。
参考:電気主任技術者って何だろう?|一般財団法人 電気技術者試験センター
関連記事:電気主任技術者と電気工事士の違いは業務内容|役割・年収・資格の比較
電気工事士
電気工事士は、建物や施設における電気配線や電気設備の設置など、電気工事全般を行うための資格です。電気工事作業は電気工事士の有資格者しか行えないため、需要の高い資格と言えるでしょう。
第一種と第二種に分かれており、一般住宅や小規模な店舗の施設の電気工事には第二種、大規模施設で高圧電気設備の工事を行うためには、第一種免許が必要です。
第二種電気工事士試験に特別な受験資格はなく、誰でも受験可能です。実技試験もありますが、練習道具がセットになったテキストや通信講座が豊富にあるため、初学者でも十分合格を目指せます。
関連記事:電気工事士とは?取得方法や試験概要、合格率や仕事内容も
施工管理技士
施工管理技士は、建設現場で工事全体をチェックしながら、計画通りに工事を終わらせる役割を担っています。主な管理項目には「品質管理・原価管理・工程管理・安全管理・環境管理」があり、これを施工管理の5大管理と呼びます。
あらゆる建設工事で選任が義務付けられている「主任技術者」や「監理技術者」に就けるのは施工管理技士だけであり、建設業界に欠かせない存在と言えるでしょう。
試験は第一次・第二次検定に分かれており、第一次検定は17歳以上であれば誰でも受験可能です。第二次検定の受験には3年の実務経験が必要です。
衛生管理者
衛生管理者は、労働者の健康と安全を守るために、職場環境の衛生管理や労働災害の予防対策を行うための資格です。
具体的には、職場の安全管理や労働者の健康診断の計画、労働環境の改善提案といった業務をこなします。50人以上の労働者がいる職場では、衛生管理者の選任が法律で義務付けられており、全ての業界に欠かせない存在です。
資格を取得するには、学歴に応じた実務経験を満たす必要があり、誰でもすぐに取得できるわけではありません。
40代男性が未経験の仕事に転職する際に有利になる5つのスキル
40代で転職する場合、業界経験がなくても、全ての仕事で活かせるスキルがあれば、面接の際にアピールできます。
具体的なスキルの詳細について解説していきますので、当てはまるものがあれば、積極的にアピールしましょう。
これまでの実績や経験
仕事の中には、業種が異なっているだけで、具体的な業務内容が似ているものも存在します。例えば、前職で企画系のプロジェクト管理をしていた場合、その経験は製造業の品質管理や生産計画の管理でも十分に活かせます。
実績や成果に関しても、前職でコスト削減に成功した経験は、製造プロセスの改善や効率化などに応用できるでしょう。
このように、異業種であっても、実績や経験の内容によっては活かせるものがあるため、転職先で求められるスキルや仕事内容を把握した上で、役立ちそうな実績や経験を整理してみましょう。
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、業界や職種を問わず、どの仕事でも非常に重要となるスキルです。
ただ会話するだけでなく、相手の意図を的確に理解し、自分の考えを分かりやすく伝える力が求められます。また、立場の異なる相手とのやり取りでは、仕事を円滑に進めるための調整も必要です。
例えば、トラブルが発生した際に、苛立ちを見せると冷静な話し合いができません。冷静に状況を説明し、相手の立場を理解しながら建設的な対話が求められます。
コミュニケーション能力が高ければ、職場全体の信頼関係の構築にも繋がるため、具体的な実績や経験がある場合は、積極的にアピールしましょう。
リーダーシップ
リーダーシップスキルも、業界や職種に関係なく、多くの場面で求められます。単に指示出しするだけでなく、チーム全体をまとめて、目標達成に向けて一丸となるように導きます。
問題解決能力や適確な判断力が求められるだけでなく、リーダーとして各メンバーの個性や強みを理解し、それぞれが最大限のパフォーマンスを発揮できるようなサポート力も必要です。
プロジェクトリーダーや管理職の経験がある場合は、過去の業務で起きた問題やそれに対してどのような対策を講じたかなど、具体的に説明できるようにしておきましょう。
マネジメント能力
マネジメント能力は、プロジェクト全体の管理で求められるスキルです。チームやプロジェクト全体を管理するにあたり、リソースや時間、人的資源の調整を行い、目標達成に導くスキルを指します。
計画通りに作業が進むとは限らず、問題が発生した際には、軌道修正を行う柔軟性も必要です。過去にプロジェクト管理やチーム運営の経験がある場合は、具体的なエピソードが話せるようにしておきましょう。
ビジネスマナー
ビジネスマナーは、どの職場でも求められる基本的なスキルです。挨拶や言葉遣いはもちろん、職場での適切な行動や礼儀を通じて、社員同士の信頼関係を築くうえで重要となります。
メールの書き方や各種プレゼン、名刺交換など、日常的なビジネスシーンでも必要であり、接客業などで特に重視されます。
40代男性が資格取得後に正社員として転職できる未経験職種
転職する業界によっては、未経験者でも挑戦しやすい職種や、人材不足により未経験者を歓迎している場合もあります。
ここでは、40代未経験からでも挑戦しやすく、十分に採用を狙える職種を紹介します。主な業務内容などを紹介していますので、転職先を決めるうえで参考にしてみてください。
不動産営業
不動産営業は、土地や建物の売買や賃貸を仲介する仕事で、顧客の要望に合った物件を提案し、契約が成立するまでサポートを行います。
具体的には、物件情報の収集・顧客への提案・現地案内・契約書の作成といった業務をこなします。また、契約後のアフターフォローも大切な仕事の1つです。
不動産営業では、物件に関する知識よりも、顧客との信頼関係を築くためのコミュニケーション力や交渉力が重視される傾向があります。
そのため、専門的な知識がなくても、対人スキルなどがあれば未経験でも活躍できるチャンスがあります。さらに、契約の成果次第では、入社してすぐに高収入を目指せる点も大きな特徴です。
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生命保険営業
生命保険営業は、顧客に対して生命保険商品を提案・販売し、要望に合った保険プランを提供する仕事です。
具体的には、顧客の家族構成やライフプラン、経済状況などのヒアリングを行い、最適な保険商品を提案します。契約成立後の定期的な契約内容の見直しや、保険金の請求手続きといった業務も営業の仕事です。
商品知識も必要ですが、顧客との信頼関係を築くためのコミュニケーション力が重視されます。そのため、人生経験や対人スキルを活かしやすく、保険営業の経験がない人でも挑戦できる職種です。
役立つ資格で紹介した「ファイナンシャルプランナー」を保有していると、転職の際に優遇されやすくなります。
介護福祉士
介護福祉士は、高齢者や障がい者の日常生活を支援する仕事です。具体的には、介護施設や住宅で、食事・入浴・排せつといった日常生活のサポートを行い、利用者が快適で安全な生活を送れるように支援します。
介護業界は人手不足が深刻で、未経験者を歓迎する求人が多い傾向です。資格取得支援制度を設けている施設も多く、働きながら成長できる環境が整っています。
専門資格を取得できれば、キャリアアップを目的とした転職も可能で、長期的に働き続けられる仕事と言えるでしょう。
トラック運転手
トラック運転手は、物資や商品を指定された場所まで安全に運搬する仕事です。メイン業務は運転ですが、荷物の積み下ろしや輸送ルートの確認も行います。
「引っ越し業者の運転手・長距離運転手・ルート配送運転手・軽貨物運転手」など、さまざまな働き方があり、軽貨物運転手であれば体力に自信がない人でも挑戦しやすいと言えるでしょう。
運転手として経験を積み、けん引車や大型トラックを運転できるようになれば、高収入も目指せます。人手不足が深刻な業界でもあり、未経験でも転職しやすい職種です。
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関連記事:40代未経験でもトラック運転手になれる|転職のコツや注意点
タクシー運転手
タクシー運転手は、乗客を指定された目的地まで安全に送り届けるのが仕事です。メイン業務は運転ですが、乗車中のお客様への接客も重要な仕事です。
タクシー業界は「隔日勤務」が主流であり、1回の勤務で2日分働き、月の出勤回数は11〜13回ほどです。長時間勤務に慣れる必要はあるものの、プライベートの時間を確保しやすいといった特徴があります。
運転手として乗務するには第二種免許が必要ですが、転職後にタクシー会社の負担で免許を取得するのが一般的であるため、事前に取得しておく必要はありません。
転職者の割合が非常に多い業界であり、40代未経験者でも十分転職を狙える職種です。
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関連記事:【必見】40代でもタクシードライバーに転職できる|求められるスキル、成功のコツ
バス運転手
バス運転手は、指定の停留所を回りながら、最終目的地まで乗客を運ぶ仕事です。運行中には、行き先の案内や運賃の収受も行います。
路線バス運転手の他にも、送迎バス・観光バスの運転手もあり、それぞれ運行内容や仕事の流れが異なります。
路線バスは、地域の人々の生活に欠かせない存在であり、観光バスはインバウンドの回復により、観光地を中心に需要が高まっています。
乗務するには、中型・大型第二種免許が必要ですが、会社の資格取得支援制度を利用して取得するのが一般的であり、普通自動車免許を保有していれば応募可能です。
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大型トレーラー運転手
大型トレーラー運転手は、大量の貨物や重量物を専門に運搬する仕事で、運転する車両にはタンクローリーやコンテナ専用トラックがあります。
中型・大型運転免許に加えて「けん引免許」が必要です。けん引車は一般的なトラックよりもサイズが大きく、最も運転が難しいとされており、資格があれば誰でも簡単に乗務できるわけではありません。
トラック運転手として経験を積み、けん引免許を取得した上で、トレーラー運転手を目指してみましょう。ガソリンや高圧ガスといった燃料を運搬する際には「危険物取扱者」の資格が役立ちます。
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製造業
製造業は、製造工場において自動車・家電製品・食品といった、さまざまな品目を製造する業界です。関連職種には「製造オペレーター・組立工・検査、品質管理・設備メンテナンス・生産管理」などがあります。
職種にもよりますが、ライン作業は特別な資格がなくても始めやすく、未経験者を歓迎する求人も多くあります。作業員として経験を積みながら、機械の操作スキルなどを習得し、別の職種にキャリアチェンジすることも可能です。
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設備保全
設備保全は、工場や製造現場で使用される機械や設備が安定して稼働するように、点検や修理、メンテナンスを行う仕事です。
機械設備のある施設には欠かせない存在で、さまざまな職場で需要があります。機械や電気に関する知識が必要ですが、多くの企業では社内研修制度が充実しており、未経験者を歓迎している求人もあります。
機械保全技能士や電気工事士といった資格を保有していると、転職の際に優遇されます。製造業は日本の基幹産業の1つであり、今後も安定した需要が続く職種と言えるでしょう。
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施工管理
施工管理は、建設現場で工事全体をチェックしながら、計画通りに工事を完了させる役割を担っています。品質・原価・工程・安全・環境の5項目を中心に現場を管理します。
建設工事で設置が義務付けられている、主任技術者や監理者になれるのは、施工管理技士だけであるため、需要のなくなることがない職種と言えます。
建設業界は、技術者の高齢化や若手人材の参入減少による人手不足が深刻化しており、未経験者を歓迎している求人も多くあります。
気になる職種があれば、さらに細かくリサーチを行い、関連資格の取得を検討してみましょう。
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40代未経験の男性の転職に関するよくある質問
最後は40代未経験の転職に関する、3つのよくある質問に答えていきます。
- 40代男性の転職率は?
- 39歳と40歳の転職は違う?
- 男性が多い職場は?
40代の転職事情に関する内容ですので、参考にしてみてください。
40代男性の転職率は?
厚生労働省が公表した「令和4年雇用動向調査結果」によると、40代前後の転職入職率は以下の通りです。
年代 | 男性 | 女性 |
30~34歳 | 9.5% | 14% |
35~39歳 | 7.7% | 10.7% |
40~44歳 | 5.7% | 9.6% |
45~49歳 | 5.4% | 10% |
50~54歳 | 5.1% | 9.6% |
55~59歳 | 5.7% | 7.3% |
男性の場合、100人中5人前後しか転職していないことが分かります。この理由としては、即戦力を求められるケースが多く、若手人材との厳しい競争があることが関係していると推測されます。
ちなみに、男性の転職入職率で最も多かったのは、10代で19.9%でした。
39歳と40歳の転職は違う?
前述の通り、年齢が若いほど転職入職率が多く、教育に時間をかけやすいため転職しやすい傾向です。ただし、1歳違うだけで転職のしやすさに大きな違いはありません。
39歳から40歳になったからといって、転職難易度が一気に上がるようなことはないと言えるでしょう。
男性が多い職場は?
力仕事や体力を必要とする職場は男性の方が多い傾向があります。具体的には以下のような業界があります。
- 建設業
- 製造業
- 運送業
- 自動車整備業
- 土木、インフラ関連
- 警備業
- ITエンジニア
IT関係に関しては「工学系は男性が中心」といった歴史的な背景が影響していたり、長時間労働になりやすかったりすることも原因と考えられます。
40代未経験で転職するなら資格取得を目指そう
転職市場では、年齢が上がるほど即戦力を求める傾向にあり、教育コストや体力面のリスクがあるため、40代未経験での転職は難しいと言えます。
ただし、自己分析を行い次の業種で活かせる強みを見つけたり、業務で役立つ関連資格を取得することで、転職成功の確率を高めることができます。
近年は、人材不足が深刻化している業界もあり、未経験者を歓迎する企業も増えてきています。今回紹介した職種を参考にしながら、転職を検討してみましょう。
「自分に合った職種が何なのか分からない」「希望する条件の求人がなかなか見つからない」といった方は、転職エージェントを活用してみましょう。
業界に精通したキャリアアドバイザーが、自己分析をサポートした上で、希望条件に合った求人を見つけてくれます。各職種の適性も踏まえたアドバイスもしてくれるため、転職失敗のリスクを抑えやすくなります。
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